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乳房全摘手術って怖いの?入院から術後までの流れを紹介

右胸全摘手術から9日目。まだ傷口に差したドレナージが取れないけど元気です。明日抜いて、明後日の午後退院予定。

手術は怖い?

 私が「乳がんで手術するんだ」と言うと、周りの人は「怖くない?」「大変だね」「心配じゃない?」と言いました。でも、本当に怖いのは全身麻酔で手術中に呼吸が止まったり、心臓が止まったり、敗血症になったりすることで、それは誰にも予測できないし。たとえそれで運悪く亡くなったとしても、患者は寝ているから自分では気づかないし、何も感じないから怖くないよね。

 手術中、大変なのは執刀医、麻酔医、オペスタッフで、患者は寝てるだけです。手術が無事に終わったら、患者は大変です。では、どんなことが待っているでしょう。

前日入院は何のため?

 手術の前日、15日午前9時〜9時30分までに入院受付に来て、入院誓約書その他の書類を提出。病棟看護師さんが入院受付まで迎えに来てくれてエレベーターで病棟へ。本人確認のリストバンドを左手に(術部が右なので、すべての処置は左手で行うから)付けた後、身長、体重を測り、綿棒を鼻の奥に突っ込んでPCR検査を受けました。前日、施設にリハ入院した息子も病棟に行く前にPCR検査を受けて陰性だったので、私も陰性の自信あり。

 その結果を待たずに病室に案内されました。希望通りの個室で、トイレ、シャワー、冷蔵庫付き。1日4,400円税込だけど、Wi-Fiが付いてるし静かだし。せっかく息子の介護から離れたので、この際贅沢させてもらいます。荷物を出して、使いやすい位置にセットしたり不要なものを片付けたり。持参したパジャマにも着替えます。そうこうしているうちに、PCR検査の結果「陰性」の連絡がありました。

 昼食は12時、夕食は午後6時ですが、大体早めに届くみたい。この日は夕食までは食べていいけど、その後はダメ。水分はOKです。しばらくお風呂に入れないのでシャワー浴びて、それ以外はベッドでゴロゴロして本を読んだり、iPadでゲーム見たり、動画見たり。食堂にティーサーバーがあって、いつでも熱々の玄米茶が飲めるし、食事は食堂から各部屋に届けられるシステム。でも歩ける患者さんはここまで食事を取りにきます。

 前日入院は今ならコロナ検査、そして飲食の時間制限、安静にして体温と血圧管理が目的ですが、私の場合血圧がドン引きするほど高かった。入院直後、上が234あって皆ビックリ。私もビックリ。その後190と100まで下がったけど、「このままじゃ手術できないから明日血圧降下剤飲むよ」と担当医に言われました。

 夜は10時消灯ですが、ベッドや枕が合わず腰が痛くて痛くて、睡眠導入剤をもらって飲んでも全然眠れない!個室だし、イヤホンもしてるので消灯過ぎてもhulu見て起きてました。

手術当日

 午前5時半に体温、血圧の測定。手術は午後1時からの予定で、水分は午前10時まで。朝食はもちろんなし。血圧を下げる薬を飲んで、準備します。術後は今使ってるベッドをオペ室まで運んで、私を乗せて部屋に戻るそうなので、ベッドの上にある本やぬいぐるみ、タオルやら充電ケーブルやら、私物をすべて他の場所へ。オペ室に持って行くT字帯1つを出しておく。

手術中、家族は控え室に待機していなければならず、コロナ下でもそれは同じらしい。午後1時のオペ開始なので12時半には病棟入り口に来るよう、昨日付き添いで来た旦那に言ってました。

12時。点滴開始・・・なのですが、麻酔投与するための太めの針が血管に入らず看護師さん悪戦苦闘。ベテラン看護師さん3人が入れ替わり挑戦するもダメ。「どこでも何度でも針突き刺していいから。気にしないでどんどん刺して」と言うと「優しすぎる!天使だ!」と看護師さんに感謝されるけど入らない。「腕を諦めて、手や足の甲にしたら?」と私から提案するけど、プライドが邪魔するようでなかなか挑戦しない。結局、手もダメで足の甲に点滴し、オペ開始も遅れてしまいました。

 点滴が終わると、私は車椅子でオペ室へ。その途中で旦那と合流し、入り口で別れる。オペ室でいろんなスタッフに挨拶されて、それからもう記憶なし。気づいた時は自分の病室でした。手術の所要時間は約2時間。担当医に「リンパ節に転移なかった」と言われて安心。あまりにも傷口が痛いので座薬を入れてもらうと痛みはすぐに消えました。

 麻酔から覚めると、自分の状態がわかってくる。右足先には加圧マッサージ機(本当は両足につけるものだけど、私は左足甲に点滴してるので右足だけ)がはめてある。点滴のほかに尿カテーテル、酸素飽和度計も繋がっているので、体が動かせず腰が痛くて!手術部分の痛みよりも腰痛くて泣きました。まったく眠れないし。夜9時過ぎに水分補給の許可が出て水を飲みました。

 体温と血圧その他の測定が1時間おきにあるので、その度に腰の痛みを訴えてました。

術後1日目

 全然眠れない夜を過ごして朝を迎える。食後に飲む抗生物質と痛み止め、胃薬、血圧降下剤が出されました。8時前に朝食が部屋に届けられましたが、お粥とかじゃなくて白飯の通常食です。傷の痛みは特になし。午前10時に体に付けているものが全て外されて自由の身に。すぐ立ち上がっても立ちくらみもなく、普通に歩けました。食堂へお茶をくみに行ったり、昼食を取りに行ったり。FBやLINEのやりとりが忙しかった。動くようになると腰の痛みもなくなり安心しました。

その後は

 痛み止めは3日分だけで、その後は飲まず。すると今までまったく感じなかった右脇とその周辺の痛みを強く感じるようになりました。じっとしてると痛くないけど、動かしたり触ったりすると痛い。でも、こういうのって日薬って言うし。言えば痛み止めをもらえるんだろうけど、我慢できるし。

 後はこの痛みに慣れながら、少しずつ普通の生活に戻っていこうと思います。入院前と先ほど処方された痛み止めがそれぞれ10日分もあるので安心だし。傷口はやっぱ凄い見た目ですよ。私もともと太ってるから、切除していない左胸と比べたら、ただ切り取ったというより「えぐった」つて感じ。脇から急に肋骨すれすれまで肉を削りました!っていうくらい。ブラジャーしようがパッド入れようが、土台そのものがごそっと凹んでいるのでごまかしようがない。Tシャツは2度と着られないでしょう。でもダイエットすれば少しは左右の胸の差が減るかもね。私は自分の見た目とか全然気にしない性格(単にズボラなだけ)なので平気だけど、若い人にえぐれた胸は辛すぎるかも。再発や転移の可能性がゼロなら乳房温存や再建ができるけど、現実は残酷ですね。

 というわけで、私の乳がん体験記はこれで終わりです。誰かのお役に立てたら幸いです。最後まで読んでくださってありがとうございました!


 


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