18歳の #8月31日の夜に
春先から溶け出した空
燃えたぎっている地面を裸足で歩いていて
3秒に一度、海が呑み込みこんでくるのが視界の上方に入り
でも決して水辺には手は届かず
穴に落ちていく重力を感じる
夏の終わり、街中で同窓生が私を見つけたとき
私はとうに水底にいて
身体は燃え盛っていて
目の焦点はなく
こちらを見据えていた
そう彼らは証言する
3月31日から4月1日に変わった瞬間
級友は皆ハチマキを額に巻き始めた、高校三年だもの
私の周りだけ、机も手も黒板も文字も真っ白になったのを
世界が真っ白