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Google、Yahoo!検索、Baidu のモバイル向けウェブ検索を中心にした検索サービスの動向調査

こんにちは。SupershipでディレクターをしているHongです。私が主にモバイル向けの検索サービスのディレクション業務を担当しています。

各種検索サービスの動向を把握するのが仕事に欠かせない一環になっていますので、今回その動向調査の一部をご紹介したいと思います。

主にGoogle、Yahoo!検索、Baidu(中国の主要な検索サービス)のモバイル版ウェブ検索を比べながら調べた内容になりますが、検索サービスのトレンドを把握したい場合の参考になれたらと思います。

検索結果がキーワードの種別によって、傾向が異なる場合が多いですので、ここでは主にキーワードの種別でまとめています。


時事系ワード

「コロナ」の例では、どちらもユーザーが求めている可能性が高い検索結果をまとめたDD機能(ダイレクト・ディスプレイの略称)を優先的に表示しています。

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※DDとは以前からYahoo!検索が提供する機能の名称です。(詳細はこちらの記事をご参照ください。)

GoogleとBaiduも似たような機能を提供していますが、このノートでは統一的にDDとまとめて呼ぶようにしています。


人名ワード

「Lisa」の例では、Yahoo!検索のDDがニュース、公式ツイートなど種別で表示され、GoogleのDDが概要、動画などの種別で表示されています。ユーザーが早く探したい結果に辿り着くように設計しています。

そしてどぎらも「他の人はこちらも検索」機能を提供し、関連する人物の名前で検索できるようになっています。

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作品名ワード

Googleの「鬼滅の刃」の例では、ニュースの結果を「映画」や「大韓民国」のようなサブトピックスで絞られて表示されています。そしてDDが検索結果の最初ではなく、途中で表示されるようになっています。

Baiduの「乘风破浪的姐姐」(中国のバラエティー番組の名前)の例では、動画の結果を絞り込むような関連ワード機能が導入されています。元の検索キーワードの曖昧な検索目的をより明確に絞っていくのがこの機能の役割だと思います。この後も似たような機能を絞込みキーワードと呼ぶようにしています。

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商品ワード

「加湿器」の例では、Googleの検索結果にタイプ別の絞込みキーワードが表示されています。

Baiduではソーシャル動画共有サービスのコンテンツを検索結果の対象になっています。

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スポットワード

「東京スカイツリー」(Baiduでは類似のテレビタワ名のキーワード)の例では、どちらもスポットの基本情報を含めるDDを表示しています。

Yahoo!検索では公式サイトをDDより優先しています。

GoogleとBaiduでは他の関連スポットキーワードを「他の人はこちらも検索」機能で提供しています。Baiduではチケット予約の導線も表示しています。

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シーズンワード

シーズンワードとはある期間によく検索されるトレンドのあるワードのことでして、「スキー」というキーワードを見てみました。

Yahoo!検索ではYahoo!ショッピングの結果を上位に表示して、検索結果の途中に「関連カテゴリから探す」という機能で、スキーの関連カテゴリ絞込みキーワードで検索できます。

Googleではスキーのスポット情報をまとめるDDを最初に表示しています。スキーの商品を探すニーズも考慮して、「こちらを検索しますか」機能でスキー関連商品の絞込みキーワードを表示しています。そして画像の検索結果でも絞込みキーワードが表示されています。

Baiduでは画像と動画の結果では絞込みキーワードを表示し、ライブ動画の結果も検索できるようになっています。

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まとめ

どちらのサービスも、複雑の検索ニーズをいかに早く結果に導くため、検索結果をより精度の高い分析を行い、検索機能のUIを多様に展開し、トレンドコンテンツを取入れるなど、様々な工夫が行われています。特に興味深い傾向を3つ挙げられます。


DD(ダイレクトディスプレイ)

DD自体の情報が多様化に、位置も可変になってきています。そしてDDが一律に検索の最優先解決策ではない場合もあります。


関連ワード

関連ワードの種類も位置も多様化になっています。種類に関して、主にこちらの2つの目的に分けられます。

・元の検索キーワードが含まれ、検索結果を絞り込む関連ワード(本記事で絞込みキーワードと呼ばれる機能が該当になります。)

・元の検索キーワードが含まれない検索ニーズを広がる関連ワード(Yahoo!検索とGoogleの「他の人はこちらも検索」機能が該当になります。)

どちらもユーザーの多様な潜在検索ニーズを最適なタイミングで提案するようなトレンドが見えます。


検索対象のトレンド

こちらが現状主にBaiduでの特徴になりますが、ショートムービー、ライブ映像などトレンドな映像コンテンツも検索結果に登場しています。主に中国でこれらの映像コンテンツの爆発に増加する背景の影響だと思います。


今回が主にモバイル向けウェブ検索を調査してみましたが、検索の手段や検索の場所に関して、大きな変化が起きつつしています。

検索の手段は、文字で探すほかに、画像や音声などの手段が徐々に増えています。

検索の場所は、今回の調査対象のメジャーな検索サービスより、流行しているサービス内(例えばソーシャル写真や動画共有サービスなど)で情報を探す習慣にシフトしつつしています。

更に探す行為を意識をさせないようなシームレスな検索体験も増えてくるでしょう。

情報が爆発に増えている社会で、人々が情報疲れのような新しい悩みも増えていると思います。このような悩みを解決できる、より便利で効率的な検索サービスを提供できるよう、様々な情報を届けるサービスの動向をウォッチしていきたいと思います。

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