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Tell Your World動画の話

これまた随分前に出した【ボカコレMMD】Tell Your World【PRE第2回MMD廃】について。

これもふせったーの内容を清書したもの。
元ふせはこちら。

前回と同様に大した構成力も技術もないので、ただの私の感傷ノートとなっている。


始まり

どうしてボカコレに参加しようと思ったのかもう思い出せない。
Twitterは作品置き場にしたので、当時の自我ツイートはすべて消してしまった。何か、ニコニコ動画のお祭りに参加してしまったのかもしれない。
ずっと1人でMMD界隈で交流することなく活動していたので、人と話すきっかけにしたかったのかもしれない。
動機はなんであれ、初めてのイベントに勇気を出して参加することにした。

作業前の準備

いつからかは覚えていないが、ボカロ(広義)でMMD動画を作成するなら最初はこれ、と決めているものがあった。
ボカロへの感謝といえばそうかもしれないが、そんなきれいなものではなく、ただこの曲にボカロへの好きという気持ちをぶつけようと思っていた。
そして、私なりに解釈した初音ミク(とボカロ)の始まりと未来を描くことにした。

「Tell Your Would」
Google ChromeのCMをリアルタイムで見た。
初音ミク(とGoogle Chrome)を通して世界が繋がるCMは私の心に強く焼き付いた。
この曲に対してエピソードがあるわけではないが、私にとって初音ミクとボカロを象徴する曲の1つとなった。
こっそりと楽しむオタクの趣味から、世界に広がる1つの文化として初音ミクの名前が変化したように思う。

構成

お借りしようと決めていたYYB式初音ミクは、defaultとNTの名前で同時に公開されていた。defaultは最初に発売された姿の初音ミクで、元祖とも呼べる。NTは当時新発売された初音ミクの新しいソフトウェアの姿だ(厳密に言うとVOCALOIDではないらしいが、広義のボカロの括りに入れて問題はないだろう)。
NTのモデルを見たとき、ぼんやりとしていた構想がはっきりと形になったことはよく覚えている。

初音ミクの物語、始まりと未来をどう描こうか大体決まったときのプロットがこちら。


プロット
右上がりのとても大変ご立派な字

大体決まったと言いつつ、結局プロットに書いたことの半分くらいしか実現できていない。
ひとえに私の技量不足である。
しかし、テーマだけは一貫している。
1番は製品としての初音ミク。
誰かのアイディアから始まり作られ、人の手に渡り世界に広まっていく物語。
2番は初音ミクの存在。
何もしなければそこに"在る"だけ。
そこへメロディと言葉を加えることで"初音ミク"が誕生する。
Cメロから大サビは初音ミクの世界の広がりについて。
さまざまな媒体とコラボをして広がっていき、留まることを知らない展開。
これからも広がり続ける初音ミクの世界。

作業開始

イントロ

まず、1番のテーマを頭からなぞっていった。
イメージとしては連続テレビ小説の「なつぞら」やアニメ「となりの関くん」のOPがなんとなくあった。
おそらくそういった映像作品が発想の根底にあったように思う。

イントロの映像

誰かのスケッチ(アイディア)から始まる線画。
スケッチは動かないので、パラパラ漫画方式で初音ミクが動き出す。
このスケッチブックの表現はAviUtl側で数値を弄ってこだわった記憶がある。

1番

歌い始めて、初音ミクに色がつく。
これは色鉛筆でサラッと塗ったイメージ。
より二次元感を出すためにテクスチャはべた塗りに改造した。

1番Aメロ前半

こちらは絵の具で塗ったイメージ。
恐らく、より製品化に向けて具体的に話が進んだとかそういう意味合いで塗り方を変えたと思うが、その意図は果たして合っているのだろうか。

1番Aメロ後半

販売が開始され、ニコニコ動画で初音ミクの名前が知られ始める。
この動画を投稿する場所がニコニコ動画であること、ボカロの人気が爆発したのがニコニコ動画からだった(と認識している)ことから、ニコニコ動画の描写は必須だった。
ニコニコ動画で使われている初音ミクの図なので、3D感は出さない。

1番サビ前半

ニコニコ動画に投稿され、さまざまな媒体で広まっていく。
左上はニコニコ動画、右上はSwitch(ちょうど動画作成している時期にSwitchでニコニコ動画を見ることが可能になった)、左下はテレビ、右下はスマホ。

1番サビ後半

当時もかなり雑だと思いながら必死に作っていたが、まあ、これが当時の精一杯だった。
今ならもっとうまくできるかどうかはさておき。
見てわかるようにかなり荒削りの作品になっている。

2番

現実にある初音ミクの物語は1番で一旦終わった。
2番は私が解釈した初音ミクの物語が始まる。
なぜ2番はNTモデルを使用しているかについては、1番と変化をつけたかったのと、単純に私の好み。髪の毛が可愛い。

ただの存在に、メロディと言葉が与えられて初めて初音ミクとして誕生する。
歌姫なので、音と歌詞がなければ存在があやふやになってしまう。

なので、前半は不安げな表情で口を閉ざしているが、歌詞に触れて表情が明るくなり歌い出してサビに繋がる。

2番Aメロ

サビはボカロPによって生み出された初音ミクが、自我を持ってのびのびと歌っている。

2番サビ

電脳空間で歌っているというより、音楽の世界を全面に出したくて五線譜やピアノのステージをお借りした。
電脳世界の歌姫というのは、現実に生きている私たちから見た初音ミクの姿であって、初音ミク自身から見た初音ミクはただ音楽と共に生きる少女なのだと思っている。
初音ミクに「自分が電脳世界にいる」という自我があるかどうかの話になってくるが、こちら側の世界を認識していなければ自分の立っている場所が電脳世界だという自覚は生まれないと思う。
他人の存在を認識してはじめて、自分の存在に気づくように。

ボカロPの存在を認識している初音ミクも好きだが、ここではメロディと歌詞を与える存在としてだけ描いている。
ボカロPと初音ミクの物語を描くと、1番と似た展開になってしまうと無意識に避けていたのかもしれない。
当時はこんな風にごちゃごちゃ考えずに作っていたので、このあたりは今初めて考えていることが多い。
ので、結構後付けの思考ばかり書き留めている。

Cメロ

1番で初音ミクの始まりを、2番で初音ミクの存在について描き、以降は初音ミクの世界のこれからを描く。

ちょうど友人に勧められて始めたばかりということと、体感で当時一番話題になっているボカロ派生コンテンツ作品だったので、プロセカの初音ミクをCメロに取り入れた。
こちらはYYB式初音ミクの改造モデルをお借りした。
全体を通してモデルを統一できたことが密かに気に入っている。

Cメロ
ワンダーランズ×ショウタイムの初音ミク

Leo/needの初音ミクはギターモーションをお借りして作った。
ギターを持たせるのと、音を合わせるのに苦労した記憶がある。

大サビ

defaultとNTのミクを背中合わせにして、ピアノのステージで踊ってもらった。
最古と最新の姿をした初音ミクを同じ画面に収めることで、過去と現在を連想させたかった。

大サビ前半

また、後半にはセカイの初音ミクも追加した。

大サビ後半

動画作成当時、プロセカは初音ミクをはじめとするVOCALOIDというコンテンツの広がりを象徴するわかりやすい存在だと思っていた。
もちろん様々な媒体でコラボやタイアップが実現していることを知っているが、ボカロをメインとした音楽ゲームでありながら、ボカロファン以外にも親しんでもらいやすいという一面が強かったように感じている。
私自身しばらくボカロから離れていた時期があったが、私の知らない名曲やボカロPに出会えるきっかけを与えてくれ、この先のVOCALOIDの展開を期待させてくれたコンテンツであるとも思っている。
このあたりは何かを調べたわけでもなく、比較したわけでもないので完全に私の体感の話である。

そういった気持ちをプロセカに持っていたので、大サビ後半は初音ミクの脈々とした歴史(defaultとNTモデル)と未来への希望(プロセカモデル)をシーンに込めた。
また、この曲に様々なダンスモーションが存在していたことが、このシーンの作成に大きな影響を与えてくれた。

以上がこの動画の解説である。

あとはEDカードでdefault初音ミクの周りにみんなをはべらせてみたりした。
可愛い女の子が集まっているのが大好き。

余談

タイトルに【ボカコレ】とあるが、なんとボカコレに参加していないのである。
タグをミスして2022年春とか2021年秋などと、過去のタグをつけていたために参加していないのである。
身をもってタグの重要性を知ることができたイベントだった。
また、MMD廃のほうには無事参加させていただくことができた。
こちらでは楽しんでいただけたようで、なんと賞を3ついただいてしまった。やったね。
私の作品以外にも素晴らしい作品の数々が紹介されているので、是非見ていってほしい。
【第2回MMD廃】表彰式第1部
【第2回MMD廃】表彰式第2部【第3回MMD廃告知】

最後に

今回も長々ととりとめのない話にお付き合いいただきありがとうございました。
MMDerとしてはこの動画で初めてモデルの改造(テクスチャ塗りつぶしとスパッツ追加)や、3Dモデルを使用した二次元的表現にチャレンジをしました。
やりたいこと、描きたいストーリーが明確であると自然と絵が決まってくることを学び、これからどんな作品を作っていきたいか方向性が決まった動画でした。
ボカロへの思いはこの曲に詰め込んだので、恐らくもうボカコレ用の動画は作れないと思います。
この動画をリメイクして提出することが許されるなら、参加してみたいのですが。

記事内の画像はすべて私が作成した動画の一部です。
また、この画像のためにお借りした素材元様は動画内にクレジットしています。
為念ですが、ニコニコ動画以外に上げていませんので、もし他の動画サイトで見かけましたらご連絡いただけますと幸いです。

お借りした素材元様、動画にコメントをくださった視聴者の皆様、この記事を読んでくださった皆様、ありがとうございました。

初代ミクが最強ってわけ

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