番組グッズを作りたいときに読んでほしいnote vol.2 〜グッズの構想を練る〜
オリジナルグッズを制作する時、一番最初にした方が良いと思う事といえば「グッズの構想を練る」ことだ。いろんな構想を練らずにグッズを制作できる人はなかなかいない。ということで、今回はこの「構想を練る」について書いていきたい。
前回の記事はこちら
「構想を練る」とは
構想を練る、と言われて「あぁ、はいはい。わかりました」という人は少ないと思うので、どのような方法で構想を練っていくのか、ホネストがグッズ制作を行う際の手順をもとに紹介していきたい。
制作の前準備として必要な構想としては、
グッズに落とし込むデザインを何にするのか?
そのデザインはどのように準備するのか?
作ったグッズは「売る」のは「配る」のか?
準備したデザインで何のグッズを作るのか?
グッズを作る際の優先順位はなんなのか?
といったことを考えることが多い。
ということで、制作フローチャートを作成したので見ていただきたい。
グッズにしたいデザインがあるか?
最初に確認しておかなければならないのは、グッズにするためのデザインがあるかどうか?だと考えている。
もちろん、デザインなどなくグッズ自体がオリジナルのものになる可能性もあるので、全てのグッズがそうではないが、初めてのグッズ作りではそれはハードルがとても高いので今回は言及しない。
podcast番組でオリジナルグッズを作るとなると、一番手っ取り早いのが番組のアートワークをそのままデザインとして活用することだろう。
リスナーからも馴染みのあるデザインであり、グッズとしてわかりやすく、何より最初から正方形でデザインされていることがほとんどなので、ある程度おさまりが良い。
ただ、ここで一つ気をつけなければならないことがある。
●デザインは誰が作ったものなのか?
アートワークのデザインを誰が作ったのか。それによりグッズに使えるかどうかが変わってくる。また、自分が作ったとして、それはオリジナルのデザインなのかどうかも論点となる。
自分でデザインをしたとして、それが何かの「オマージュ」である場合、それをグッズかするのはやめておいた方が良いだろう。ここで引っかかってくるのが商標権などだ。商標権がどのように関わってくるのかはここでは主題ではないので細かく書かないが、簡単に言えば、ブランドのパクリのようなロゴの場合、そのロゴを使って制作会社にグッズ制作依頼をかけた時点で止められるか、もしくは運良く制作ができたとしても、当該企業から指摘(で済めばいいが)される可能性がゼロではない、ということだ。
また、アートワークを誰かに依頼して制作してもらった場合に関係してくるのが著作権である。アートワークをデザインしてもらった場合、その著作権は基本的にはデザイナーにあることがほとんどである。なので、もし依頼をして作成してもらったアートワークのデザインを、そのデザイナーさんに無許可でグッズ化した場合、著作権侵害となってしまうことがある。
これを回避するためには、アートワークをデザインしてもらう際に、最初からグッズ化する可能性をお伝えした上で依頼をする(二次利用の許可)か、またはすでに作成済みのものをグッズ化したいときに、改めてグッズ化の許可をとる形となる。
この取り決めを二者間でしておいた方がトラブルは抑えられるのでおすすめだが、費用をどのように支払うのか、デザイン料だけで良いのか、グッズ化した場合はその利益の数パーセントを支払うこととするのか、依頼主が今後どのように使おうとも全て許可するのか、その内容については両者が納得できる内容にしておいた方が良い。
●ちなみに…
平成27年4月から「色の商標」というのが登録できるようになった。これは一般的なロゴの商標とは別に、配色だけで商標を登録することができるもので、monoの消しゴムの青/白/黒や、セブンイレブンのオレンジ/緑/赤など、その順番と配色を見ればそのブランドだとすぐにわかるものはそれだけで登録されている。なので、色だけだったらパクっても問題ないだろう、ということも言えなくなってきているのである。(色の商標は取得する難易度が非常に高いため、登録されている色の商標はまだまだ多くないが…)
商標権や著作権など権利の話となると面倒になって、個人同士の取引の場合はおそろかになることが多いが、将来的なことも踏まえ、簡単でも良いので依頼をするときの条件をまとめ共有しておくことも、気持ちよくグッズ化するための一つの要素だと感じている。
アートワークもいいけれど…
アートワークをグッズ化するのは、リスナーとしてもわかりやすいグッズになるが、それとは別に特別感を出したグッズを作ることも可能だ。
前回の制作事例を見ていただくとわかる通り、流行りモノ通信簿では「◯◯◯回記念」グッズを作っていることが多い。その度にデザインを変えて制作をしているのだが、これは受け取った方により特別感を感じてもらいたかったという思いがある。
もちろんアートワークや二人のキャラクターだけをデザインしたものでも良かったのだが、あえて回数を入れることで、私自身も「あ〜あの時作ったグッズだな〜」と想い出が蘇るのである。ここは完全に自己満足の世界。
ただ、これにはもちろんリスクもある。
◯◯◯回記念という文言を入れてしまうと、その時期にしか配れないという制約を自らの手でかけてしまうことになる。逆に言えば、◯◯◯回記念という文言なく制作すれば、長いスパンで使用できる番組グッズになるということである。これはグッズを作る人が、どのような想定(配布期間を集中させたいのか長期にするのか)で変わってくるところなので、そういったことも含めてデザインする、またはデザインしてもらうことをお勧めしたい。
次回は「番組グッズの提供方法をどうするか?」です。
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