あとがき

「ときめき」は私だけの愛おしい脳髄反射のようなものであり、主観の従順な僕のようなものである。しかしSNSやメディアにどっぷりと浸かりきってしまった私たちは、動物が環境に適した姿へ進化やあるいは退化していくように、他人から批判されないように怯える客観的な目を貼り付けるようになり、主観や直感を去勢することになった。しかし「ときめき」は予測不能の天災のようなものであって、回避を考える隙を与えないものである。第三者の視線、冷ややかな客観的な視線は「ときめく」速さに追いつけないのだ。

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