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世界を捧げるSTG「世界の為の全ての少女」

Steamで1000円。2022年発売
TrueEND到達まででプレイ時間は10時間。

表の顔は家庭教師。
裏の顔は……

あらすじ

100年以上未来。
世界は崩壊寸前で、大昔に宇宙へ飛び立った人々に助けを求めるほかに活路がない状況。
彼ら/あるいは宇宙人に助けを求めるため、たった一基の宇宙船に
乗せる最高の人間を、世界の全てを使って育てあげるのがあなたの仕事だ。
その少女は、人類の希望となるか。

システム

純粋なシミュレーションゲーム。
1年あたり6ターンを7年続ける。
少女を育て上げるための「街」には5つの区画があり、
それぞれにあなたの配下となる人材が配備されていく。

人材は毎ターンの初めに入手できるほか、ターンごとにコストを支払って入手することもできる。

人材にはレアリティもある。
が、最初はコモンだらけ

人材には4つのステータス「知力・慈愛性・魅了性・身体性」がステータスとして設定されており、その人材が配備された区画のステータスとして計上される。ターンの終わりに各区画のステータスが一定確率で少女のステータスを成長させるという仕組み。

各区画の%は活性率。
少女を成長させる確率を表す。

少女の成長を試すように、毎年の終わりには4人の「審問官」との対話――アビゲイルテストが待っている。
アビゲイルテストは、少女の獲得した「思い出」が手札として配布され、選んだ審問官に手札で攻撃してHPを削り切ったら倒せる……というバトル形式。

各手札には攻撃に使うステータスと倍率が設定されていて……
おや? どこかで見たことがあるなこれ……

これは……!?

そう シャニマスである
全体攻撃もある。やはりシャニマスなのである

難易度

むずかしめ。
人材に設定されている特殊能力は様々で、一見デメリットにしか見えない効果もあるが、組み合わせによっては法外な効果を発揮する。
そういった「セオリーの発見」を楽しめるよいゲーム。

雰囲気

ポスト・アポカリプスもの。
各ターンの間に挟まれる、「街」を外から観測するジャーナリストによる記事が、世界観を染み渡らせる一助となるだろう。
少女が純粋無垢なまま成長できるよう、街ぐるみで「計画」は進んでいく。
まさしくその街は世界全てであり、その全てを注がれる少女だけは世界の真相を知らずに生きていく……そう うまく いくかな?


感想

面白かった!
画面デザインが秀逸で、要素の多いゲームだが直感的に分かりやすかった。
最初はなかなかアビゲイルテストを超えられずにいたが、ゲームの各要素を理解するにつれ少女の育成が捗り先へ進めるように。そして次第に明かされる背景に引き込まれる――という、リトライを前提としたストーリーテリングが癖になる。
これ実質シャニマスでは? と気づいたあたりで、向こうのセオリーである「一/二極育成」「全体攻撃は正義」を適用したらこれがうまくいった。
手札の配布がランダムなために、欲しい時に欲しいカードを引きやすいよう山札を染めておくのが大事……とか、ノウハウ継承が捗る。
ところで……
人材「危機察知能力er」って開発途中に付けてた名前が最後まで残っちゃったやつなのだろうか。

シナリオは……そうだね、ノーマルENDの少女がちょっと怖かったね。
あれがおそらく絶望した人間の顔なんだろう。
育て上げる側は希望を打ち上げて達成感とともに大地へ還るだけだが、育てられた側は世界の期待を背負って孤独な宙へと旅立たねばならない。
縋るべき思い出が塗り固められた嘘で出来ていたと知っていても。
いや、やっぱつれぇわ……
芋掘らせてあげたい……


攻略情報

山札の構築について

初期山札は4属性+総合力の1倍カードで5枚。
これは排除できないため、1/2属性に絞って札を増やしていくことで目当ての札が来やすいようにする。
クリアだけなら審問官は2人帰せばいいので、説得力の思い出(1.5倍+説得)を多めに取得して毎ターン得意属性の質問が来るようにするとよい。
終盤は割り切れない思い出(3.14倍)のパワーで乗り切れる。
TrueENDを目指すなら3人以上帰す必要があるので、一致団結の思い出(0.8倍全体攻撃)やオートマティックな思い出(2倍全体攻撃)が有効。
オートマティックな思い出はエグゾディア……思考する〇〇シリーズを集めて完成させると加入する「思考スルハ我ニ在ラズ」の真価(12)を使用で入手できる。コスト12は予算書とか特別区域の特殊能力を使って用意する。

都市開発のタイミング

外地調査は毎ターン1度しか行えないので、可能な限り行うようにする。
コモンであっても人材の数は正義。なので3コスト残るように都市開発できるのがグッドタイミング。
もちろん多めにコストを用意できた時は背伸びするのもアリ。

3年目と6年目の突破

ライバルが強すぎる、そんなあなたに
得意属性の審問官は帰してはいけない。ライバルに殴らせても競り合えるし、10ターン終えて0より上なら合格扱いだから。
苦手属性は諦めよう。ただしライバルに一手でも多く使わせたいので、説得で質問内容を操作したり、一発だけ攻撃入れて確定数をずらそう。
ライバルのステータスをよく見よう。そのターンの質問内容からおおよその与ダメが計算できるので、ライバルの邪魔をするべきかの判断ができる。
それでも勝てないあなたは……計画強行指数を上げると火力に補正がかかるので、発覚しない程度に上げておこう。資材「見えざる脅威」を持っていれば、指数ガン上げしてもそのターンだけ発覚しないので補正マシマシでライバルに挑める。
ちなみにライバルは常に最大補正がかかっている(だから強いのかー)
その理由は……シナリオを読んだら分かるはず。

選ぶ人材の方向性

シナジーのある人材はある程度決まっているので、予め方針立てて人材選択をする。
序盤は逆境が発動しにくいので、危機察知能力erで到来2倍にして、コスト操作系で都市開発コストを捻出しやすくしたり、マネジャーでアイドル候補生を2人連れて来たりが有効。
また、クラスシナジーはどれも優秀なので、2つのクラスを持つ人材は積極的に選びたい。特に「生徒」と「エンターテイナー」は教師やWCプロデューサーでステータスを簡単に盛れるので、中盤以降の育成に大変役立つ。
成長期真っ只中の少女はあんまりオススメしない。
怪しい古美術商になるとコスト低下のデメリットが痛いから……

メモリーポイント稼ぎ

割が良いのは上昇気流(目標ステータス到達)、劇的環境(計画強行指数50以上)、完全勝利(区域活性率100%)
割が悪いのは計画上手(コストを5以上残して終える)。本当に使い道がない時以外は、真価に費やした方がいい。高コスト真価のために、特別区域の特殊能力でコスト持越しをする時はついでに達成できるといいかな、くらい。


以下、色々面白かったコンボ

1.危機er + マネジャーでアイドル候補生を大量に集める
→ウォレットチェーンのプロデューサーでステータスを盛る
→セーラー服(略)でさらにステータスを盛る
アイドル候補生13人束ねて4属性すべて100超え! 楽しかった。

2.工場長で計画強行指数を55に固定して、自暴自棄な男の能力を発動させる
→明日の笑顔を守るもの で自暴自棄な男の能力を2倍にする
メモリーポイントを稼ぎやすく、グラドルやWCプロデューサーをたくさん雇っていても終盤の計画発覚を(比較的)抑えられる。
明日の~がレジェンド人材であることを除けば実現しやすい。

3.食う寝るところに住む前座(逆境:魅了+1)
→アルバイト(逆境:特別区域の活性度10%up)
+不良少女(逆境:そのターンのみ計画発覚確率3%down)
→中盤以後発動機会の多い逆境で魅了性ガン増し計画強行プレイ
不器用な料理人で能動的に発動させてもよい。不良少女のおかげで(うまいことやれば)審問会に計画強行指数高めで挑めるのもGOOD

4.涙を流すロボ + 大量のコモン + ボルト&ナットガイ
大量のコモンを生贄にロボの目から滝を流すプレイ。
トロフィー達成のためにしかやらなさそう。あまりに実用性がない