『15のコント達#15 GONGON儒艮のジュウゴの呪禁』コント⑧「かわいい魚屋さん」

藍茶:魚屋の店主。
桃寧:仕事帰りのサラリーマン。

舞台上道具なし。2人板付き。(上手に藍茶、下手に桃寧)

■明転

上手では藍茶が魚屋っぽい動きをしている。

モネ「あー今週も仕事疲れた~。引っ越してきたばかりだから環境にも慣れてないし。そう言えばいつもコンビニ飯で済ませちゃって、まだここの商店街で買い物とかしたことなかったな。気分転換にもなるし、久しぶりに自炊でもするか。(藍茶の方を見て)あ、あそこは魚屋さんか。」

アチャ「さかなさかなさかな~♪」

モネ「なんか歌ってる。」

アチャ「さかな~をロベルト~♪」

モネ「食べると~♪だろ!なんか変わった店主さんだな。」

アチャ「そこのお兄ちゃん!」

モネ「え!?あ、僕ですか?」

アチャ「いつもはコンビニ飯だけど、今日は気分転換に自炊でもしてみようかなって顔してるじゃないか。」

モネ「そんな顔に出てましたか!?僕!!!」

アチャ「出てたよ~出まくってたよ~。」

モネ「なんか恥ずかしいな。」

アチャ「お兄さん料理得意なのかい?」

モネ「いや、まぁ得意ってワケでもないんですけど。好きなんですよね、料理するの。」

アチャ「人に出せる程じゃないけど、自分で食べるには充分、的な?」

モネ「そうそう!まさにそんな感じです!!!」

アチャ「何テンション上がってんだ!!!」

モネ「あ、すみません!そんなに上がってました!?」

アチャ「みっともねぇ真似すんじゃねぇ!こっちが恥ずかしくなっちまうじゃないか!」

モネ「すみません。」

アチャ「(桃寧の居ない方を向いて)みたいなね!ことを言いながら、魚屋をやっているワケなんですけども。」

モネ「誰と会話してるんですか!?」

アチャ「今日のオススメはアジだよ!」

モネ「あぁアジですか!フライとかにすると美味しいですよね!」

アチャ「…あぁ…はい。」

モネ「???」

アチャ「あとはね、ブリもいいの入ってるよ!」

モネ「あぁブリかぁ!ブリ大根とかいいよなぁ~。」

アチャ「…あぁ…はい。」

モネ「???」

アチャ「あとは新鮮なタコもあるよ!」

モネ「タコね!カルパッチョとかにしたら最高なんだよなぁ!」

アチャ「…あぁ…はい。」

モネ「なんかすみません!!!え?僕、なんか食材に合ってない調理法言っちゃってます!?」

アチャ「…いいえ…別に。」

モネ「え、でもなんかさっきからあんま機嫌良くなさそうな。」

アチャ「…いいなぁ~って思って。」

モネ「え?」

アチャ「アジフライ、ブリ大根、カルパッチョ。いいなぁ~。美味しそうだなぁ~。って思って。」

モネ「あ、羨ましがってたんですか??!」

アチャ「…あぁ…はい。」

モネ「独特な人だなぁ!!!」

アチャ「で?結局どの魚買ってくんだい?」

モネ「じゃあ…アジとタコをもらおうかな。」

アチャ「ってことは今夜はアジフライとカルパッチョ?」

モネ「はい!」

アチャ「今夜はアジパッチョ。」

モネ「なんですか?!」

アチャ「…いいえ…別に。」

モネ「掴み所が無い人だなぁ。」

アチャ「なんだい兄ちゃん!人をウナギやアナゴやドジョウみたいに言いやがってよ!タコとかもそうか!イカも!ってか魚全般つかみにくいか!割と!哺乳類とかに比べた場合!比較した場合!」

モネ「長い長い長い!!!ウナギだけでよかったですよ!喩え!」

アチャ「アジとタコ!合わせて300円でい!!!」

モネ「え!?安くないですか!!?」

アチャ「いいんだよいいんだよ!うち、金儲けでやってるワケじゃねぇから!学祭みたいなノリでやってるから!」

モネ「かわいい魚屋さんだなぁ。」

アチャ「しじみ、おまけしとくからな!」

モネ「え!?いいんですか!?」

アチャ「アジフライにカルパッチョ。どうせビールでも飲むんだろ?だったら、しじみ汁作って肝臓労ってやんな!」

モネ「そこまで気を遣って下さるとは!ありがとうございます!じゃあ500円で。」

アチャ「あいよ!お釣りはあげないよ!」

モネ「えぇ!!?『お釣りは要らねぇよ!』じゃなくって!!?」

アチャ「お釣りは…あげないよ!!!」

モネ「じゃあ実質500円じゃないですか!まぁそれでも充分お手頃価格ですけど!」

アチャ「毎度あり!!!」

モネ「本当にお釣りはくれないんだ…。別にいいんだけど。」

アチャ「さかなさかなさかな~ さかなをたべ~ると~♪」

モネ「あ、今度は歌詞合ってる。」

アチャ「あたまあたまあたま~ あたま~か~ゆく~なる~♪」

モネ「魚アレルギーの歌だ!!!」

■暗転