ウクライナ平和の鐘 097 フラジャイル
■2022(令和4)年7月5日 097 フラジャイル
(動画の2:59~7:01)
本日の「平和の鐘 鳴鐘の輪」。数百万人のウクライナの人々が、故郷を離れ外国で暮らすことを余儀なくされています。家、仕事、学校、友人、風景、空気──平穏な暮らしはとても壊れやすく、柔らかく丁寧に護られるべきものでした。
合掌
先日NHK-BS1でドキュメンタリー番組を見ました。ウクライナからは数百万人が戦火を逃れて国外に避難をしています。中でも多くの避難民を受け入れている隣国ポーランドの様子を描いていました。
ウクライナ国外に出れば、そこは戦地ではありません。現地政府がさまざまな支援を用意をして、難民を受け入れています。ですから不便でも生活はできます、ミサイルの恐怖に怯えることもない。しかし彼らは現地に家族を残しています。ウクライナに残る家族は、戦闘に参加したり、医療や食料運搬などのボランティアに従事したり、戦地でウクライナを護るために様々な活動をしています。いつ命を落とすかもわからないのです。
そのような戦地にいる家族を思いながら、外国で過ごす人々。しかし仕事も容易には見つからず、ウクライナ国内に戻っていく人も少なくないということでした。
日本に暮らす私たちは、長い間戦争を経験していません。だから平和な暮らしを空気のように当たり前のものとして、日々を送っています。しかしウクライナでは2月24日を境として、それまでの平和な暮らしがあっという間に壊れてしまいました。この平和な暮らしというものは、実は脆く壊れやすいものだったのだと気付かされます。
仏様の教えでは諸行無常、どんなに大切なものも時間の経過とともに変わってしまうと説きます。ウクライナではそれが劇的な形で起きました。
日本に暮らす私たちはどうでしょうか。この暮らしを守るためには、壊れやすいものを壊れないように、柔らかに包み込む努力を欠かしてはいけないのです。その努力を忘れた時、ある日突然、この生活は失われてしまうかもしれない。その時に「こうしておけばよかった」と後悔しても、時間は元へは戻らず、必ず先へ進んでいく。
ウクライナの人たちが未来へ向かい、かつての平和と豊かな暮らしを取り戻せるように、今、私たちは支援を行わなければなりません。
再拝
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