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ウクライナ平和の鐘 039 心が走っている

https://youtu.be/u2cSaSzIEX0

■2022(令和4)年4月28日 039 心が走っている
(動画の3:13~7:29)

本日の「平和の鐘 鳴鐘の輪」。殺人鬼アングリマーラと対峙したお釈迦様は、心が走り回っていては安らぎを得られないと諭しました。今ウクライナに侵攻し人々を殺している者にも当てはまるでしょう。

合掌

 今からおよそ2500年前、お釈迦さまの時代のインドにアングリマーラという人々から恐れられた殺人鬼がいました。

 もともと優れた宗教修行者だったのですが、師匠に誤解され、次のように命じられました。これは呪いといってもいいでしょう。

「お前は明日から毎日1人ずつ人を殺せ。そして死体の指を切り取って首飾りにして首にかけろ。それが百人になった時 お前は悟りに至るだろう」

 もちろん最初は人を殺すことに抵抗があり、アングリマーラは思い悩みます。しかし2人3人4人と殺人を重ねるうちに、人を殺すことが何でもなくなってきました。

 人々はそのような殺人鬼を恐れ、彼の出没する街道を通らなくなりました。やがて99人を殺し次が100人目だという時、アングリマーラのお母さんが息子の噂を聞いて様子を見に向かいます。このまま二人が出会ったら、彼は100人目に自分の母親を殺すことになるのです。

 お釈迦様はそれを神通力で知り母親より一足早くアングリマーラの前に現れました。アングリマーラは「こいつを殺せば俺は悟りに至る」とお釈迦様を追いかけます。でもいくら走っても、お釈迦様に追いつくことができません。お釈迦様はじっと立っているだけのようなのに、追いつけない。

「待て、止まれ! どうしてお前を捕まえることができないんだ」

そうアングリマーラが叫びます。お釈迦様は次のように答えました。

「私は止まっている。お前は走っている。だからお前は私に追いつけないのだ」

「一体どういうことだ」

「私の心は安らかに、ひとつところにとどまっている。お前の心は走り回って、とどまるところを知らない。だからお前は、安らぎの境地にたどり着くことができないのだ」

 アングリマーラは元々優秀な宗教修行者でしたから、お釈迦様の言葉の意味を理解しました。そこでじっくりとお釈迦様の教えを聞いて、自分は間違っていたと理解し、お釈迦様の弟子になりました。

 この続きの話は明日しようと思います。

 国連のグテーレス事務総長が、ロシアのプーチン大統領と会談しました。プーチン大統領の主張は、これまでのプロパガンダ、世界中が嘘だと分かっていることを繰り返すものでした。

 自分と自分の国の窮地において、我が身我が国を護らねばと心を走らせて、嘘を重ねて人々を煽り立て、世界を恐怖に陥れて核で威嚇をする。

 そのように走り回っている心。それをひとつところに安らかに止めるしか、私たちが幸せに生きる道はありません。

再拝

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