ウクライナ平和の鐘 090 導き手によって
■2022(令和4)年6月25日 090 導き手によって
(動画の3:12~8:00)
本日の「平和の鐘 鳴鐘の輪」。リーダーが道を誤れば、集団全体が迷子になります。2022年2月24日を境にしたロシアの変貌は、まさにそのような状況です。道を正すのに遅すぎることはありません。
合掌
今日は日蓮聖人の「乙御前御消息」の一節をご紹介します。
鎌倉時代の文語ですので、分かりやすく現代語に置き換えてみたいと思います。
「ひとつの船に乗っているならば」
船長さん、船員さん、お客さん、荷物など、ひとつの船にはいろんなものが乗っています。でも船を運航する時にもし船頭=船長さんの策=判断・決断・指示が適切でなかったならば、「一同に船中の諸人損じ」船はひっくり返って、乗り合わせたすべての人が大変なことになってしまう。また「身」私たちの体がどれだけ健康で頑健で筋肉質で力があっても、「心、甲斐なければ」心が弱っていたり間違った考え方に染まっていると、様々な身体能力も役に立たない。そのような御指南です。
ロシアのプーチン大統領は筋骨隆々のタフガイとして知られ、日本の柔道の黒帯も締めていらっしゃいました。ロシアという国も強大で、その影響力は様々な形で周辺諸国そして世界に及んでいました。ですから西側諸国も含めて、貿易や文化交流など平和な時代をしばらく過ごしていた筈でした。
それが変わったのが2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻でした。ロシアの国家体制の中で意思決定がどのように行われるのか、私はよく承知をしていません。ただ、強大なプーチン大統領の意向に国家機関が容易に左右されるイメージを持っています。
船頭の判断が誤ったなら、船はひっくり返ってしまう。国も同じです。戦争が始まって以降、外務大臣や報道官などそれまで西側を含む世界と様々な交流をしていた筈の人たちが、完全に「ロシアは正義、反するものは悪だ」という物言いに終始する状態になっています。船頭の指示に従って船員さんたちは動かなければならない、そのような状態と見えます。
しかしそれによって、かつて国際社会の中で友好な関係を築いていた時代は、おそらくもう元には戻りません。それはロシアが最初の判断を間違えてしまったからです。
でもここからです。ここから正しい判断をして幕引きへの道をきちんと歩めれば、時間はかかっても回復をするはずです。それができるのもリーダーの役割、権限そして責任だと思います。
再拝
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