ウクライナ平和の鐘 044 貪瞋痴慢疑
■2022(令和4)年5月3日 044 貪瞋痴慢疑
(動画の3:11~5:49)
本日の「平和の鐘 鳴鐘の輪」。自分の利益を貪り、思いどおりにならない他人に瞋り、それが苦しみの原因だと理解せず、自分は他人より勝れていると思い込み、公正な諫言にも耳を貸さない。そのような五毒が今、ウクライナで戦争を起こしています。
合掌
人間を苦しみに繋ぎとめる代表的な煩悩を五毒と言います。
そのうち最初の三毒は以前(第4回、第5回)にご紹介をしました。あれが欲しい、自分のものにしたいという貪りの気持ち「貪」。あいつは俺の邪魔をして気に食わない、やっつけてやれという怒りの気持ち「瞋」。そのような振る舞いが自身の苦しみをかき立てているという理を理解しない愚かさ「痴」。この貪瞋痴が三毒です。
これに加えて4番目に「慢」。俺はあいつより偉い、俺があいつを支配するのは正当なんだ、あいつは俺に従って当然なんだという風に、自分と相手を引き比べて「自分が上だ、それをひっくり返すのは許せない」という思いに囚われる慢心です。
そして最後が「疑」、疑いです。生命の仕組みに根ざした貪欲・瞋恚・愚癡と自我の慢心、これらの情動を自ら握り締めて離さないことが、苦しみの根本原因なのだ。それを手放さなければ私たちは苦しみを離れることができないのだ。──そのような仏様の教えを耳にして「いやそんなことはない。あれは俺のものだ、俺だ俺だ」と「自分」という観念に囚われて生き足掻く、お釈迦様の言葉を信じない疑いの気持ち。
貪・瞋・痴・慢・疑。この五毒の全てが、今ウクライナに戦争を仕掛けている国や指導者に観察されます。
再拝
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