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ウクライナ平和の鐘 041 大きな因果

https://youtu.be/D9gH7b_UdfM

■2022(令和4)年4月30日 041 大きな因果
(動画の3:01~6:04)

本日の「平和の鐘 鳴鐘の輪」。誰もが暴力を恐れ、殺されることを望まない。だから、殺すな──。暴力が当たり前だった2500年前のインドでそのように説かれたお釈迦様の言葉は、今、ウクライナに攻め込んだロシア軍に届けたいものです。

合掌

 仏教経典の最も古いもののひとつに「ダンマパダ(法句経)」という経典があります。岩波文庫に中村元先生の訳で『ブッダの真理のことば 感興のことば』という標題で収められています。以下はその中の一節です。

第十章 暴力
一二九 すべての者は暴力におびえ、すべての者は死を恐れる。己が身をひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。
一三一 生きとし生ける者は、幸せをもとめている。もしも暴力によって生き物を害するならば、その人は自分の幸せをもとめていても、死後には幸せが得られない。

(岩波文庫『ブッダの真理のことば 感興のことば』中村元訳)

 とてもシンプルな言葉です。誰もが暴力を恐れている。誰もが殺されることを望まない。自分がされて嫌なことを人にしてはいけない。なんだから当たり前の話と思えますね。しかしこの言葉が2500年前のインド、暴力・殺人・戦争がありふれていた社会の中で発せられたことを考えるならば、その言葉の重みは如何ほどであったでしょう。

「己が身にひきくらべて」自分は暴力を受けるのが嫌だ。殺されるのが嫌だ。ならば他の人をそのような目にあわせてはいけない。仮に自分が幸せになりたい一心で「あの国を攻め滅ぼせば、自分たちの国の一部にできるぞ。そうすれば自分が幸せになる」という目先の因果に囚われたなら、もっともっと大きな因果でその人、その国は、決して幸せになれないどころかむしろ苦しみ負うばかりだ──お釈迦様は当時の人たちに向けて、そのように語られました。

 2500年の時を経て、今ウクライナで人々を殺し奪っている人たちにも、その意が届いて欲しいと思います。

再拝

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