見出し画像

「万葉大和路とみほとけ」展(入江泰吉記念奈良市写真美術館)鑑賞記

入江泰吉氏没後30年を記念して、入江泰吉記念奈良市写真美術館では「万葉大和路とみほとけ展」が2/11~3/26まで開かれています。

休日を利用して、写真の神髄を見ようと出かけました。
JR京終(きょうばて)駅は桜井駅から30分とかからないので、思い立ってもすぐに行ける位置関係です。
ただ、奈良駅から歩くか、京終駅から歩くか、電車の中でも随分迷いました。結局、奈良駅からは人の多さで疲れてしまうので、京終駅からなら町を縫ってとことこと歩くことにしました。

同館は、東から西側に、春日山及び高円山から高畑町を経て紀寺町でようやく平坦になる地形の、ほぼ真ん中からやや山側で、山の辺の道が近くを通る、高畑町の閑静なところにあります。傾斜はあるにはありますがそう険しくはありません。

美術館までの道のりは、コンデジでスナップ撮影。
アスペクト比1:1のスクエアな画角。
この画角は最近気に入っています。
こんな感じです・・・。

新薬師寺近くにて

縦横の構図をそんなに気にしなくてもいいように思いますので。

美術館からはコンデジに加えてミラーレス機を併用。黒川紀章氏設計の建物を、外周からすでに何枚も撮影しました。

美術館正面
美術館側面から背面

館内は撮影禁止かと思ったのですが、受付の係員さんから「景色として撮っていただく分には撮影して頂いても構いません」とのこと。これは有難い!

作品は縦構図が多い

館内では、一枚の写真に見入ったのと同時に、もう一枚の写真との対比を楽しみました。

カメラの向こうに広目天と阿修羅像

一枚は、東大寺 広目天像。これはネットで拾ったもので、掲載して良いものかどうか分からないまま掲載しますが、肝心の顔5分の4ほどが陰になっています。しかしその陰がこの仏像の表情を引き締めています。冷静で険しい面持ちからなんでもお見通しで、広目天の奥深い思慮を感じます。ググっとひきつけられる写真です。

東大寺 広目天像

その左隣に陳列していたのは、あまりにも有名な興福寺 阿修羅像でした。
この写真もネットで拾ったもので、そもそもご法度なのかもしれません。ほぼ全域が陽で、陰の部分がほとんどありません。
そのため、お顔がやさしく、何事も寛容で許容して頂ける安心感があります。

興福寺 阿修羅像

写真は光を利用して投影するもの、光を制する者が良い作品を作る由、やはり、当たり前にすごいな!と感嘆しました。

まあ、そもそも私のようなアマちゃんがこのようなほとけ様を撮影できることはほぼ0パーセントなんですが・・・ね。

ところで、もう一つ気づいたことがあります。
諸氏にすれば低レベルな気付きだと思うんですが・・・。
横構図よりも縦構図の写真が圧倒的に多いということです。
作品の約7~8割方は縦構図なんです。
そこで、横構図と縦構図の違いを観察してみました。
私が見る限り、やはり横構図は多くの要素を写さなければならないときに「仕方なし」に採用するという感じで、基本は縦なんですかね!
減算して構図を決めるため、その「決断」や「勇気」に従って縦構図になることが多いのではないかと勝手ながらに感じました。

・・・間違った鑑賞の仕方だったのかもしれませんが・・・。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?