2022.3.21
君は夢の中でぼくに笑いかけるんだ、全ての悲劇がまるで嘘であるかのように
そして君はぼくの目を見て言うんだ、春の日差しが暖かいと
だからぼくは君に説明しようと口を開くけど、言葉が出てこない
夢の中だからなのか、その幸せを壊したく無いからなのか
ぼろぼろと泥水のような涙が床に落ちる
人の言葉が雑音に聞こえ、音楽が騒音に聞こえ始める
もうぼくは目覚めたく無い、君に夢で会えるのなら、夢のままでいい
全て嘘だと 全てでたらめだと言ってくれ
全ての悲劇こそ幻の中で起きていて、君のいる夢が現実だと、ぼくが生きている方の現実は愚想だと、笑ってくれ
ぼくが声にならない声で紡ぎ、言葉にならない言葉を並べた誓いに、返事をしてくれ
そうしたらもうぼくは二度と目覚めなくて済むんだ
夢である今に在る君とずっと一緒にいられるのだから
ねえ、返事をしてよ
ねえ、何か言ってよ、
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