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インボイス制度が一人親方・大工にあたえる3つの影響と対策

補助金ポータル編集部です。

2023年10月1日から開始されるインボイス制度は、フリーランスや小規模事業者に大きな影響を与えると言われています。特に免税事業者においては、減益や取引先との契約内容の見直しを迫られるケースも増えることが予想されています。

さらにインボイス対応として課税業者になった免税業者には、消費税の納税手続きや計算などの会計処理が増えることも負担のひとつです。

今回はインボイス制度の準備を始めようとしている免税事業者のために、一人親方を例に、インボイス制度に関わる影響と対策についてまとめました。

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インボイス制度が一人親方・大工にあたえる3つの影響と対策
https://hojyokin-portal.jp/columns/invoice_hitori_oyakata
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■消費税の仕組みとは
事業者が仕事を請け負い、その支払いを受けたとき、その金額には消費税が含まれています。

受け取った消費税を納付する事業者は「課税業者」と呼ばれます。課税業者には、特定の課税期間中の売り上げが1,000万円を超える事業者が該当します。

売り上げ1,000万円以下の事業者は「免税事業者」と呼ばれ、消費税の納付義務を負いません。そのため、消費税分は収益として数えることができます。これを「益税」と呼びます。

消費税を算出する際に課税売上の消費税額から課税仕入れの消費税額を差し引くことを「仕入税額控除」と言います。インボイス制度導入後は、課税事業者が発行するインボイスがなければ仕入税額控除が受けられなくなります。

■消費税納税義務がある一人親方とは?
納付義務の有無は、事業形態に関係なく、売上金額で決まります。

たとえ一人親方でも売り上げが1,000万円を越え、課税事業者となっている場合には消費税を納付しなくてはいけません。ただし売り上げが1,000万円未満の親方の場合は免税事業者ですので、納税義務はありません。

■インボイス制度が一人親方にあたえる3つの影響
インボイス制度の導入は、事業者にどんな影響を与えるのでしょうか。免税事業者である一人親方を例に、インボイス制度の導入が事業者に与える3つの影響についてみていきましょう。

(1)仕事の依頼が減る可能性がある
インボイス制度の導入後は、インボイスがないと仕入税額控除を受けることができません。そのため、取引先としては事業者からインボイスの交付を受ける必要があります。

しかし仕入れ先の一人親方が免税事業者であった場合にはインボイスを発行できないので、取引先は支払った消費税の控除を受けられず、その分を負担することになってしまいます。

それを避けるために、取引先は課税事業者であるほかの親方に仕事を流し、免税事業者の親方は依頼を受けづらくなることが懸念されているのです。

(2)消費税の負担が生まれる
免税事業者の親方が課税事業者に仕事を奪われないためには、インボイスを発行する必要があります。しかしインボイスの登録業者になるためには、課税事業者になるしかありません。そうなると、これまで益税として収益に数えていた消費税分を税務署に納付しなくてはならなくなります。

(3)発行する請求書変更等の事務負担が増加する
インボイスは、これまで発行していた請求書等に必要な情報を追加する形で発行されます。フォーマットの見直しや会計処理の増加など、事務作業の負担が増えることも一人親方にとっては大きな課題です。

■一人親方・大工がやるべきこと
免税事業者のままでいるにせよ、課税事業者になるにせよ、インボイス制度には準備が必要です。インボイス制度が開始されるまでに一人親方がしておきたいことの例をまとめました。

(例1)インボイス対応をするかどうか判断をする
インボイスは取引先から交付を求められるもので、事業者自身に発行の義務はありません。取引先と調整を重ね、インボイスに登録(適格請求書発行事業者の登録)する必要があるかどうかを見極めましょう。

(例2)インボイス対応した請求書の準備をする
インボイス登録をすることになった場合は、定められた事項を記載したインボイスの発行や保存が必要になりますので、請求書フォーマットの変更などを行います。

(例3)簡易課税制度の導入を検討する
課税事業者になった場合でも、簡易課税制度を活用することで事務手続きの負担を減らすことができます。簡易課税制度は消費税額の算出方法を簡易化できる制度です。売り上げが5,000万円以下の場合に利用できます。

インボイス制度への対応として、免税事業者が課税事業者になる場合、また簡易課税制度を利用した場合の収益や納税額の変化を確認し、自分の事業形態にとって最適な選択ができるよう、準備を進めておきましょう。

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