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【申請者必見】ものづくり補助金の申請に必要な「賃上げ」とは!?

ものづくり補助金は、申請の対象者や、満たすべき要件、審査基準などはその都度改正されることがあります。その中でも2022年から申請の要件として必要になるのが「賃上げ要件」です。

ある一定の水準を満たさなければものづくり補助金の申請すらできませんので、これから申請を検討されている事業者は、補助金を受け取るためには賃上げに取り組む必要があります。

賃上げの要件

賃上げ要件には大きく分けると下記の4つがあります。

  • 給与支給額を年率平均1.5%以上増加させること

  • 地域別最低賃金+30円以上の水準を満たすこと

  • 賃上げ表明書の作成と従業員への表明が必要

  • 回復賃上げ・雇用拡大枠ではさらなる要件が必要になること

給与支給額を年率平均1.5%以上増加させること

賃上げ要件の最低水準の条件としてあげられているのが、給与支給額を年率平均1.5%以上増加させることです。
(給与支給額:従業員に支払った給料や賞与、手当などの所得を合計したものを言います。)

また、1年間で1.5%以上の賃上げが目標となるので、例えば3年の事業計画では4.5%が求められることとなります。

地域別最低賃金+30円以上の水準を満たすこと

事業が実施されている場所(地域)で決められている地域別最低賃金を+30円以上に設定するのが条件です。

事業実施場所は、例えば工場や店舗、支店など幅広くあげられますが、それぞれの地域別最低賃金を確認し、時給で30円アップを目指さなければものづくり補助金の申請を行うことはできません。

また、それぞれの地域によって最低賃金は異なりますが、こちらについては厚生労働省の公式サイトから確認することができます。

下記にそれぞれの地域の最低賃金について厚生労働省で記載されているデータを表示しているので、最低賃金がわからない方はそちらをご確認ください。


賃上げ表明書の作成と従業員への表明が必要

補助金を受け取るために、賃上げの要件を満たす事業計画書だけを作成しようと思っている方も多いかと思いますが、実は事業計画を作成すれば完了というとそうではありません。

賃上げの要件については、賃上げ表明書の作成と従業員への表明が必要です。もし、賃上げを行うことについて従業員への説明がない場合、せっかく申請をして採択されたとしても返還を求められることがあります。

回復賃上げ・雇用拡大枠ではさらなる要件が必要になること

ものづくり補助金において、「回復賃上げ・雇用拡大枠」で申請を検討している企業は、さらなる要件もあるのでしっかりと把握しておかなければなりません。具体的な要件は大きく分けると下記の3つがあげられます。

  • 前年度の事業年度の課税所得がゼロであること

  • 常時使用する従業員がいること

  • 補助事業が完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、給与支給総額と事業場内最低賃金の増加目標を達成していること

このように、回復型賃上げ・雇用拡大枠にはさらなる要件が追加されているので、しっかりと満たすことが大切です。

賃上げの加点項目について

前述のように、ものづくり補助金の申請を行うには「給与支給総額が年率1.5%以上アップすること」および「事業場内最低賃金が地域別最低賃金よりも30円以上アップ」することが条件です。

採択されるためのポイントとしてはいくつか重要なポイントがありますが、賃上げの部分においては「加点項目」をしっかりと確認しておくことが大切です。

給与支給総額を通常の要件よりもアップさせること

ものづくり補助金における賃上げ要件で加点をもらうためには、通常よりも給与支給総額をアップさせなければなりません。

具体的にどのくらいまでアップさせる必要があるのかについてですが、年率平均2%以上は増加させる必要があります。

このように、ものづくり補助金で採択されたいとなれば通常よりも給与支給総額をアップさせることが大切なので、2%以上を目指せるよう工夫をしてみましょう。

事業場内最低賃金の地域別最低賃金を通常の要件よりアップさせること

給与支給総額以外に加点対象となるのが、事業場内最低賃金の地域別最低賃金を通常の30円から60円以上にアップさせることです。

これは時給で60円までにアップさせることができれば加点をもらえることとなります。

【注意】どちらも行う必要がある

ここまで2つの加点項目について紹介しましたが、注意しておきたいポイントとしては給与支給総額と地域別最低賃金のアップのどちらも行わなければならないことです。

どちらか一方だけ引き上げても対象とはならないので、どちらも要件以上を満たせるよう事業計画を立てましょう。

賃上げに関する注意点


補助金を受け取りたいと考えている企業は、いくつかあるルールを必ず守らなければなりません。

万が一、ルールを破ってしまった場合には採択されたとしても返還が求められることもあるので注意が必要です。

ここでは、ものづくり補助金の賃上げの部分に焦点を当て、特に注意しておきたいポイントを紹介するので参考にしてみてください。

設定した目標が未達の場合は返還が求められることとなる

ものづくり補助金で採択されるためには、要件を満たすことはもちろんのこと、加点についてもしっかりと考えなければなりません。

しかし、その目標が非現実的なものとなってしまっては後々苦しむのはその事業者となります。そして、もし採択されても数値目標を達成することができなかった場合、返還が求められます。

そのため、ものづくり補助金の申請を検討されている企業は、必ず実行できる数値目標を記載するようにしましょう。

補助金受け取りにおいて不正は必ずしてはならない

補助金申請において、不正をしてはならないことは当然のことではありますが、万が一不正をしてしまった場合は重いペナルティが課せられます。

不正行為に関しては幅広い内容がありますが、例えば下記のような不正行為は絶対に行わないようにしましょう。

  • 事実とは異なる内容で申請する

  • 補助金を目的以外で利用しようと考えている

  • 補助金の受給金額を釣り上げて関係者に配るなど

不正行為はこれだけではありませんが、基本的にはあらかじめ決められたルールを破る行為は不正行為とみなされることがあります。

万が一不正が判明してしまった場合は、下記のようなペナルティが課せられることもあるので注意が必要です。

  • 補助金の返還だけではなく、加算金も必要になる

  • 不正内容が公表される

  • 5年以下の懲役または100万円以下の罰金

賃上げ計画を立てたら誓約書の提出が必ず必要

ものづくり補助金の申請には、賃金引き上げ計画の誓約書が必要です。これは必ず必要になるものであり、約束をしっかりと守るといった意思表示です。

賃金引き上げ計画の誓約書については、直近1ヶ月の事業場内最低賃金と給与支給総額などを明記しなければなりません。

もう補助金を受け取ったから制度は見直さなくてもいいといった考えは、誓約書に反す内容となってしまうのでこちらも補助金の返還が求められることとなります。

誓約書の提出とその内容を守ることは絶対条件なので、しっかりと賃金引き上げ計画の誓約書の内容についても理解しておくことが大切です。

まとめ


今回は、ものづくり補助金における賃上げの部分について詳しく解説しました。賃上げの部分だけでもいくつかの要件があり、特に「給与支給総額を年率1.5%以上増加」と「事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にする」の要件は必ず守らなければなりませんのでしっかりと把握しておきましょう。

また、ものづくり補助金の賃上げの部分で審査員から高い評価を受けるためには加点も重要です。

すでにある要件よりも高い水準の数値目標を設定することで加点がもらえるなどメリットがあるので、賃上げについて余裕があるといった企業は加点もしっかりともらうことをおすすめします。

しかし、加点についてもそうですが、もし数値目標を達成することができなかったり、不正行為をした場合は補助金の返還が求められたりすることとなります。そのため、しっかりと注意点についても守りながら補助金の申請を行うようにしましょう。

補助金オフィスでは、補助金申請のトータルサポートを実施しております。お困りのことや相談したいことなどあれば、下記のリンクからお気軽にお問い合わせください。