見出し画像

考えごと日記その28 「能登半島地震・新潟西区の液状化現象について考える」

今回の能登半島地震でボクの住む新潟市も大きく揺れた。元日ということもあって、家族そろって自宅でくつろいでいたところ、16時10分ころに地震が発生。さいわい自宅は何も被害はなく揺れもすぐ収まったので、新潟市はたいした被害はないだろうと思っていた。

ところが次の日、西区のバイパス道路が通行止めだという。知人からも西区には行かないほうがいいというDMがきた。それでもボクは、まあ道路がところどころヒビ割れしてるんだろう、くらいにしか思ってなかった。

そこへたまたま黒崎方面に行く用事ができたので、ボクはなんの気なしに軽い気持ちで黒崎へ向かった。っが……まあ驚いた。西区に入った途端、道路はデコボコしてるし、石灯籠はくずれてるし、壁や階段や道路が微妙にゆがんでるし。

それ以降、ボクは西区には行ってないので、どれくらいの範囲で被害があったかは実際には見ていない。しかし知人のDMによると、ニュースで報道されてるのは大きな被害のあった場所だけで、小さな被害のある場所もふくめると広範囲にわたるという。





今回、西区でこのような被害が起きたのは液状化現象が原因だという。字を見ればどんな現象かはなんとなくわかるが、しかし詳しくはわからない。そこでネットで軽く調べてみた。

液状化現象というのは、水を多くふくむ砂の地盤、つまり埋め立て地や砂丘のすそ野で起きやすいそうだ。おおおッ、砂丘といえば海岸沿いに新潟砂丘があるではないかッッ。


液状化の仕組み

普段は砂と砂が結びついて支えあっているのが、地震の振動によってその支えあいが崩れる。そして砂は下へ沈み、水が表面に浮いてくる。これが液状化現象である。


液状化しやすい場所

上の地図は新潟市の液状化現象がおきやすい場所をしめしたもの。赤い部分が液状化しやすい場所だ。そして海岸沿いにのびる黄色の部分が液状化しにくい場所。この黄色の部分がむかし砂丘だったところ、つまり新潟砂丘である。そしてそのすそ野に沿って赤い部分があるのがわかる。

この新潟砂丘。古町にあるどっぺり坂や、青山、小針、内野にのびるあの高まりが、むかしは砂丘だったという事実。じつはボクこれ……つい半年くらい前に知ったばかりなのだ。

ブラタモリの「萩」の回。萩は海岸沿いに砂丘の高まりがあり、そのすそ野には湿地帯が広がるとあった。えっ、これって新潟に似てね?? と思いググったら、そこには新潟の海岸沿いの高まりも砂丘で新潟砂丘とあった。

ふえ〜〜〜ッ、どっぺり坂って砂丘だったの?? ボクは驚きを隠せなかった。今この文を読んでる人で新潟の人がいたら、「え、そんなことも知らなかったの?」と思われるかもしれない。そう、ホントにボクは無知で、ケーキのこと以外はなにも知らない人間なのだ。

いやはや、話をもどす。その砂丘の上に降った雨などの水分が下に流れてすそ野にたまる。そしてそのすそ野は水分を多くふくむ砂の地盤となる。そこへ地震の振動が加わることによって、水が浮き上がってくるのである。

ところがッ、今回の西区の被害要因はこれだけではない。なんと被害拡大の背景には、また別の要因もあるというのだ。それは「地盤が動いて圧縮されたものすごいデカい力」が働いたという。



今回の西区の液状化には、このように隆起した箇所が多くあるのが特徴だ。通常、液状化で地面が沈むことはあれど、隆起することはないという。ではなぜ今回、隆起した箇所が多く見られたのか。それは液状化現象とはまたちがう力が働いたようだ。


被害拡大の背景

なんと地震によって、地すべりのようなかたちで砂丘の高まりから地盤が崩れたという。その際に、地盤は弧を描くように動くため、最後に地面が隆起したというのだ。うっわッ、なんとアスファルトの下で地盤がズルッと動いたというのかッ。


地盤が動いて押しつぶされた側溝

これはその地盤の動きによって押しつぶされた側溝だ。もともとは格子状だったのが、まあご覧のとおりだ。いやはや、キャタピラの跡かと思ったわ。専門家が言うには、震度5くらいの地震がくれば、またこのような地盤の地すべりが起きる可能性があるという。ひぃ~。

そんなわけで今回の地震を機に、ボクは新潟の地質や地形をいろいろ調べたいと思う。信濃川と阿賀野川から土砂が流れて砂浜ができ、そして海からの強風にあおられて砂浜の砂が押し上げられ、海岸に沿って砂丘ができる。そんでもってそれらが積もりに積もってどっぺり坂のようなあんな高くて急な坂ができるのだよ。すげぇなぁッッ。

そしてボクはこの悠久の歴史に思いを馳せながら、いまやアスファルトで覆われた新潟砂丘を眺めるのであった。夜であんまし見えんけど……

(注)新潟市は建物などの被害はあれど、人命にかかわる被害はありませんのでご安心ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?