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考えごと日記その11 「アヘン戦争から解放まで」を購入して読んでみる


やっと届いたッ。本書はこのまえ図書館で借りたのだが、非常に興味深い記述が多くあるので、購入することにした。


著者はポーランド生まれで中国国籍のジャーナリストだ。翻訳本特有の読みにくさがある。そしてなにが興味深いかというと、本書はアヘン戦争以外にもぽつぽつと日本のことを触れているのだが、その内容だ。

ボクが無知なだけなのかもしれないが、そこにはおどろくべき記述があるのだ。日本がアメリカの保護をうけてるのは周知のとおりだが、ボクはそれは太平洋戦争の敗戦からだと思っていた。

ところが本書は、日本は明治維新からアメリカの保護をうけていたというのだ。本来、欧米列強は内戦(戊辰戦争)に乗じて、日本を植民地化しようとたくらんだ。しかしアメリカは日本を植民地ではなく従属国とすることによって、沖縄(当時は清との冊封体制)、台湾、朝鮮へ触手を伸ばすことを考えたという。

一方イギリスも、日本は対ロシアの軍事要塞とするほうが都合がいいと考えるのだ。つまり日本を植民地にするのではなく、欧米諸国の不沈空母にするということだ。なるほど、だからイギリスとアメリカは日露戦争のときにたくさんお金をだしたのか??

またアヘン戦争で大敗した清は、1842年イギリスと不平等条約をむすぶことになる。日本は1858年に欧米諸国と不平等条約をむすぶ。つまり日本と清はほとんど同じ時期に、不平等条約によって欧米諸国に飲み込まれていくのだ。そして清はどんどん搾取されていくのだが、日本は上記の理由でアメリカの保護をうけて明治維新を迎えるのだ。

ついでながら、アヘン戦争の14年後にイギリスと清のあいだで再び戦争がおきる。アロー戦争(第二次アヘン戦争)だ。そのアロー戦争の仕掛け人が、なんと日本の幕末でもおなじみのハリー・パークスだというのだ。ということは、戊辰戦争の仕掛け人もパークスという可能性は十分あるにはある。まあ、これはあくまでボクの想像の域をでないのだが。

またまたついでながらの話だが、同じ穴のムジナの日本と清はおたがい急接近し、日清修好条規をむすぶことになる。これは日本にとっても清にとっても初めて、そう初めての対等条約だったという。ところが、これをおもしろく思わないアメリカは日本と清が対立するように仕向けるのだ。そしてぼっ発したのが日清戦争だという。

ともあれ本書には、通説と呼ばれる歴史のウラで、常に欧米列強に脅かされる日本が記されているのだ。そして明治維新から日本はアメリカの従属国だという。もちろん本書だけを鵜呑みにするわけにはいかないし、ほかにもいろいろと調べて検討しなければならない。

しかし今の時点でボクが思うのは、幕末明治維新の時代において、この日本にとっての本当の闘いは、欧米列強との「不平等条約の改正」ではないかと考えている。戊辰戦争はその闘いの始まりにすぎないのだ。そういう意味では本書の内容はつじつまも合って、かなり説得力のあるもののように思う。

図書館から借りたものは読み途中で返しちゃったので、さっそくつづきを読むことにする。うん、楽しみッ


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