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#5 「居場所」と「出番」だけでは足りないもの。

更生保護の世界では、よく「居場所」と「出番」という言葉を頻繁に聞くことがあります。「居場所」とは「住まい」、「出番」は「就労」のこと。「居場所」と「出番」があれば再犯リスクを下げることが出来るというものです。

検挙時に無職者の割合が多いことや刑務所出所者のうち帰住先が決まっていない満期釈放者が一定数いることも関係しています。

「居場所」と「出番」は長年言い続けられていることから、「住まい」と「就労」だけ提供すれば再犯は防げると思われてもおかしくありません。果たして本当にそうでしょうか?ここで提案したいのが「+α」の考え。従来の「住まい」と「就労」に加えて、対象者の問題点にもスポットを当てるということです。

例えば「窃盗」を繰り返して刑務所に10回服役していた人がいたとしましょう。「窃盗」を繰り返している方に「居場所」と「出番」を提供するだけで「窃盗」はしなくなる・・とは思えません。こういう方には「窃盗」という問題点に目を向けさせていく必要があるのではないかということです。

必要なことは「窃盗」に至った要因見つけ、問題意識を持たせること。対象者には「窃盗」に関するプログラムや精神科の通院を提案していきます。「居場所」と「出番」を提供すると同時に「問題点」に目を向けさせる取り組みも必要ということです。そのためには支援者側のスキルも問われますが、更生保護の関係者だけでなく、福祉関係者、医療関係者と連携した取り組みが求められます。他にもギャンブルやアルコールなどで問題が抱える方も同様ですね。

罪を犯したことをいつまでも忘れさせずに、問題点に対して意識させ続けることが「再犯防止」「改善更生」に繋がるものと考えています。「居場所」と「出番」と「+α」の取り組みが出来るようになれば、より再犯リスクは下げられるのではないかと思っています。





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