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アナログ補聴器はよく聞こえる? ①

まず、なぜデジタル補聴器(ノンリニア)が
必要なのでしょうか。

デジタル補聴器(ノンリニア)のメリットは
・聴覚保護
・ダイナミックレンジにおさめられる
・周波数毎の調整ができる
・雑音を減少、指向性が使用できるなど(デジタル機能)


聴覚保護の観点は医行為にかするので割愛します。
簡単に言うと
『うるさい音は難聴を引き起こす』からです。

(日耳鼻より)


今回は前回『圧縮について』の流れで
ダイナミックレンジに
焦点を当ててみます。

序章です。
ダイナミックレンジとは
『うるさく不快に感じる大きさ(UCL)』

『快適に感じる大きさ(MCL)』

『ギリギリ聞こえる小さな音(オージオグラム)』


この幅です。
加齢などによる感音難聴の影響で
この幅が段々と狭まってきます。
基礎中の基礎ですが、
この事を理解してない技能者は未だに多いです。

アナログ補聴器(リニア)はなぜ良いのか?
論議に入りたいですが、

その前に…

耳鼻科、補聴器店にて聴力(オージオグラム)は
必ず測定していると思いますが、
調整が上手くいってない方、
『うるさく不快に感じる大きさ(不快レベル・UCL)』
『快適に感じる大きさ(快適レベル・MCL)』
測定された事ありますか?

聴力測定は、あくまでも
小さい音の設定基準値、
なら快適・不快に感じる大きさは
どうやって設定しているの?と、なります。
測らなくても、ある程度分かる方法はありますが、
専門的なので割愛します。

上記は右耳の例。
分かりやすく書いたので実際は少し違いますが、
『○』が右耳の聴力に対しての必要な利得
『M』が快適レベル(MCL)
『∧』が不快レベル(UCL)
と、お考え下さい。

不快レベルを越えた音は
『響く・ガンガンする・割れる』などと
聞こえにも悪影響を受けます。
これを念頭に、本題です。

おさらいですが、
アナログ補聴器(リニア)は
出力幅が等間隔(圧縮率1.0)しか
できません。
分かりやすく20dBずつ上昇と仮定します。

このような結果が出たとすると、
アナログ補聴器(リニア)の設定は…

下に合わせると、上がオーバーしてしまいます。
反対に…

上に合わせると、
出力不足箇所が出てきてしまいます。

昔は
『うるさいよりも、聞こえにくいから音上げて欲しい』と、
どんどん下(聴力)に合わせて上(UCL)は無視していた
方が多いようです。(聴覚保護無視)
…すると、音の許容時間を越え、
更なる難聴を引き起こし、また更に音を上げる。
という負の連鎖に陥る可能性が出てきてしまいました。

デジタル補聴器なら…

全てレンジイン可能ですね!
デジタル補聴器(ノンリニア)、素晴らしいですね!

…でもアナログ補聴器(リニア)がよく聞こえるというのは
どうしてでしょうか?
アナログ補聴器はよく聞こえる? ②に続きます


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