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アナログ補聴器はよく聞こえる? ②

①ではデジタル補聴器(ノンリニア)の
メリットをお話致しました。
今回はアナログ補聴器が
よく聞こえると評判なのは何故かに迫って参ります。
あくまでも個人的な考察です。
専門的なお話は先生方の論文をご覧下さい。



①伝音難聴に適している(歴史的見解)
②原始の調整理論でメーカー・技能者で調整に差がなかった
③音の歪みが少ない
④音の加工が少ないから遅延が少ない
⑤ボリューム機能
⑥リニア調整の暗騒音(小入力)

⑦単純に現在聞こえが悪くなってる

①伝音難聴に適している
これは有名な話なので省略しますが、
その背景が大切です。
現在、禁忌8項目という
項目に引っかかった人は補聴器販売せず、
医師に診察をお願いしなければならないというルールが
厳しく決まっております。
アナログ補聴器時代、ルールが根付いておりませんでした。

伝音難聴=治療で治る可能性がある。
例えば、耳垢詰まりで聞こえにくくなった場合、
除去すればある程度聞こえが改善しますが
そんなのお構いなしで昔は補聴器を販売する。
耳垢詰まり=伝音難聴なので補聴器使用すれば聞こえる。
実際、補聴器使用者が耳鼻科で処置したら
補聴器必要無くなったといった
トラブルが続発しておりました。
当時、補聴器使用されていた方は
もしかするとこの様な理由で『よく聞こえる』
だったのかも知れません。

②原始の調整理論でメーカー・技能者で調整に差がなかった
これは原始の調整理論しかなかった時代、
ライバーガーによるハーフゲインルールは
ほぼ30年近く一本で使用されてました。
技術関係無く、とにかくハーフゲインでOK!
アナログ補聴器がシンプルだったので誰が設定しても
同じ聞こえ方(厳密には物理的アプローチで違う)でした。
なので一律に、よく聞こえる=ハーフゲインルール。

余談ですが、ハーフゲインルールは原始の調整。
未だにデジタル補聴器の調整にハーフゲインルールをしたがる
技能者がいますが…。

③音の歪みが少ない
単純で音を増幅するだけの補聴器なので
信号加工処理が少なく、
原音のまま聞こえると言うことです。

④音の加工が少ないから遅延が少ない
歪みが少ないのと同じで
処理が少なく反応スピードが早いのが特徴です。
デジタル補聴器では
1秒に数億回処理できる補聴器もありますが
アナログ補聴器には勝てないでしょう。

⑤ボリューム機能
昔ながらの物理的ボリューム(回転式)の事です。
アナログ補聴器はよく聞こえる? ①でご案内しましたが、

この場合、ボリュームの上下で
自分でも話者や状況に合わせてかなり細かく
MCL対会話音を調整可能でした。

素晴らしい機能でしたが、
この物理的ボリュームは隙間から汗の侵入が酷く
サビて故障が多発していたため
現在は可変式デジタルボリューム
(ボタンや8段階程のボリューム)へと変わってきてます。

⑥リニア調整の暗騒音(小入力)
こちらもアナログ補聴器はよく聞こえる? ①より

①では否定的に書きましたが、
実は一番下の緑の線は小入力、
即ち暗騒音レベルです。
この場合、雑音(暗騒音)はカットされており静か。
ただ、人の会話は少し小さいといった感じです。
まさに周波数分解能(騒音下での聞き取り能力)が
低下している方にはピッタリなのです。

個人的に今でも、この理屈は現在のデジタル補聴器の調整に
織り交ぜております。

⑦単純に現在聞こえが悪くなってる
デジタル補聴器(ノンリニア)が
普及して10年以上経っているので
当時と比べると聞こえが悪くなってる
可能性が高いです。


長くなりましたがいかがでしたでしょうか、
あくまでも個人的な考察です。
私は医師でも有名な専門家でも無いので
こうゆう考えもあるんだなぁレベルで
ご覧頂ければ幸いです。

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