「発色」という言葉の用法について
先日、某プロモデラーのyoutubeチャンネルの動画を見ていたところ「この塗料は発色は良いのだけど隠蔽力が低い」というような発言に、私はしばらく頭が混乱してしまいました。
私は「発色」という言葉を辞書(コトバンク)にある「①色を出すこと。特に、染め物・カラーフィルムなどの色の仕上りをいう。」という意味で捉え、塗装したプラモの仕上がり状態での色の出方を指していました。
つまり、「発色が良い」とは「塗料本来の色が出る」→「下地が透けない」→「隠蔽力が高い」という解釈だったのです。
それに対し前述のプロモデラーさんは「②顔料・絵の具のもつ本来の色の出具合。」という意味で使われていたようです。
模型用塗料にも沢山の色数があり特性も様々です。ある塗料の特徴を簡単に紹介するだけの発言だったのだと思います。
私は最近知ったのですが、スケールモデルで使われるある種の塗料では「下地を○○にしてください」と条件付けしているものもあるらしく、塗料の本来の発色と隠蔽力は別と捉えるのもわかります。
しかし、前述の動画が作業解説だとすると下記の例文のようなセリフが出てしまう可能性があります。
「この塗料は発色はとても良いのですが隠蔽力が非常に低い為、しっかり発色させるには下地に白を使い、ムラなく発色させておく必要があります。」
わざとクドい例文にしましたが複数ある「発色」という言葉が違う意味というか、むしろ逆の意味で使われていて「発色が良いのにしっかり発色させなきゃいけない???」というような混乱を招きそうです。
ただ、どうやら巷では②の方で使われていることが多いようです。その場合、「発色が良い」とは概ね「鮮やかな」とか「良い感じの」とか「好きな」という意味で使われているようです。
まあこういう言葉の意味は多い方に合わせておくにこしたことはありません。私も今後、「発色が良い塗料」と聞いたら「鮮やかな塗料」という風に受け止めないといけないなあと思い直したのでした。
納得はしてませんけど。
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