東京のおじさん

今月の半ば、ほにさんが「東京のおじさん」と呼んでいたおじさんが亡くなった。歳は70代前半。 ほにさんからしたら遠い親戚にあたるので、会う機会はたまにしかなく、恐らく5年くらいは会ってなかった。
東京のおじさんという愛称は、ただ親戚の中で1番東京から近い場所に住んでるからそう呼ばれていた。

「ほにさん、お前しっかりやっとるの?」と住んでる場所は違えど、バリバリの方言を使って話しかけてくれる東京のおじさん。
たまに昭和のオヤジ節が飛んできて、怖いなと幼いときは思っていたが、東京の話を会ったときに話してくれて私の知らない華やかな世界を教えてくれる物知りで洗礼されたおじさんだった。

私が社会人になったら絶対上京したいことを伝えると、「色々と騒がしい町だけど、その分刺激もいっぱいあるぞ」と心無しか遠い目をしながら微笑むように話してくれた東京のおじさん。
当時の私は、憧れと期待で胸がいっぱいだったから、不思議に思ったもののその違和感を流してしまった。

あれから5年。東京のおじさんが言っていたことが身に染みるように分かる。あぁ、きっとあの時の表情は、ほにさんが温室育ちだから、東京に来たら苦労することを予想していたけど、若い子の夢を応援したかったからなんだろうな。あぁ、本当は話したいこと、聞いてもらいたいこといっぱい会ったのに、自分が都内にいるならいつでも会えると思って先延ばしにしていた。

考えれば、あれやこれやと後悔が出るだろうが、懐が深く豪快に笑う東京のおじさんはそんな姿望まないだろうから、心の中でテレパシーを送ろうと思う。

「東京のおじさん、色々あるけど元気でやってるよ。そっちはどう?今度は私が東京の地で一華咲かせたるでね!そっちで首長くして待っとってね」

さぁ、今週も仕事頑張ったからお酒を飲もう!!!宴だ!!!!

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