RTA in Japan Summer 2021 参加レポート

皆さん初めまして。はにーまと申します。普段はPS5のASTRO's PLAYROOMというゲームでRTA(Real Time Attack)をしています。

ご縁があってRTA in Japan(以下RiJ)という日本最大級のRTAイベントに出場させて頂きましたので、参加レポートをしたためていきたいと思います。

自分の経験したこと、考えたことや感じたことなどを、なるべく正確にお伝えできればと思います。長文かつ読みやすい文書とは言えませんが、楽しんでいってください。

1. から7. までは時系列順に出来事を振り返っています。RTAをする上で考えたこと、自分の中でのモットーは 8. RTAをする上で考えたこと に書いています。お時間がない方はぜひ、8. だけでも読んでいってください。

1. RTAとの出会い

そこから書くんかい!って思われますよね。ここから書きます。RTA走者としての云々は3. から始まるので、早く読みたい方はそこまで飛ばしてください。

僕がRTA、ひいてはRiJに出会ったきっかけは、YouTubeに上がっていたRiJのアーカイブでした。2年ほど前におすすめ動画に出てきて、「RTAって聞いたことはあるけど、結局どういうことをしているんだろう?」と何の気なしに動画を見てみたのが最初です。

端的に言えば、衝撃を受けました。プレイヤーが見たこともないような動きをして、いつの間にかクリアしている。意味が分からなかったです。そして観客の方も(その頃はオフラインイベントで走者・解説の後ろに観客がいた)、訳が分からず爆笑しながらも、技が決まると拍手をしている。

最初は不思議なイベントだなという感想でしたが、見ていくにつれて本当にゲームが好きな人たちが集まった、素晴らしい空間だと思うようになりました。

そして、いつしかこの大舞台に立つことが目標となりました。

2. ボランティアスタッフとしての参加

とはいえ、RTA走者ではなかった僕は、まずRiJに何らかの形で関わって、このイベントを盛り上げたいと思うようになりました。そんな時に、RTA in Japan 2020 Online の技術ボランティアスタッフの告知があり、すぐに申し込みました。応募時の意気込み欄にものすごい長文で、RiJの素晴らしさと自分の愛を語った気がします。運営さんもドン引きしたんじゃないでしょうか。

僕の押しもあってか、スタッフに選んで頂き、配信管理などのお手伝いをさせて頂きました。画面の切り替えが上手くいかなかったり、音量調節がガバったりしてしまったのは、今でも申し訳なく思っています。

スタッフとして働いている間は、本番前に走者の方々との打ち合わせがありました。当時は走者の方々とお話しさせて頂くだけでも、大変光栄なことだと思っていました(いや、今でもかな)。しかし、走者の方々がとても緊張しておられたので、こっちが舞い上がっているわけにはいかないと思い、リラックスしてもらえるよう努めていたのを鮮明に覚えています。

そして、送り出した走者の方々が素晴らしいプレイをされて、通話チャンネルに戻ってきたときに、やり遂げた!といった感じでお話しされていたのを今でもよく覚えています。スタッフとして、一介の視聴者として、たくさんの感動を与えて頂きましたし、RiJに出場したいという思いは増すばかりでした。

3. RTAハッカソンへの出場

ここでようやくRTA走者デビューの話が出てきます。

RiJに出場したい、でも走者になる勇気が出ない、その反復横跳びをしていた頃に、RTAハッカソンというイベントの告知がRiJの公式ツイッターでなされました。

これしかない。そう思いました。

イベントに出場すると決めたはいいものの、どのゲームを走るかもかなり迷いました。悩んだ挙句、抽選に当たって購入してから全くソフトを買っていなかったPS5にプリインストールされている、ASTRO's PLAYROOMを走ることにしました。もともとこのゲームは、普通に遊んでいて完成度が高いなと感じていましたし、もっとやり込んでみたいと思っていたので、新しくRTAを走るのにうってつけでした。

(ちなみに、迷った他のゲームはここで書かないでおきます。いずれそれらのゲームでRTAを走るかもしれませんからね。楽しみにしていてください。)

RTAハッカソン初日までに、別のもっと短いカテゴリであるAll Network Speedrunsを走ってみたり、Any%のチャートを覚えてみたりして、本番に臨みました。そもそもゲーム配信をするのも初めてだったので、多くのことを勉強した記憶があります。そして結果はというと、4日間毎日自己べを更新し、最終的に世界4位になるという、かなり満足の行く走りができました。

4. RiJへの応募と当選

その後はASTROのRTAをしたり、別のゲームのRTAをちょっと練習してみたり、いつも通り飲酒ゲーム配信をしたりと、のんびりしながら過ごしていました。ちなみに、のんびりしすぎてAny%記録が8位ぐらいまで落ちていました。油断しすぎ。

そして5月に、いよいよあれがやってきました。

待ちに待ったRiJの応募です。もちろんすぐに申し込みました。意気込みも分かりやすく、それでいて自分の熱意が伝わるように何回も見直しました。まるで就職活動のような気分でした。

申し込んでから当選発表までは、1か月くらいの期間がありました。しかし、ずっとそわそわしていたかというと、別にそんなことはありませんでした。結果を待っている間、変に緊張したって選考が短くなるわけでもないし。RiJの運営さんたち頑張ってー!という感じでどーんと構えていました。

そして6月某日、その日はFirewatchの初見プレイ配信をしていました。配信をしている途中でRiJ公式ツイッターのツイート通知が来て、RiJの当選発表があったことを知ります。でも「Firewatchの初見プレイ配信やります!」ってTwitterで言っちゃったし、配信もう始まってるし、アクセスが殺到して当分は見られないだろうと思っていたため、特に気にすることなく配信を進めていきました。

そしたら、

なんと配信中に、リスナーさんのコメントで僕が当選していることを知ります。動揺している様子は上のリンクからご覧ください。ちなみに、このリスナーさんは今回のRiJ出場における命の恩人、あるとさんその人です。PS5のコントローラーを無償で送って頂きました。

また、後日スケジュールが公開され、僕の出番が金曜日の20:30~という超ゴールデンタイムであることも知ります。緊張感がこれで倍増しました。

5. 練習の日々

そこからはもう、ASTROの練習一筋です。他のゲームには(ほとんど)目もくれず、ひたすら練習を重ねました。しかし一口に練習と言っても、自分の中では以下の2種類の方向性があるのではないかと思っていました。

・RTAのスキルそのものを磨く練習
・RTAをしながらの解説が上手くなる練習

RTAのスキルそのものを磨く練習は、以前からやっていたことです。Skipの精度を上げたり、新しい走行ルートを試したり、スムーズに走れるような練習をしました。

しかし、RTA in Japanはイベントです。ただ単に、RTAをしているところを垂れ流しにするだけではいけません。解説を他の人に頼む予定もなかったので、自分自身でRTAをしながらも聞き取りやすく、分かりやすい解説をする必要性を感じていました。

当選発表があってから解説の台本を用意し、それをチラ見しながらRTAを走る練習を繰り返し行いました。解説しながらの通し練習は、恐らく30回くらいやったと思います。誰も聞いていないのにひたすらPCの画面に向かって解説をするのはなかなか孤独でしたが、そのおかげで良い解説ができたのではないかと思っています。なお、台本はA4サイズで11pになりました。いずれ公開するかもしれません。

練習を続けていく間にも、RiJに協賛された企業様やブランド様から、たくさんの提供品を贈って頂きました。ありがとうございます。助かります。これらのプレゼントを受け取る度に、自分が本当にRiJの走者として、あの場に立てるんだという実感が湧いてきました。

6. 本番直前

いよいよ本番の日を迎えます。前日の夜は緊張で全く眠れな…いことはなく、ぐっすり寝られました。なんででしょうね。でも、ぐっすり寝た方がパフォーマンスが上がると思うので、睡眠がしっかり取れて良かったです。

もちろん当日も、出番が回ってくるまで練習しました。しかし、解説の練習をしすぎるとのどがやられそうだったので、程よく練習し、後はリラックスするようにしていました。練習でRuins Skipを失敗しまくったりしたら、自信がなくなって嫌ですしね。「自分はASTROが上手い」と思い込んだ状態で、練習をやめるのがポイントです。

ちなみに、この日のお昼ご飯はカップヌードル炒飯で、この日の夜ご飯はカップヌードルそのものでした。美味しかったです。あまりご飯をしっかり食べすぎると眠たくなると思ったので、いつもより少なめにして、後はレッドブルを流し込んでいました。

RiJのDiscordサーバーでスタッフさんから声が掛かり、いよいよ配信を行うスタジオへと向かいます。もうこの時点で、手は震えるし手汗は半端なかったです。かなり緊張した状態でしたが、スタッフさんと雑談することで少しリラックスできました。

またこの時、僕がボランティアスタッフとして参加したRiJO2020のことを思い出し、本当にこの舞台に立てるんだという高揚感と感動でエモい気分になっていました。まだ始まってもいないのに。

セットアップ画面から切り替わり、僕の姿とASTRO's PLAYROOMのタイトルが映し出され、本番が始まりました。

7. 本番

最初はもう頭が真っ白で、台本を見ながら詠唱するのが精一杯でした。しかし、RTAを進めていくうちに、「自分が今緊張している」ということを客観的に見られるようになり、そこからはのびのびと走れたような気がします。

各ステージでどんなことを考えていたのか、どんなことに気を付けたのかは、実は後日の振り返り配信の第二部で非常に事細かに話しています。ここで書いたことの5倍くらいの裏話を披露していますので、もしお時間があればこちらもご覧ください。

この記事ではかいつまんで当時の思いを語りたいと思います。ほぼ反省会です。

前置き
後でも書きますが、前置きが少し長すぎた気がします。しゃべりも走りも全部合わせて35分以内で、ESTには収まっているものの…。なるべくダレないように工夫したつもりではありますが、もう少し短くするべきだったかな。
また、Twitterでアンケートを実施して、4つのステージを走る順番は僕の走りやすい順番ということにして頂きました。しかし、実は他の順番を練習できていませんでした。もし他の順番が選ばれても走れるとは思いますが、タイムはちょっと変わっていたかもしれません。

イントロダクション
コントローラーデモ、ウケてましたね。良かったです。前置きを丁寧に話しつつ、ここの激しさでギャップを狙っていたので計画通りでした。
そして、ここに大きな反省点が一つあります。「×ボタンが…アクション系のボタン、×ボタンが…ジャンプ系のボタン」と説明しています。×ボタンが何でもできる有能ボタンになってしまいました。もしかしたら気付かれていた方は少ないかもしれませんが、誤解を与えてしまって申し訳ないです。

GPUジャングル
「左をスルーする」からの猿のギミック、ボケが渋滞しすぎて視聴者の方々のコメントが追い付かなかったかもしれません。しかも今回は30秒スローモードですからね。ダジャレは入れなくてもよかったかも?
ただ、猿のギミックはやっぱり盛り上がりました。良かったです。未プレイの方はもちろん、既プレイの方もこんなに早く動く猿を初めて見たようで、驚かれる方が多かったですね。必死に腕を振った甲斐がありました。この猿のギミックを見せるために、カメラをONにしていたようなもんですから。
そして、Ruins Skipです。本当に、本当に一発で決められてよかった!喜び具合からも分かるとは思いますが、ここはずっと頭を悩ませていたところです。その後の解説が興奮でおざなりになってしまうくらい、ここが決まったのは嬉しかったです。もうRuinsが決まればこのランはこっちのもんや、くらいに思っていました。

SSDスピードウェイ
最初のネタはエレベーター煽りです。レイドRTAマラソンという、RiJの直前に出たイベントではやや滑ったので、今回ウケて良かったです。
Minigun SkipとFuse(導火線) Skip は立て続け2連続なので、どうしてもMinigun Skipを説明しながらFuse Skipを決める必要がありました。これがかなり難しくて、何回も練習したところです。おかげでこちらも一発で決めることができました。正直ほっとしました。
そしてロケットのギミック2回目に乗っている時に、それは訪れました。日清食品さんに繋げようとして「日進月歩で…」という話をしている最中に、風に流されてやられそうになっています。そのせいか「日進月歩で…」と言った後に数秒間黙っています。本当にトラップに接触する寸前まで行っていました。ペラペラ喋っているように見えますが、心の中では「あぶない!!!!!」って叫んでましたね。首から上を映していたとしたら修羅の顔をしていたと思います。やられなくてよかった。

MEMORYスカイ
クイズを出し終わった瞬間に答えを言ってしまいました。ごめんなさい。
いや、違うんですよ。本来の台本では、「このステージのモチーフを当てて頂きましょう。残すはPS1かPS3です。どっちでしょうね。でも、PS1と言っても、もう遊んだことのないという方もいるかもしれませんね」という自然な流れだったんですよ。それが歯抜けになって、「このステージのモチーフを当てて頂きましょう。でも、PS1と言っても…」になったんです。思ってたんと違う。その次の老人会と合わさって(老人会は台本通り)、クイズを出した後すぐに答えを言ってしまう、というネタとして見れなくもないので、結果オーライな気はします。ただ、思ってたんと違う。
3セクション目のビリビリクラウドでは、終始100%カテゴリの話をしています。しかし、実はこのセクションは、ステージの最初から最短周期で行かないとかなりタイムロスしてしまうところです。ここも話しながら走る練習を念入りにやりました。
最後はPS1の起動画面をみんなのトラウマと紹介しましたが、コメントを見ていると別にそうでもないという方もいましたね。自分がトラウマになっているせいで、みんなの、と紹介してしまいました。

COOLINGリゾート
休憩時間からの無敵時間さん、ちょっと強引な感じですね。でもこのゲームって死にゲーで無敵時間ないし、ここでねじ込むしかなかったんですよ。
まあそれはいいです。無敵時間さんの紹介が始まり、コラボチャリティグッズを販売していること、僕もRTAちゃんのTシャツを買ったことを話しました。そして、売り上げから可能な限りの額を

あーあ
もう終わりです。RiJ出禁になったと思います。
一応言い訳をしておくと、元の台本では「見境…いや、国境なき医師団へ寄付される」って言うつもりだったんです。でもやはり失礼だろうということで、普通に「国境なき医師団へ寄付される」にしました。そしたら今度は、「こっきょうなきしだんへふされる」の、「い」と「き」が混ざって、

あーあ
見事に騎士団(あるいは氣志團)になってしまいました。もう終わりです。国境なき医師団様、大変失礼しました……
この後は恥ずかしさをごまかすために、大声で「PS3を手に入れまして!」って言ってみたり、ラスボス演出の説明をしてみたり、色々やっていますがもう取り返しがつかず、コメント欄もTwitterも大賑わいでしたね。まあ盛り上がったので良いです(良くない)。

ラスボス(第一段階)
「初代PSは横から殴ると電源が入ります」がウケて良かったです。しかし、その後でちょっとまごついて、第二回老人会のフリがちゃんとできなかったのが悔やまれますね。なあなあになってしまいました。
その後のアスペクト比が変わる演出は、感動しておられる方がたくさんいましたね。僕もあの演出は大好きです。ザコ敵までもがローポリなの激エモ。
第一段階・第二段階ともに、ラスボス戦はとても忙しいので、ここも喋りながらプレイする練習をたくさんやりました。マシンガントークをしつつも、一言一言をはっきり話して、なるべく聞き取りやすくしたつもりです。
一つ気にしていたのは、ラスボス第一段階目を倒した後に僕の茶番が始まるのですが、そこで本当にGGだ!って思ってしまう人がたくさん現れるのではないかということでした。なので、倒した瞬間にすかさず「じゃあ完走した感想を…」っていう話を始めることで、「もしかしてまだ倒してないのか?」という違和感を与えることを意識しました。ここは配信管理のスタッフの方にも念を押していたところですね。タイマーストップは2段階目です、ということをしっかりお伝えさせて頂きました。

ラスボス(第二段階)
噛みつき攻撃やミサイル攻撃を避けるより早いため、ASTROをわざと「身投げ」させています。解説をする上で、殺すとか死ぬとか、自殺とか、直接的な表現はなるべく避けたいと思っていたので、「身投げ」というワードを選んでいます。細かいことですが、大事なんじゃないかな。
そしてその後、「ごめんなASTRO。タイムは命よりも重いんや」。クリップも作って頂きましたね。名言化して良かったです。
そして最後のザコ敵、実はここで死んでしまうと第一段階からやり直しなので、3分くらいロスします。ペラペラ喋っていますが、内心では非常にドキドキしていました。ザコ敵の配置が倒しやすくて良かったです。
舌を引っ張ってタイマーストップです!タイムは23:28で、自己べ+15秒くらいです。本番でも言えばよかった。あれだけ解説して+15秒で済んでいるのは、我ながら好タイムじゃないかと思います。

エンディング
話したい事、主に感謝の言葉がたくさんあったので、ここもかなり長くなってしまいました。しかし、スタッフロールを見ながら話しているだけだとダレると思ったので、スタッフロールと最後のステージで出来る限りコインを集める = なるべく寄付額を増やす、という名目のもと、スタッフの名前をしばきながら締めのコメントを述べています。スタッフロールで遊べるタイトルは名作。ちなみに、スタッフの名前を全員しばくことに成功しています。
感謝の言葉ではリスナーさんの個人名を出すか迷いましたが、サプライズで言いたかったのに加えて、5万人以上の前で無許可で名前を出すことは良くないだろうと判断し、個人名は伏せました。振り返り配信でお名前を出していますので、ぜひそちらをご覧ください。
「そして もうひとつ…」以降は、ここに補足するまでもありません。RiJ最終回?って言われてましたね。RiJの運営の方々には本当に感謝しています。これからもどうぞよろしくお願いします。

その後はTwitterで検索をしたり、配信を見返してコメントを読んだりしていました。「ASTRO's PLAYROOMは見たことないゲームだったけど、解説のおかげで楽しめた」「デビューして半年なのに驚いた。話が上手すぎる」「既プレイなのにあんなに早くクリアできるなんて知らなかった。とても面白かった」など、たくさんの嬉しい反応を頂くことができました。更に、たくさんのファンアートも頂くことができました。ファンアートなんて今までに頂いたことが無かったので、本当に嬉しかったです。必死に練習をして本番に臨んだ甲斐がありました。

以上が本番の流れとなります。非常に緊張していましたが、自分でもかなり満足の行くランができたため、大満足の走りができたと思っています。

8. RTAをする上で考えたこと

ここまでは時系列順に出来事をお話ししてきました。楽しんで頂けましたでしょうか。このセクションでは毛色が変わり、自分の考えたことというか、気持ちを述べていきたいと思います。なお、このセクションで書いている内容も、振り返り配信で一部述べています。

デビューをして半年のまだ新人ながら、いや、新人だからこそ、RiJという大舞台に立つ際には様々なことに思いを巡らせて、考え抜いた上で本番に臨みました。少しでも皆さんと共有できれば幸いです。

今回のRiJ参加のモットーとして、「隠れた名RTA」になることを目標としました。ASTRO's PLAYROOMは、みんなが知っているビッグタイトルではないかもしれません。「ASTRO's PLAYROOMのRTAだって!?見に行くぞ!」という方は、少なかったんじゃないかなと思っています(もちろんTwitterの反応を見ていると、そういう方もたくさんおられました。ありがとうございます)。そこで、「何となくつけっぱなしにしていたら、面白そうなRTAが始まっていた」「前枠のバレットウィッチ/後枠のSEKIROのついでに見てみたら面白かった」を目指しました。この目標を達成するために気を付けたこととして、以下の3つがあります。

1. ミームを使いすぎない
2. RTA解説をしすぎない
3. 語りかけ半分、自分の感情半分

順番に説明していきます。

1. ミームを使いすぎない
RTAの世界には、様々なミーム(特有の言い回し)があります。ミームを用いると、RTAファンの方からは一時的に良い反応を頂けて盛り上がりますが、初見の方からすると「?」と思うところもあります。以前のRiJや、今回既に終了したタイトルで生まれたミームは、それを見ていないと話に付いていけません。
そこで、「隠れた名RTA」を目指し、多くの方に見てもらうために、僕のRTAではミームを使いすぎない(≠使わない)ようにしました。具体的には、解説に入れていても自然な日本語になるもの、つまり、ミームを知らない方が聞いても、普通の解説に聞こえるものを採用しました。

採用:メガトン構文、花火、助かる、だじゃれ(これは自然ではないですが、不自然なのも含めて様式美ということで)、etc.
不採用:ロボノケンカ、ファイナルラストボス、27年前(1994年は今から27年前。28歩と掛けた)、etc.

初見で来てくれた方に、RTAにはミームという特有の文化があるということを知ってほしい、かといって使いすぎると、難しく怖い世界だと思われてしまう。その2つを天秤にかけ、バランスよく散りばめたつもりです。

2. RTA解説をしすぎない
初見の方が見ていても、説明がすんなり頭に入ってくるような解説になるよう気を配りました。RTAの解説だけではなく、ゲームの楽しさやその雰囲気、そして周辺知識など幅広く取り入れたつもりです。
もちろんRTA解説もしますが、「それを聞いて盛り上がるか?」「それを聞いて楽しいか?」を考え、取捨選択しました。本当は語りたいRTAテクニックが山ほどあるのですが、それはまたの機会に。
逆にASTRO's PLAYROOMを持っており、かっちりとしたRTA解説を聞きたかった方は、少し物足りなさを感じたかもしれません。しかし、喋っている内容がふんわりしていたとしても、プレイは本気で、ライン取りやRTAテクニックをガチガチに詰めたつもりです。「口頭説明では全く触れていないけど、今のプレイやばくない?」を目指しました。背中で語るということです。
僕がデビューして半年ということも、エンディングで言おうと決めていました。最初にRTA歴を言ったら、舐められるかもしれない、RTA解説を聞いてくれないかもしれない、次の枠のSEKIROまで飛ばされるかもしれないからです。キャリアじゃなくてプレイを見てくれということです。とは言え、先輩方にはまだまだ追い付けない点もたくさんあることは自覚しています。そこは今後も精進して行きたいと思います。

3. 語りかけ半分、自分の感情半分
2. と少し被る部分もありますが、淡々とした解説と走者(はにーま)の気持ちを、織り交ぜて話すことを意識しました。…って言っても、この3.に関してはGPUジャングルで少し崩壊してしまいました。Ruins Skipを決めたのが嬉しすぎて、感情100%になってしまったからですね。しかし、コメントやTwitterの反応を見ていると、ずっと感情を抑えつつもここで爆発して、嬉しいと連呼したことが、かえって印象良く受け取って頂けたようです。
少し話は逸れますが、僕は自分自身のことを、とにかく喋りまくるタイプの解説だと思っています。ほとんど黙っていることはありませんが、その中に説明パートと感情パートを織り込むように心がけました。一方、世の中にはただひたすら淡々と、超高難易度技を決めていくRTA走者さんもいます。それはそれで素晴らしいし、良し悪しの問題ではないと思います。単にスタンスが違うだけです。

以上3点を念頭に置いて、本番に臨みました。実際、走った後はとにかく楽しかったし、大満足の走りができたと思います。チャットやTwitter上でコメントしてくれた皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。

その一方で、少し自分を出しすぎたかな?とも思いました。RTAは走者ではなく、ゲームが主体という主張もあります。僕の考えではそんなことはなく、走者に注目してもいいのではないかと思うのですが、ゲームが主体であるという主張も分かります。

感謝の言葉は絶対に述べたいと思っていたものの、やはり走る前後で少ししゃべりすぎたかな、自分の話をしすぎたかな、と思いました。視聴して頂いた皆さんは、どう感じられましたでしょうか。

9. まとめ

RTA in Japan Summer 2021 参加レポ、以上となります。ずっと憧れていた大舞台で、自分の好きなゲームを自分がプレイし、自分が解説をしながらたくさんの人に見て頂く。こんなに喜ばしいことはありません。本当に素敵なイベントに参加させて頂けたと感じています。感無量です。

今回のイベントに参加された走者・解説の皆さん、本当にお疲れさまでした。イベントをスムーズに進行してくださいました、ボランティアスタッフの皆さんにも、改めてお礼を申し上げます。そして、コメントなどでこのイベントを盛り上げてくださった視聴者の皆さんにも、大変感謝しております。

そして何より、RTA in Japanという素晴らしいイベントを作り上げ、RTA走者になるきっかけをくださり、この大舞台に立つ機会をくださりました、RTA in Japanの運営の皆さんに、深くお礼を申し上げたいと思います。これからもRTAは続けていきますので、どうぞよろしくお願いします。

最後までご覧頂き、ありがとうございました!
また、RTA in Japan Winter 2021でお会いしましょう!ばいばい!


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