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穏やかな毎日

ウズベキスタンは優しくて平和でにこやかな場所だ。
道を歩いていればイポニカ!って笑いかけてくれるし、写真撮ろ!って近寄ってくる。
日本人観光客は増えてるだろうに、やっぱり珍しいのかな?
観光地付近のお店に入れば、where are you from? Japan! Good!! Tokyo? Osaka? Osaka! Nice!! って感じ。

この国は日本に比べたらだけど、ちょっとネット環境が良くない。
SNSはサクサクできるのに、ネット検索は繋がりにくい。
購入したSIMは通話とSMSが無制限のものだった。
街中には通話してる人ばかりだ。
そんなに電話する?ってくらい。
サマルカンド行きの特急シャーク号で隣の席だった青年は、20分に一回は電話してたと思う。もっとかな…?
人間同士の繋がりが深いみたい。

ウズベキスタンに来てからはネットで情報を得て動くことが少なくなった。
検索してもサーバーが見つかりませんとか、全然読み込めなかったりとか。
ホテルのWi-Fiは使えるところもある。
でも大体次の目的地、トルコの治安について調べてる笑
ウズベキスタンの観光は実際に歩いて、こっち!って直感的に選んだ道を進む。
あ、なんかモスクっぽいの見えた!あそこに向かおう!って思ったらなかなか入り口にたどり着けずぐるっと一周モスクを観察することになったり。
地図にも乗ってなさそうな住宅街の細い道に入り込んだり。
ホテルに帰れなくなるのは困るからmaps.meは開いていたけれど。
オフラインで使える地図はありがたい。
もちろん地図なのでモスクがあるよ!とか観光地として人気だよ!とかの情報は載っているけれど、オフラインなので詳細はさっぱりわからない。
入場料いくらだろう、観光客が行っていいやつなのかな、服装は大丈夫かな。
不安はすぐに消える。
どこに行ってもウェルカムだ。
Japanese? って聞かれてYes! って答えるだけで歓迎されちゃう。
コニチハ!って言ってくれる。
お土産買って行けって勧誘もなかなかすごいけど。


小さなスーパーマーケットで水やパンを購入した時も、路上でサモサを購入した時も、バザールでウズベクチョコレートを購入した時も、みんなちゃんとお釣りをくれる。
タクシーだってI can’t! It’s expensive!! ってアピールしたらどんどんお値段下がるし、しかも全然嫌そうじゃないの。
なんでこっち値切ってるのににこにこしてるの…
ズルをするという概念が存在しないのかなってくらい優しい。
全然下心ありそうとか、危ないんじゃないかとか感じることもない。
心底優しいんだと思う。

タイにいた時は優しさが怖かった。
トゥクトゥクもタクシーも親切だけどぼったくる。
なんか怖い優しさだ。優しさの部分だけ利用した私も私なんだけど。
Khaosan Roadから1時間で水上マーケット行けるよ!!って言うから1時間ならと思って連れて行ってもらったのに2時間以上かかった。
しかも水上マーケットへのボート代1万円請求されて、そんなに持ってないよ!!って。
水上マーケットに行く気は無かったから全然相場を知らなくて、後から調べたらものによっては600円くらいで行けるプランもあったみたい。
ホテルからホテルへ移る時に車に乗せてくれたお兄さんはLINEがちょっとしつこかった。
今何してるの?今日は何するの?夜飲みに行かない?って。
強い勧誘をしてくる人とかすごい話しかけてくる人とか、確かに優しいんだけど、怖かった。
なるほど気をつけようって勉強になった。

でもウズベクでは全然嫌な感じがない。
タイから到着した直後はやっぱり優しさを疑ったけれど、なんて平和で優しいんだ!って感動した。
疑うことが申し訳ないと感じるようになった。
むしろ、もうちょっとぼったくってもいいよって思う笑笑
言葉が通じなかったらこちらの理解できる言葉に合わせて翻訳アプリ片手に一生懸命話しかけてくれる。
通じなくてもわかるものもある。
なんだかウズベク来てからは気持ちが穏やかだし笑顔が自然に出てくる。

彼らの生活はナチュラルだ。
街には自然があふれていてパークもたくさんある。
動物も多く、ヤギやウマを見かけることもある。
ノラネコがたくさん見られてほんわりする。
路上でナンやサモサを売る人たちはカメラを向けると笑ってくれるし、買ったらその場で温め直してくれる。
子どもたちは外で自転車で疾走したり、お父さんとボールを蹴ってパスし合ったり。
団地のような場所にはカラフルな遊具のある公園も多く見かけた。
バザールではフルーツや穀物、スパイス、それからドライフルーツやお菓子、ナン。
いろんなものが剥き出しに置いてある。
日本だったら衛生的にダメだろう。
タイでも同じような露店はたくさんあったけれど、ウズベクの方がなんだか美味しそうと思ってしまう。
色眼鏡だ。
それでも、タイの後に来ると、ウズベクは街が綺麗だからか衛生的にも問題なさそうに感じる。
ザクロが積んであったり、クランベリーが詰まったバケツが並んでいたり。
ウズベクでは値段交渉をしなくても、予想より多いお釣りが返ってくるから、楽しい。
味見用のお菓子をいっぱいくれる。
知ってる日本語で話しかけてくれる。

ネットから離れて、人の優しさに触れた。
リアルな人間のリアルな優しさ。
ぼったくればいいのに!って思ってしまう私の心は彼らより汚れているかも笑
汚い世界を知らないと言ってしまえばそれまでだけれど、彼らの綺麗さは性善説を思わせる。
こんな世界もあるのね!
多分私は日本にいる時よりも平和ボケしている。
ウズベクの後にトルコに行くのはなんだか心配だ。
トルコは治安が悪いって、いろんなサイトが言っている。
またサイトだ。
実際に行ったら良い人がたくさんかもしれない。
悪いフィルターをかけて警戒心を持つのは大事かもしれないけれど、人間と人間の付き合いを疑いで埋め尽くすのは避けたい。
このひとり旅を通して、丁度良い他者との距離感を習得したい。
ウズベク人のように優しく、穏やかでありたい。

私の中でタイの印象はあまり良くない。
悪いわけでもないけれど、もう一度行きたいかと言われたら即答はできない。
まあ、誰かと一緒なら。という感じ。
ひとりではわざわざ行かないなぁ…
タイが悪いわけじゃなくて、ウズベクが大好きなの。
気候的に良い時期に来た。
そして、タイで疲れた心が回復した。
いろんな条件が、ウズベクへの好感度に貢献してる。
私はここが大好きだ。
また来たい。
ひとりでもいいし、お姉ちゃんや彼氏とでも楽しそう。
モスクは何度だって見たいし、緑あふれるパークを何度だって横切りたい。

#travel #uzbekistan #diary


私の価値観に、価値を見出してくださりありがとうございます。