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強い女

18歳で親元を離れ、文字通り“仕送りに頼らず“生きてきた。
設定した人生のキーワードは「強い女」。
簡単に靡かず、自分の強い意志を持ち、揺るがない。
逆境にも負けず、弱みを見せず、自分の力で解決する。
そんな人が「強い女」なんだと思って自分なりにがむしゃらに生きてきた。少なくとも必死に生きてきたつもりだった。

それなのに10年経って気付いたら、外殻ばかり頑丈に硬く、誰にも引っかからないようにそして引っかかれないように、表面はつるりとして、それでも内側は整わずにバラバラとして。蓋を開けたら中身が空っぽな人間になってしまった。



ダイヤモンドは美しい。だけれども、衝撃を受ければすぐに砕ける。硬度10はイコール強さでは決してないのだ。

「強い女」は決して曲がらない硬度ばかりの女ではなく、きっと軽やかに柔軟に、羽のように。
何度雨に打たれたって、風に吹かれたって、雪に押し潰されたって立ち上がる竹のように。
弾力を持って、みずみずしさを持って、また芽吹く人だろう。

自分の中身を柔らかで清らかな好きなものたちで埋めて、外側はノリの効いた好きな柄のシーツか、金色か銀色の折り紙か、はたまた大きな葉っぱかな。しなやかでハリのあるもので包んであげよう。

新しい、それでいて健やかな「強い女」になるために。

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