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【対談企画】 HLAB TOKUSHIMA WinterSchool参加者の高校生3名と運営大学生1名、彼らが語るWinterSchoolの様子や牟岐町の魅力とは。

HLABでは2020年12月末にWinter Schoolを開催いたしました。オンラインではありながらも、牟岐町の手厚い支援を受けながらHLAB TOKUSHIMAを開催することができました。この記事は、HLAB TOKUSHIMA 2020 Winter Schoolに参加した高校生3名と運営委員1名での対談形式となっています。彼らのリアルな声から、Winter Schoolの様子や牟岐町の魅力が皆様に伝わると幸いです。

※Winter School:例年HLABが夏に開催しているサマースクールを、コロナウイルス感染拡大の影響で冬にオンラインで開催したものです。多様なバックグラウンドを持った高校生と学生メンターそして社会人が、互いの夢や将来、正解のない問いについて真剣にオンラインで語り合う、HLABで初めての挑戦となりました。HLAB TOKUSHIMAでは、徳島県牟岐町に実際には集まることができなかったものの、牟岐町の方々の全面協力のお陰でオンラインにも関わらず、牟岐町の魅力満載のWinter Schoolを創り上げることができました。

自己紹介


HLAB運営委員:
藤本真穂(たくみ)徳島県出身、現在広島市立大学に通っている。中華料理大好き。
高校生参加者:
ほりえちゃん:東京都在住の高校生。美術部に所属。
かのこ:徳島県内の高校に通う高校生。
ちか:今回Winter Schoolの舞台となった牟岐町出身の高校生。剣道に夢中。

Winter Schoolが終わって1カ月が経つね、振り返ってみてどうだった?
ほりえ:色んな人に知り会い、繋がりを持てたことがとてもよかった!Winter School後はAIJ(日米高校生)の交流に参加するなど、新しいことに挑戦してみた。
これは、「まずはやってみよう」と思わせてくれたハウスの雰囲気のおかげだと思う。今まで自分の軸について悩んでいたので、ハウスの高校生、学生メンターからフィードバックを貰えてよかった。
※ハウス:Winter School期間中の行動班。一日の振り返り(リフレクション)も毎晩ハウスのメンバーで行う。

かのこ: 正直Winter Schoolが終わった実感がまだ湧かないけれど、その後の自分の原動力になっていると思う。Winter Schoolで先生ではなく、自由で縛られていない大学生の話を聞けたことが新鮮な感覚だった。
たくみ: かのこのその原動力ってどんなもの?
かのこ: 参加している高校生と話している中で、夢を持っていることのすごさを感じたんだよね。彼ら、彼女らの話を聞いていると、自分も自分の限界を超えたいと思えて、その気持ちが原動力になったと思う。
ほりえ: 私は長女で今まで誰に聞いたらいいのか分からなかった。だけど、学生メンターには気軽にいろんなことを話すことができた。はじめは遠いと思っていた大学生の存在を、Winter Schoolを通じて近くに感じることができるようになったよ
ちか: Winter Schoolが終わって、新しくカメラを購入した!写真を撮る目的ができたから、自分で撮った写真を見て欲しいって気持ちが強くなった。今は写真を撮りたくてたまらん!
たくみ:ちかはWinter School中、牟岐町の綺麗な写真をslack(オンラインコミュニケーションツール)で他の参加高校生や学生メンターに発信してくれていたよね!すごく綺麗で、牟岐の魅力が存分に伝わってきたよ!
ちか:今まで写真をとっても、見てもらう機会がなかったから、Winter School中にハウスでみんなの反応を貰えたことで、さらに写真を撮りたいって思えた。
かのこ: 写真って同じ風景をとっても人によって変わるから面白いよね!
ほりえ: フォルダをざっと見ると、自分の傾向が分かるし!

牟岐町ご飯ワークショップについて

話が変わるんだけど、牟岐のご飯ワークショップはどうだった?
※牟岐のご飯ワークショップ:牟岐町の全面協力のもと、地元特産品であるもち麦を使った料理や、郷土料理であるまぜくりご飯などの料理を牟岐町と各参加者の家庭をオンラインで繋ぎながら一緒に調理をした企画です。参加者の元には事前に牟岐町の特産品などが送付されました。
・WinSのご飯作った時の当日の様子(企画者:松浦)
調理時間も準備時間も短いものでしたが、高校生が四苦八苦しながらも同時に調理をしている姿は圧巻でした。調理に困った場合もzoomのチャット機能で質問をすることで解決するなどライブでの共同作業の良い点が見られました。このように、街の人との交流を通じて相互的な交流を通して参加者も牟岐町を知ることができました。
牟岐の魅力である、自然の豊かさはその場に行ってみないとわからないことかもしれません。しかし、牟岐の豊かな食文化や人の良さは送っていただいた特産品を調理したり、実際に話したりしたことでより強く伝わったのではないかと思います。COVID-19の影響により人と繋がりづらい、人と食を共にする機会が少ないからこそ意味のある企画だったように感じます。
実際に各ご家庭に送付された食材
- もち麦
- 実生ゆずの果汁
- ひじき、切り干し大根
- もち麦味噌:もち麦味噌についてあつかった記事

かのこ
: まぜくりご飯は給食でよく出てていました。徳島県に住んでいても、県南に来ることはあまりないから食にスポットライトを当ててくれることで徳島県の食の魅力についてみんなに知ってもらえて嬉しい。
ちか: 牟岐町に住んでいる私は、一緒にその場で調理をした牟岐町の婦人会の方々がすべて準備をしていたから、材料を混ぜただけになった(笑)。私がしたのはお酢の量を調節するのと、混ぜることぐらい。みんな準備から調理まで全部1人でしてるの?って驚いた!
ほりえ: 私はご飯を作るのに失敗した、大さじと小さじを間違えた(笑) だけど、みんなでしゃべりながら一緒に料理するのは楽しかったよね!
かのこ: 調理実習自体が中学生ぶりで久しぶりだった!当日は担任の先生と作ったけど、ほとんど自分1人で作った。余った分は職員室の先生に配った。

スクリーンショット 2021-03-31 午前7.07.08

実際の参加高校生のコメント

ほりえ: 日本中それぞれの場所で、同じ徳島の料理を一緒に作っている人がいるのがおもしろいと思った。Winter School以降も、毎日もち麦をご飯にいれたりしている。柚子は鍋にいれたり、餃子のタレに混ぜたりして身近な食材になった。
かのこ: 祖母がゆずを育ててるから、家でお酢を買うことがめったになかった!から新しい味を食べれた。
ほりえ: もち麦は雑炊にしたら、プチプチしてて意外と美味しかったよ。
ちか: 私のお父さんがもち麦の収穫に携わってたから、出荷する前の取り除く工程とかに身近な人が関わった食材だって事を考えると、皆のもとに届いているのが嬉しい!
ほりえ: 私は阿南市に昔住んでいて、自然の感じとかもう一回自分がそこに行った気がした。現在進行形で徳島を交流で知れて良かった、地域ごとの特産物が知れた。
Winter School内牟岐のご飯ワークショップで実際に使用した食材は以下になります↓↓

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レシピ:HLAB TOKUSHIMA 2020 Winter Schoolで実際に使用したレシピ

一般広報冊子実生柚子果汁について_20210118更新 (1)-page-003

実生柚子(みしょうゆず):HLAB TOKUSHIMA 2020 Winter Schoolで高校生参加者、学生メンターに送付された食材

行燈にはどんなことを書いたか(牟岐について、HLABについて)

たくみ:ところでWinter Schoolの最終日にあった、行燈(あんどん)ワークショップでは和紙に何の文字を書きましたか?
※行燈ワークショップ:牟岐あんどんの会からレクチャーを受け、学生メンターが作った行燈の木の枠に高校生が描いた絵をプリントした紙を貼り付けました。高校生が描いた絵のテーマは①自分のやりたいこと、望む将来②社会に対する価値観、望む世界であり、それぞれにその人らしさが出ているユニークなものでした。HLAB TOKUSHIMA 2020終了後も下北沢カレッジに展示してあり、参加高校生が見学に来ることも度々あります。

かのこ: 牟岐に関係することをたくさん書いた、個性豊かな人が多いと思った。それぞれ場所が違っていてもTODAYS牟岐などひとつのことを皆でやってることで、何かみんなと繋がっていると思えた。それと、隣町の人とこんなに密に関わることができるとは思ってなかった、魅力を伝えたいという地元愛が伝わってきた。
※TODAYS牟岐:毎朝、牟岐町の教育委員会の方が例年のサマースクール会場からライブでその場所について紹介してくれる企画。出羽島、モラスコむぎ、牟岐町海の総合文化センターなどを訪問していただきました。最終日には牟岐町海の総合文化センターで餅つきと門松を生配信で作ってくださりました。

たくみ: 心から思っとるから相手の心に伝わるよね。
ちか: 私は、牟岐でWinter Schoolを開催する意味をオンラインで伝えるのにはどうするべきか考えていた。ほりえが日本の各地でみんなが「自分の地元の物を作ってくれている」ことが不思議だと言っていたけど、それはありがたいことだとしみじみ思う。特に、行燈は牟岐の小学生が宿題で作るけど、こんなにも感動するものだとは思わなかった。HLABを通して行燈を知った人たちが作ったものを見たらさらに感動する。同じハウスの人たちともお互いが作ったものについて語り合ったよ。

カレッジ行燈

 Winter School中にSHIMOKITA COLLEGE内に飾られた行燈(あんどん)

ちか: 行燈には4面あるから、自分の好きなものを表すと愛着が絶対に湧くと思う。私は高校受験の時に、五角形の行燈を作って合格祈願のためにみんなにメッセージを書いてもらった。行燈の紙に何でも表現できるから、木の枠を貰って自分で白紙に書いて貼る。卒業アルバムの最後に書いてもらうように、受験頑張ろうってメッセージがあって中三を思い出した。それだけ身近にある伝統のものが全国に伝わるって不思議で嬉しい。ぜひ皆にも行燈を作って持っていてほしい。
たくみ: わざわざっていうのが大切だよね!

~牟岐出身者、徳島出身者、県外参加者の3つの視点から考える~

たくみ:徳島・牟岐への印象はHLAB参加前後でどう変わったか。
ちか:
HLAB参加前は→ 私が住んでる牟岐町のシラタマ活動で考える機会が多かったけど、過疎化がすごい地域でなんでこの人たちが牟岐町に来ているんやろう?って思った。高校生や大学生がひとつむぎ(牟岐のNPO法人)やカレー作りに牟岐に来てくれて「何に感動してくれるんだろう?」「牟岐って何がある?」とずっと疑問に思ってた。
HLAB参加後は→ 色んな人が戻ってくる意味が分かった、意外とすごいな!と伝わるものが牟岐にあると思った。出羽島とか、行燈とか、ご飯とか、牟岐の魅力が伝わっている様子が見れた。
※シラタマ活動:牟岐町で行われている、中学生対象の教育活動。過去HLAB参加大学生が立ち上げたひとつむぎ主催で行われている。地域課題を解決するための企画を中学生に作成させて、実際に実行させることで主体性、、協調性、コミュニケーション能力を養うことを目的としている。

たくみ:改めて牟岐の魅力って何? 
ちか「HLABが牟岐にもたらしたことで、学生が伸び伸び育つ環境がある」
学生メンターと関わることで進路選択の面で視野を広げられる。そして、HLABが敷居を下げてくれたからより自由な町になっている。

かのこ:
HLAB参加前は→ 「牟岐=隣の町って印象」 
HLAB参加後は→ 「牟岐=1つの魅力ある町」
私は、HLABを通して町の魅力を知った。隣の町に住んでるから牟岐町についてなんとなくは知っていたけど、魅力を知れてよかった。
ちか: 牟岐町民が海陽町に行くことはあるけど、逆はない、通るだけ。
かのこ: 何かをするために牟岐に行くことは無いから、名前だけ知っている状態だったけど、今回で牟岐町の中身を知れた。同じ田舎の括りに入る隣の街なのに、知らんくて勿体無いと感じたし、出羽島にもう一回行きたいって意欲が増した!
たくみ:ほりえは改めてどんな魅力があると思った?
ほりえ:「まとまりが小さいから、みんなでひとつのことを成し遂げられる、地元を愛する人がいる地元
自分は都会に出たいと感じるからこそ、地元を愛せるみんながうらやましい。私は地元っていうのは、山や海があることが当たり前すぎるから、一回町を出てみて初めて知れるものかなと思ってる。自分の町は近所の人にお帰りと言える文化がある。
ちか: 大きい町だと挨拶していいのか分からんけど、地元だったら普通に誰でもこんにちは、さようならと言えるよね。
ほりえ: 東京に来て人との繋がりの希薄さを感じたし、地元との温度差があった。自然と繋がりがあることがうらやましい!企画で牟岐を知っていくうちに私も行きたいと思った。

ほりえ:
HLAB参加前は→ 「徳島は徳島として括っていた」 
HLAB参加後は→ 「一つの町として、町民1人1人、のレベルまで見れた」

牟岐町の魅力とは:「作ろうとしていないところ」

牟岐はそれを作り上げようという想いがパソコンの画面越しでも伝わってくるよね。画面越しだけど見ている画面と雰囲気から自身の昔の思い出や創造力が掻き立てられた。牟岐町は自分たちが住んできたところに魅力を見出して発信したりコンテンツを作ったりしている。
かのこ: 理想を作ってないよね。
ちか: 素晴らしすぎ!!!!!!
ほりえ: スタンディングオベーションだったね!ちかはその時の感情を覚えているのがスゴイ!!!
ちか: 自分が意識していないところを客観的に見れるから、気付けて伝えられるのも最高だよね。オフラインに勝るものはないけど、オンラインでも面白いものを愉しみたい。オンラインだと気軽に話ができるから会話の種を撒けると思う。
ちか:Winter School中の東京に出た徳島の方からのエピソードやかのこの言葉を聞いて、地元の魅力に気付けていないことに気づいた。はらっぱ大学の話を聞いたり、山の活動の反応を見たりする中で、自分たちはそんな所で育ったからこそ、都会に出ようとすることもできるけど、帰ってこれる場所が田舎にあることが幸せだと気付けた。
※はらっぱ大学→https://harappa-daigaku.jp

大人も子供も自分自身が感じるままに遊ぶことができる「遊び場」を提供するプログラムを企画・実施している株式会社。山の中で親子で遊ぶことで「遊びを作る」クリエイティビティを養うことができる。
かのこ 戻る場所があるのは本当に有難いと思った。
たくみ:みなさん対談ありがとうございました!

牟岐町観光協会 →http://mugi-kankou.com/

牟岐人-MUGIZINE- →https://mugizine.jp/

牟岐人アプリ"mugijin" →https://www.mugijin.info/


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