ここから/ここまで

出てきた家が集まって
遠くでもう町になっている
同じ本をいつまでも読んでいる
いつでもはじめのページから
同じところを読み返している
夜になるとひとつも欠けずに
遠くで窓が点灯する
華奢なつくりの栞を持っていて
あの町のどこかになくしてしまった

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