あなたのための夜景

触れた瞬間息を飲む冷たさは
くっきりしていて頑丈な気がするので
その町では誰も彼も
本当に寒い夜になると
知らないひとの凍える指先を探して
自分の体温であたためられた
懐かしい毛布を残らず燃やしてしまう
川の対岸では隣の町の
厚着したひとたちが
めいめい手をつないで
音を立ててはぜるまぶしい孤独を見ている

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