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Algomaticの新部門「AI Transformation(AX)カンパニー」で目指す新しいクライアントワークの形

こんにちは!7/1よりAlgomaticの新部門であるAI Transformation(AX)カンパニーのCEOを務めている鴨居(@hktech94)です。

私がカンパニーCEOを務めるきっかけになった前職アクセンチュアでのデータサイエンティスト/コンサルタントの仕事内容についてはこちらの入社エントリをご覧ください!

Algomaticとして4つ目のカンパニー立ち上げにあたるこのタイミングで、AI Transformation(AX)の立ち上げ背景と目指す方向性について書きました。

AI Transformation(AX)が今、必要な理由

Algomaticは2023年創業の生成AIに特化したスタートアップです。弊社は立ち上げ当初からカンパニー制をとっており、これまでは3カンパニー制で運営していました。シゴラクAIカンパニーは企業向けのLLM活用支援プロダクト、NEO(X)カンパニーはHR系のプロダクト、Globalカンパニーは翻訳系のプロダクトをリリースしています。

そこに今回4つ目のカンパニーとして、AI Transformation(AX)カンパニーを立ち上げています。

4つ目のカンパニーとしてAI Transformation(AX)カンパニーが誕生

AI Transformation(AX)カンパニーでは、「AIで企業の業務のあり方を変革する」というミッションを掲げ、日本企業の業務変革を推進しています。

AI Transformation(AX)とはAIによる変革を意味しますが、このタイミングでDigital Transformation(DX)に加えてAI Transformation(AX)に取り組むべき理由は大きく2つです。
① 深刻化する人手不足
② 生成AI技術の急速な発展

深刻化する人手不足

企業の人手不足の問題は何年も前から指摘されていますが、いよいよ現場でも課題が顕在化してきたという声を多く聞きます。

労働者人口が減少に転じ、人件費の高騰も相まって人材の確保は年々困難になっています。特に高度な知識・スキルを必要とするような専門人材や、現場の労働者などが顕著に不足しており、業務の抜本的な見直しが必要となっています。

また人材の流動性の高まりや、熟練社員の定年退職による業務品質の担保も課題となっています。旧来から人材の流動性が低く、業務が俗人化しやすい日本企業において、キープレイヤーの退職によるノウハウの消失は業務品質にクリティカルヒットしています。これを解消するための業務プロセス整備やシステム化も必要な状況です。

令和4年版高齢社会白書より

生成AI技術の急速な発展

一方で、技術面では2022年末にOpenAIからリリースされたChatGPTが我々に大きな衝撃を与えました。わずか5日間で100万ユーザーを獲得し、およそ2ヶ月で1億ユーザーを突破しました。その後もマルチモーダルに対応した様々なモデルが登場し、AIの可能性に対する社会の認識を一変させました。

最新の生成AIモデルでは、いわゆる従来の機械学習やAIで必要だった学習の部分をほとんどせずともあらゆるタスクを解けるため、これまでコストをかける必要があったAI活用をコモディティ化することができています。

特にAIエージェントやLLMエージェントといった概念においては、 単一タスクの遂行だけでなく、ゴールまでのアクションの設計と実行をAI自身が行うといったことも実現できます。

エージェントの定義:登壇資料より

このようなAI技術の発展により、AI Transformation(AX)では従来のDigital Transformation(DX)のスコープであった「人間の作業のシステム代替」のみならず「人間の思考のシステム代替」まで踏み込むことができます。

AI Transformation(AX)カンパニーでは、「AI Transformation=AIを活用した企業変革」というゴールに対し、コンサルティングや受託開発などのクライアントワークによるアプローチでの実現を目指しています。

Algomatic初のクライアントワークに特化したカンパニー

ではこれまでプロダクトを中心とした事業を展開してきたAlgomaticが、なぜこのタイミングでクライアントワークの事業を始めるのでしょうか?

クライアントワークの事業を立ち上げた理由

Algomaticとしてプロダクトにフォーカスした事業開発を複数進めている中で、クライアント様よりAI活用に関する個別の相談や要望を多くいただきました。

プロダクトで解決できる課題も多くある一方で、生成AIという新しい技術が出てきたタイミングでどう取り組みを進めればいいかがわからないケースや、そもそも汎用的なソリューションで解けないような個別課題も多数あることを改めて感じました。

そのような中で、個別要望やご相談に対応するためのコンサルティング・受託開発の機能をもち、企業における業務変革を目指す「AI Transformation(AX)カンパニー」を立ち上げました。

AI Transformation(AX)事業のサービスサイト

企業の業務変革におけるクライアントワークの重要性

AIを活用した業務変革のアプローチとしてはSaaSなどのサービス導入なども考えられますが、ただ単にサービスを入れても業務に浸透しないケースがあります。

これに対応するためにカスタマーサクセス(CS)を手厚くしてサービス導入を推進する企業も多いですが、実際に業務変革のボトルネックとなるのは「業務プロセス」と「組織・カルチャー」の壁です。業務プロセスが複雑なケースや、組織・カルチャーに関する施策を打つ必要があるケースにおいては、CSよりもハイタッチなコンサルティング支援が求められます。

弊社のDoryによる記事にもある通り、既存の業務プロセスを組み替えることなく、人がやっていたことをそのままAIで代替しようとすると多くのケースで失敗に終わります。AIがすべて完璧にやってくれるという期待をもっていると期待はずれに感じてしまうこともありますが、精度が100%に満たないという前提で業務プロセスを組み替えることで業務効率上の大きなメリットを享受することができます。

このような複雑な業務プロセスの設計は、実際に作業をしている人の気持ちや状況を理解し、適切なコミュニケーションをとる必要があり、人間が行うべき仕事であると考えられます。

業務全体を組み替えるのがAI活用のベストプラクティス

また、組織・カルチャー面ではAIと協働して業務を進める社員の「AIアレルギー」を取り除いてあげることで成功のカギです。全社員が抵抗感なく、AIを自然と利用するカルチャーを醸成するためには以下のような取り組みを進める必要があります。

  • AI活用のモメンタムを生み出すKPIとインセンティブの設定

  • 組織全体の熱量を高めるカルチャー施策

  • 熱量あるAI推進リーダーを呼び込む採用戦略・パートナー戦略

このように組織を動かす動力も、人間でなければ生み出すことは難しいでしょう。

上記のような背景を受け、AI領域に限らず、DXコンサルティングや受託開発をはじめとしたハイタッチな顧客折衝を伴うクライアントワークは日本国内で大きく普及しています。実際に国内のSIerやコンサルティングファームの躍進がそれを示唆しています。私の前職のアクセンチュアでは、私が在籍している間に社員数が数千人だったところから2万人規模に拡大しており、そのニーズの高さが伺えます。

実はこのようなコンサルティングなどのクライアントワークへの需要が高い状況は日本特有のものであると言われており、実際に海外では日本ほどの普及を見せていません。これは、前述した日本企業特有の組織構造や意思決定プロセス、さらには変革に対する慎重な姿勢が影響していると考えられます。日本企業は、外部の専門家による客観的な分析と提言を重視する傾向があり、それがコンサルティングなどのクライアントワークの需要を支えています。この大きな潮流は今後も続くと考えられ、既存のプレイヤーもこれまで以上の成長をしていくでしょう。

既存のクライアントワークにおける課題

「業務プロセスの壁」や「組織・カルチャーの壁」を突破するためにクライアントワークが重要であることがは明らかである一方で、従来のクライアントワークのやり方には課題も存在しています。コンサルタントやプロジェクトマネージャーなどの「人間」をインターフェースとした示唆出しや組織を動かすような提言には非常に価値がありますが、その一方で多くの作業に時間やコストがかかりすぎているのが現状です。

受託案件において作業に時間がかかっている例(データ分析プロジェクトの場合)

コンサルティングや受託開発の多くは人月ビジネスですが、作業のボリュームとリードタイムに対してクライアントがフィーを支払う構造になっており、高級な人材による作業が長期化すればその金額が高くなってしまいます。

この構造に加え、デジタル人材やAI人材の人数が国内で限られていることから、一部の大手企業でしかAI活用やDXの恩恵を受けにくい状況が生まれ、結果として日本全体でのデジタルトランスフォーメーションの普及が遅れてきました。

ではクライアントワークで発生する作業を大幅に効率化できたらどうでしょうか?

作業の圧縮が実現できれば、クライアントワークを行っている企業1社あたりで支援できる会社数も増え、人間をインタフェースとした個別の支援を受けられる会社の幅が広がります。これにより日本全体でのトランスフォーメーションが進むのではないかと我々は考えております。

新カンパニーで目指す、クライアントワークの新たな形

AI Transformation(AX)カンパニーでは、従来のコンサルティングや受託開発の枠を超えた、新しいクライアントワークの形を目指しています。これを私たちはネオクライアントワークと呼んでおります。

生成AI時代の到来により、時間が多くかかっていた作業のリードタイムを大幅に短縮できる可能性が生まれています。これにより従来のクライアントワークを大幅にできると考えています。

すでに既存のプレイヤーでも社内のプロセスを効率化するような取り組みを進めており、業界全体でも業務アップデートの方向に向かっています。

スタートアップならではの強み

すでに他社が同じような取り組みを進めている一方で、Algomaticには既存のプレイヤーにはない大きな強みがあります。それは、スタートアップならではの機動力と、AIを最大限に活用する本気度です。

Algomaticは創業1年3ヶ月で事業を6つ以上作っており、複数ドメインでのプロダクト開発の経験があります。また、新しい技術が出た際には全員でそれを触り業務に即座に適用しています。GPT-4oが出た際は当日にテックブログも発信しています。

既存の大手企業も社内のオペレーションの効率化に取り組んでいる一方で、社員数が多い分、労働集約的に解決できてしまう課題も多くあります。しかし、Algomaticは社員が少数であるスタートアップとして、初めからAIを最大限に活用することを前提に事業を組み立てています。これにより、従来のクライアントワークでは考えられないレベルの効率化を実現しています。

また、私たちはクライアントワークで発生する作業を効率化するための社内プロダクトを積極的に開発しています。これは単なる業務効率化ツールではなく、将来的に他社にも展開可能な事業の種となる可能性を秘めています。本記事では詳細な内容については触れませんが、非常にワクワクするプロダクトとなっています。

このように、エンジニアやコンサルタントの方々にとってはクライアントワークだけでなく、革新的なプロダクト開発にも携わることができます。

事業化も見据えたクライアントワーク

ただクライアントワークを進めるだけではなく、受託事業からの事業化も目指しています。受託事業を通じて得られる業界知見や顧客ニーズは、新たな事業アイデアの宝庫です。私たちは、クライアントワークを通じて発見したバーニングニーズを起点に、新規事業の立ち上げにも積極的に取り組んでいきます。

コンサルタントやエンジニアとしてのスキルを磨きながら、将来的には事業責任者としてのキャリアパスも描くこともできます。実際に、Algomaticの動画翻訳サービスは受託開発の取り組みから事業化に至っており、先日サービスのリリースを行っています。

2024年7月にリリースされたAlgomatic発のDMM動画翻訳サービス

新時代の事業を共につくる仲間を募集しています

AI Transformation(AX)カンパニーでは、新時代のクライアントワークの形を通じて、AIで企業の業務変革を実現するという大きな目標に向かっています。

本事業は立ち上がって約1ヶ月ですが、すでに大手企業を含むさまざまな企業の皆さまと一緒に複数の案件を進めています。生成AIを活用したいが、進め方を一緒に検討したいといったお客様や、課題は明確になっているが技術的な突破がしたいといったお客様まで案件の種類は幅広く、多岐にわたる経験を積むことができます。

AIコンサルティングと技術的なデリバリの両方を支援する体制を構築

また、Algomaticは生成AIに特化した複数の事業を展開しているため、現在は生成AIに関連した相談を多くいただいている状況です。特にAIエージェントの実装・導入や、エンタープライズ向けのAIワークフロー構築、マルチモーダルなデータ基盤構築といったテーマでの案件を多く進めており、そういった発信も多く行っています。詳しい内容はAlgomaticのテックブログ内の記事に記載しているのでぜひ興味がある方はご覧ください。

最後に
AIによる企業変革とネオクライアントワークの実現に向けて、立ち上げフェーズにおいてご活躍いただける仲間を絶賛募集中です!
・AIコンサルタント
・業務コンサルタント
・エンジニア(機械学習/LLM/アプリケーション)
・セールス/マーケター

少しでも共感いただいた方は下記のリンクから30秒でカジュアル面談が応募できますので、ぜひご連絡ください!

また、事業に関するお問い合わせがある方は以下までお願いします。


AI Transformation(AX)カンパニーの立ち上げ経緯についてはPodcastでもお聴きいただけます。ぜひ聴いてみてください

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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