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特別編:ジュニアマシンガレージ

こんにちは、低男産業です。

 今回の記事は低男産業note特別編ということで、ジュニアクラスで戦うトップレーサーの皆さん4名をご紹介させていただきたいと思います。どの選手も2020年6月現在で現役のジュニアレーサーですが、子供ならではの発想と大人顔負けの改造技術にて素晴らしい作品を作り上げています。ジュニアクラスで優勝を狙う方はもちろん、大人の方にも是非ご覧頂きたい記事です。

 それでは、4名のトップジュニアレーサーの戦績と作品についてご紹介していきます。ジュニアクラスとその他限定クラスの入賞以上の成績についてまとめました。補足としてジュニアクラスは以前は中学3年生以下は何歳でも出場可能でしたが、2014年より年齢制限が小学4年生~中学3年生に限定され、小学4年生以下向けにはファミリークラスが新設されました。


1.シュカ選手

 まずは俺マシ所属のシュカ選手の作品です。2015年にミニ四駆を始め、2016年のスプリングGPから公認競技会に参加しています。そして早くも翌年の2017年にはジャパンカップ2017 ジュニアクラスで日本一のビッグタイトルを手にしました。その後2019年まで3年連続でジャパンカップ チャンピオン決定戦に進出しており、今年の活躍も楽しみな選手です。

 シュカ選手はTV番組「おはスタ」への出演の経験もあり、ジュニアクラスの中でも特に有名な選手ですね。更にお父さんのよねさん選手もステーションチャンピオン決定戦2019で見事日本一に輝くなど、ご家族でも素晴らしい成績を収めています。よくイベントレポートでチームメイトや家族と楽しそうに写真撮影されている姿が印象的です。


 こちらの作品はシュカ選手がジャパンカップ2017 ジュニアクラスで日本一に輝いたアバンテMk.Ⅱと、ジュニアクラスジャパンカップ、そしてチャンピオンズキャップ日本一仕様です。公認競技会用の作品作りでは、「キレイに丁寧に」を心がけているとの事で、こちらの作品はその通り作られている事がよくわかります。更に公認競技会用の作品には紺色のMAシャーシを使うこだわりを持っています。一種類のシャーシにこだわる事でそのシャーシの特性を熟知し、うまく性能を引き出していますね。

 更にセッティングとしては、上下左右のローラーをうまく使い分ける事でチャンピオン決定戦でのダブルバウンシングストレート(プラス1)からの富士通ポップでの姿勢制御とその他セクションでの高速化を両立しています。その他も前後のスライドダンパー、マスダンパーの配置などのセッティングは基本に忠実に作られています。2017年の時点でATバンパーが採用されているのも時代を先取っていますね。


 シュカ選手は競技だけでなく、デザインに関しても非常に優れた才能をお持ちです。こちらはジャパンカップ30周年記念企画として開催されたミニ四駆デザインコンテストにて、ジュニア賞に輝いたLIGHTNING RODです。絵としての上手さもさることながら、ボディ形状の意匠や装飾などもよく考えられ、カラーリングも青系の色にまとめられていてかっこいいです。いい意味でミニ四駆らしさを感じさせない、近未来的なデザインだと思います。


戦績

ジュニアカップ2017トレッサ横浜大会 ジュニアクラス 3位
ジャパンカップ2017仙台大会 ジュニアクラス 優勝
ジャパンカップ2017 チャンピオン決定戦 ジュニアクラス 日本一

ジャパンカップ2018 東京大会3 ジュニアクラス 優勝

ミニ四駆デザインコンテスト ジュニア賞

ジャパンカップ2019 東京大会3 ジュニアクラス 優勝

ジャパンカップ2020 静岡サテライト大会 ジュニアクラス優勝
ジャパンカップ2020 静岡サテライト大会2 ジュニアクラス優勝

ジャパンカップ2021 仙台大会 ジュニアクラス優勝



2.セイヤ選手

 次にフジイレーシング(仮)所属のセイヤ選手のご紹介です。2013年からミニ四駆を始め、2014年のスプリングGPから公認競技会に参加しています。後の戦績紹介をご覧いただければわかりますが、セイヤ選手の特徴はなんといっても公認競技会の優勝決定戦での強さです。これまで進出した6度の優勝決定戦全てで優勝という圧倒的な記録を持っています。優勝決定戦に強いという事は、モーターやギヤ、電池などの駆動系に関する知識を豊富に持っているという事が伺えます。

 更にジャパンカップにも2015年から2017年までの3年連続でチャンピオン決定戦に進出しています。セイヤ選手の長年にわたる強さの秘訣は、やはりトレンドにあわせた作品製作力の高さにあると思います。下の作品を見ると分かるのですが、その年に合わせたセッティングやシャーシ選びなど、トレンドを逃さない観察力が非常に優れています。先ほどのシュカ選手とは異なるアプローチですが、このようなルートでの正解の導き方も一つの作戦ですね。

 こちらはジャパンカップ2016 掛川大会 ジュニアクラスで優勝したサンダーショットJr.です。前述の通り、当時のトレンドであるVSシャーシが使われています。タイヤも当時の主流であった径が使われ、スライドダンパーも直カーボンを用いた細めの仕上がりになっていますね。マスダンパーは多少多めのセッティングとなっていますが、その重量を引っ張るだけのトルクや、効きにくくなるブレーキの対策など、見ため以上に難しいセッティングを使いこなしてこなしています。

 そしてこちらはスプリングGP2019 掛川大会 ジュニアクラス優勝のサンダーショットMk.Ⅱです。現代のトレンドに合わせてMSシャーシが採用されています。大径ローラーなど公認競技会で有利とされるセッティングはそのまま生かし、マスダンパーの取り付け方などは最新の物を取り入れている事がわかります。スライドダンパーには2mm厚のカーボンを使いしなりを重視していますね。2016年の作品もそうですが、ホイールスタビを用いる事でコースフェンスに接触した際の衝撃を上手くいなしているのだと思います。


戦績

ジャパンカップ2015 愛知大会 ジュニアクラス 優勝

ジャパンカップ2016 掛川大会 ジュニアクラス 優勝

ニューイヤーGP2017 東京大会 ジュニアクラス 優勝
ジャパンカップ2017 静岡大会 ジュニアクラス 優勝

ニューイヤーGP2018 掛川大会 ジュニアクラス 優勝

スプリングGP2019 掛川大会 ジュニアクラス 優勝



3.ラム選手

 次にひとみレーシング所属のラム選手のご紹介です。2013年よりミニ四駆を始め現在もジュニアクラスの場で戦う、ジュニア選手ながら競技歴が長いベテランレーサーです。
 攻めの走りを得意とし、セッティングがハマった日は誰も寄せ付けず確実に勝ち切る走りが持ち味で、ジャパンカップ2013ジュニアクラス日本一を始め長年に渡り好成績を納めています。特に西日本での公認競技会に多く参加しており、愛媛大会や大阪大会などでの入賞が多数あります。室内外を問わず活躍しており、これはチャンピオンズやオープンクラスの選手でも見習いたい強さですね。

 ラム選手はご家族で全国各地のミニ四駆公認競技会に参加され、特にジャパンカップにとても力を入れられており、家族全員合わせてチャンピオン決定戦に11回出場されている超強豪一家でもあります。

 こちらの作品はラム選手がジャパンカップ2013 ジュニアクラスで日本一に輝いたエアロアバンテです。
 VSシャーシに前後スライドダンパーを使用していて2013年当時のトレンドが抑えられていますが、最大の特徴は低男ではなくサイドマスダンが採用されている事でしょう。ジャパンカップ2013チャンピオン決定戦のコース「スーパークライムサーキットFINALver.」ではヘルクライムの着地がクリヤーブリッジになり、地区大会よりも高速レイアウトに変更されたのですが、ラム選手はあえて低男よりもギミック性能を抑えたサイドマスダンのセッティングで高速レースに対応していました。

 こちらが2013年のジュニアクラスジャパンカップです。名盤に刻まれたミニ四駆全日本選手権の文字からオーラを感じます。先ほど紹介したシュカ選手のジャパンカップとは少しデザインが違っていますね。いつか年毎にジャパンカップを並べてみたいものです。

 余談ですがジャパンカップで日本一になった女性レーサーは第1回目のジャパンカップ1988から第20回のジャパンカップ2019までシュカ選手、ラム選手を含めて6人います。
 老若男女関係無く同じ土俵で競技をするのもミニ四駆の魅力の一つと言えますね。


戦績

ジャパンカップ2013福岡大会 ジュニアクラス 優勝
ジャパンカップ2013 チャンピオン決定戦 ジュニアクラス 日本一

ジャパンカップ2016大阪大会2 ジュニアクラス 優勝 

ニューイヤーGP2017 愛媛大会 ジュニアクラス 準優勝
スプリングGP2017 岡山大会 ジュニアクラス 3位 
スプリングGP2017 愛媛大会 ジュニアクラス 優勝 
ジャパンカップ2017 大阪大会 ジュニアクラス 3位 
ジャパンカップ2017 愛媛大会 ジュニアクラス 3位 
ジャパンカップ2017 福井大会 ジュニアクラス 3位

スプリングGP2018 大阪大会 ジュニアクラス 優勝 
スプリングGP2018 愛媛大会 ジュニアクラス 3位 
ジャパンカップ2018 熊本大会 ジュニアクラス 優勝

ニューイヤー2019GP 岡山大会 ジュニアクラス 優勝 
ジャパンカップ2019 熊本大会 ジュニアクラス 優勝



4.チサト選手

 最後にチサト選手をご紹介します。2014年からミニ四駆を始め、ジャパンカップ2014東京大会からファミリークラスにて公認競技会に参加しています。チサト選手といえばここ2〜3年のミニ四駆公認競技会における入賞回数が大人のレーサーを含めてもトップクラスに多い選手です。
 様々なコースレイアウトで結果を残していて、ジュニアクラスでも一発勝負の東京大会でも多数入賞している事からセッティングの感覚がとても優れている選手だとわかります。良いと思った改造は積極的に取り入れるよう心掛けているとの事で、様々なコースレイアウトで結果を残している秘訣がそこにあるのだと思います。イベントレポートを見ると分かりますが、その時の競技会に合わせ、作品を使い分けています。様々なセッティングの作品を使い分ける事は大人でも難しいですが、チサト選手は見事に使いこなしていますね。


 こちらの作品はチサト選手がジャパンカップ 2019チャンピオン決定戦ジュニアクラスで準優勝に輝いたマンタレイMk.Ⅱです。
 とても綺麗に作り込まれた作品で、細部の加工まで丁寧に行っている事が見て取れます。フロントにはデジタルゾーン用の壁ブレーキを左右に装備、リヤはスライドアンカーになっており、こちらは既製カーボンスラダンを上手く使っています。
 2019年のジャパンカップ公式コース「ミラクルバロンサーキット」ではキッカーフラップというセクションがありましたが、このセクションでは姿勢制御の為に重心の位置を調整することが求められました。
 チサト選手の作品は前輪のみアルミホイールを使用する事で重心を前よりにセットし、見事にキッカーフラップをクリアしていました。

 ジャパンカップ2019 チャンピオン決定戦では惜しくもファイナルヒートCOで準優勝でしたが、セミファイナルではバランシングストレート×2で作品が2回転するもコースに復帰する執念の走りで好タイムをマークし、会場を多いに盛り上げました。


戦績

スプリングGP2017 北海道大会 ジュニアクラス 準優勝
ジュニアクラスカップ2017トレッサ横浜大会 GTワンメイク 優勝
ジャパンカップ2017 東京大会3 ジュニアクラス 準優勝
ウインター2017 北海道大会 ジュニアクラス 優勝

ニューイヤーGP2018 掛川大会 ジュニアクラス 準優勝
ニューイヤーGP2018 東京大会 ジュニアクラス 優勝
スプリングGP2018 東京大会1 ジュニアクラス 準優勝
ジャパンカップ2018 新潟大会 ジュニアクラス 準優勝
ジャパンカップ2018 仙台大会 ジュニアクラス 3位

ジャパンカップ2019 新潟大会 ジュニアクラス 3位
ジャパンカップ2019 掛川大会 ジュニアクラス 優勝
ジャパンカップ2019 チャンピオン決定戦 ジュニアクラス 準優勝

ニューイヤーGP2020 仙台大会 ジュニアクラス 3位


 という事でライバルマシンガレージに続きジュニアマシンガレージという事で4名のトップジュニアレーサーの方々を紹介させていただきました。見ていただいたとおり、4名とも大人顔負けの作品やセッティング能力をお持ちでしたね。いまはまだジュニアクラスへの参加が主ですが、今後彼らが成長し、オープンクラス、そしてチャンピオンズになった時が非常に楽しみです。

 最後までお読みいただきありがとうございました。そして、写真の提供とご紹介に快くご協力いただいた4選手の方も本当にありがとうございました。これからも低男産業noteをよろしくお願いします。


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