元彼に告白した

私とまた付き合わない?

怖くて、好きだとは言えなかった。
まぁ今の関係のままでもいいけどさなんてすぐ保険をかけた。

本当は言うつもりはなかった。
ただ、1日デートして、なんだか前よりも私のこと、いいなと思ってるんじゃないの?って思っちゃった。
なんだか目線がいつもより優しかったんだ。いつもより女の子として気遣ってくれる感じがした。たまに触れた手が否定されていない感じがした。なんとなくね。
結婚の話をしていて、彼と結婚したら大変なことは多そうだけれど、私はこの人と結婚したいなと思った。彼のことを愛せたらいいのになとも思った。いや、私はあなたを愛する存在だよと自己開示できる立場になりたかった。

もしかしたらやっとスタートだったのかもしれない。友達としての優しさにやっと立てただけかもしれないね。それでも可能性を見出そうとしてしまったの。もしかしたら、私のこと女の子として見てくれてるんじゃないかってさ。

でもそれと同時に周辺の女の子が気になった。
彼が旅行に行っているとき、私には帰ってきたよの連絡しかなかった。休日にちょっとしたご飯だとかお出かけの写真なんて撮らないし、私そう言えば彼と1日出かけたのも久しぶりだし、一緒に撮った写真なんて1枚もないな。こうやって話せるようになってフランクに遊びに誘えるまで1年もかかったから。彼と付き合っていない時期に可愛いなんて言われたことあったかな？なんて考えて悲しくなった。
何か仕事で大変だった時の愚痴とかちょっとした話も2番目だった。彼は気になる人の2番目にしかなれないなんて話を聞いた気がするな。私も彼にとってきっとずっと誰かの2番目。

だから焦ってしまった。
前のように、急に彼の意思で他のところへ行っていなくなるくらいだったら、私の気持ちを伝えたあとにいなくなって欲しかった。何もできないのは嫌だったから。

解散までの帰り道。
人が多い公園を突っ切っている中
「ねぇ、私とまた付き合わない?」と言った。

その前にお洋服の話をしていて、こっちの方がいいかな?って見せてきたのがかっこよくて、なんとなく今だと思った。
すぐ重く言ってしまうから、しんみりとさせるより、フランクに言った方がいいかなと思った。
よく晴れた日の春のような心地よい天気だった。都内でも大きな公園だから人混みでざわざわしていて、会話の内容がすれ違う人に聞かれるか聞かれていないかわからないくらいだった。駅に向かうのに歩いている途中で彼の腕を組みながら言った。私は彼のことはまっすぐ見れなかったけれど、彼も私を見ることはなかったし、驚きというより何かをわかっているようだった。

彼は、考えさせてとだけ。
私がなんとなく好意があるのはわかっていただろうし。

私は好きと言いたかったけれど言えなかった。
付き合わない?とは言ってしまったくせに今の関係も手放したくなくて、手放す勇気はなくて、はっきりとは言えなかった。自分に可能性があるかだけ知りたかったのだと思う。

その後、なんか重く考えて欲しくなくて、べらべらと口が動いた。
本当は私のことちゃんと考えて欲しいし、好きだと伝えたかった。
でもそれ以上にまた彼に避けられるのが怖かった。

今の関係でもいいけどなんて言ったり、ネックだと言っていた性欲は今同じくらいだからちょうどいいと思うよ、なんて言ったり。

この1年、忘れた日なんてなかった。今何しているのかな、どんな日だったのかな、今日も楽しかったかな?私の2番目に幸せだといいな、なんて思っていた。
ときに、執着が薄れて私が彼のことはもういいかなって思って適当だった時期もあったし、好きだけれど興味のないふりをしたときもあった。そのツケが今来たのかもしれないね。そりゃ扱い方も他の子と比べてしまってはダメだなと思った。

やっぱり今じゃなかったかなと思った。
「次は前より仲良くやっていけると思うよ」
「それはそう」
「結婚するなら私とってもいいと思うけどな。でももうさ、ほぼ無理なら無理って言っていいんだけどね」
「それすぐ言わないほうがいいんじゃないの?」
「だってそうでしょう？」
「いやそういうわけでもない、ちょっと考えるよ」

変に優しいところは変わってないみたい。

私は彼に好きだと伝えたかった。
あなたを愛する存在だと伝えたかった。

この1年彼を想っていたし、何度も泣いて辛いことの方が多かったから、精算しようと思った。
好きでいるのも疲れたね、おつかれさま。