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山口ペイトリオッツ 挑戦の軌跡 #20

今節の山口の対戦相手はベルテックス静岡。ホームでの対戦では2戦ともに力の差を見せつけられた。静岡は未だ9敗と安定した強さで上位につけているチームである。前回対戦からどれだけ際どい勝負に持ち込むことができるのか、成長が試される2連戦となるだろう。


GAME1
静岡101-71山口
(19-13,22-22,29-25,31-11)

山口のスターティング5はいつもと同じ5名。静岡は3.岡田、13東、18.飛田、25.ダマ、23.ステファンというメンバーとなった。序盤は山口が走る展開。12.サンプソンのステップバックスリーも決まり、1-7という出だしとなった。ただ、25.ダマのオフェンスリバウンドで繋ぎながら、静岡がリズムを作っていった。静岡はその25.ダマが1Qだけで9得点とチームを引っ張る活躍。終盤はフリースローで着実に得点を重ね、19-13と6点のリードを奪った。

2Qも立ち上がりは山口がリズムを掴んだ。静岡の攻→守のトランジションが少し遅れたところをつき、アーリーオフェンスで追い上げを見せた。7.エヴァンスのミドルショットで21-22と逆転すると12.サンプソンのゴール下へのアタックで21-24とした。しかし、静岡もここからトランジションで山口を上回り始め、再びリードを奪っていった。23-24から連続スリーで再逆転を果たすと、多彩なオフェンスパターンで得点を重ねた。山口は次第にスリーポイントが入るかどうかというオフェンスになっていた印象で、11.山口が2本、0.山田が1本決めたことで何とかついていき、2Qは22-22とイーブン。41-35のスコアで後半へと向かっていった。


3Qは互いに小さく流れを掴み合う展開となった。入りは静岡が25.ダマの強さを中心に得点を挙げ9点差まで広げたが、0.山田の爆発で山口が同点に追いつく。3連続スリーポイントシュートで50-50と同点になった。そこからは一進一退の攻防となった。しかし、中盤から終盤にかけての時間で静岡のフリースロー明けのオールコートゾーンディフェンスが火を吹いた。ゾーンディフェンスから2回のスティールを奪いイージーシュートを決め、さらにディフェンスリバウンドから速攻も飛び出し一気に点差をつけていった。終盤に6-0のランと7-0のランを作り点差を10点に広げた静岡が優位に立って最終クウォーターへ突入した。

4Qは序盤で静岡がディフェンスリバウンドからの速攻と25.ダマのオフェンスリバウンドからの得点で一気に20点差をつけ勝負を決めた。最後はややオープンな展開となり、静岡が100点ゲームで快勝を収めた。

この試合で印象に残ったのは静岡の畳み掛け方である。ここという時の襲いかかるようなディフェンスは強烈であったし、チームとしての意思統一、流れを読む力が高いレベルにあるチームであると感じた。その中で7.エールセネルがチームに勢いを与えていた。山口で言うと0.山田や64.井手のようにスピードを落とさず一気にリングをアタックすることによって、山口を困らせるだけではなく自チームに勢いとリズムをもたらしていた。3Q残り1分30秒あたりでは4点差しかなかったのが4Qが3分ほど経過したあたりで20点差になっていたのだが、コートには7.エールセネルがいて彼のリングアタックが随所に光っていた。

また7.エールセネルとは違うタイプのガードとして印象に残ったのが37.吉田である。彼はセットオフェンスから周りを観察して味方をうまく使える選手であると思った。7.エールセネルがいなくなってオープンな時間帯ということもあったのかもしれないが、静岡がまた違うリズムでオフェンスを組み立てていた中心には37.吉田のゲームコントロールがあったように思う。

ベンチメンバーにも多様な人材がいてコートの中でスペシャルな働きが期待できる静岡の層の厚さと成熟度を感じたGAME1となった。


GAME2 
静岡102-79山口
(22-11,19-19,25-23,36-26)

GAME2の1Qは3.岡田のゲームコントロールから静岡がリードを奪う展開となった。ビックマンと3.岡田のツーメンゲームから23.ステファンがスリーポイント、25.ダマがミドルショットを決めて7-0のランで試合に入った。山口は速い展開からのリング下へのアタックで0-6のランをやり返して7-6という出だしだった。これ以降は静岡のリズムで試合が進み、2Qのオフィシャルタイムアウト明けぐらいまでその流れが続いた。この試合も静岡ガード陣のプレーは印象的で、1Qの岡田の働きや2Q出だしの37.吉田の6得点とアシストは見事だった。

最大20点差にまで広がる時間があり、この試合も厳しい展開になってしまったが、山口も粘りを見せてくれた。2Qの終盤にかけて、持ち前の速いバスケットで静岡に襲いかかることに成功した。12.サンプソンのスティールから64.井手や11.山口が走って3点プレーが生まれるなど、0-11のランで10点差まで詰めたのは後半に向けて大きな希望となったと言えよう。前半終わって41-30と静岡がリードを奪った。


後半も随所に静岡の良いプレーが目立った。3Qでは中盤の時間帯に7.エールセネルが見せた連続スリーだろうか。山口の選手が近い距離でマッチアップしているにも関わらず、簡単に決めてしまう姿は理不尽という他なかった。それでも3Qは山口も突き放されずついていくことができていた。0.山田が得点にアシストに大車輪の活躍を見せ、チームを引っ張っていた。

4Qも全体的な流れは変わらず山口が何とかついていくという展開。静岡は前日に引き続き37.吉田のプレーが印象的だった。ピックを使ってからの正確なジャンプシュートとフリーな選手を見つける目が素晴らしく山口ディフェンスを混乱させた。オフィシャルタイムアウト明けも10点強の差で推移していたが、終わってみれば102-79の大差がつき静岡が2日続けての100点ゲームで強さを見せつけた。

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