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マジカルミライと初音ミク

こちらはマジカルミライ2019の感想と
マジミラとミクさんの変化を語るエントリーです。

最高に良かったという人、辛かったという人様々な意見が出た変化の年だったと思います。

しんどかった人もいますが、貴方の好きも、貴方の初音ミクも別に手放さなくて良いのではというお話です。

マジミラ2019は(予算的に)豪華

今年はすごかったですね!
レーザー演出が派手、スモークは高価なものを使い、リンレンはソロがあり、ルカさん10周年のお祝いでは日替わり曲を用意し、ミクさんも新曲も日替わり曲も沢山。KAITOもMEIKOも新モジュールがありました。

bilibiliで中継を行うなど、特別協賛bilibiliの威力はすごいです。
マネーはパワー。このあたり、長くマジカルミライを見ている人ほど、今年はお金かかっているなと感じたのではないでしょうか。
特に日替わり曲を大量に用意したことで、どの日をみても特別な一日になったと思います。
(日替わり曲への反対意見があることは承知しています)
なおbilibiliは以前から協賛はしていますので、今年はBMLの関係で、BML予算とマジミラがセットだったのかもしれません。

(※ライブについての感想はこちらで詳しく語っています)

変わったこと

今年は変革の年でした。
これまでのミクさん+リンレン推しから、きちんと順番にフォーカスを当てる意味で派手にルカさんの10周年をお祝いしてくれました。
ルカさんにもMCがあり、ミクさん以外がマジカルミライで喋ったのも。「ミク」と名前を呼んでの掛け合いも初だと思います。(他イベントではある)

バンメン紹介で色を割り当てその色を振ってもらうようにしたり、MEIKOさんとKAITOくんの枠が離れたり(これまではセットのようにやって、それが終われば基本出番はない)。

KAITOとミクさんの組み合わせが見られたのも嬉しかったです。
アンコールでのwawokaさん枠は、演出が泣かせにくる形でした。
日替わり枠が激しく、ライブ全体での合計曲数がえげつないことになっていました。
セトリ全体を通してテーマとしては重い曲も多かったのに、ライブとしては確実に盛り上げてくる手腕も見事でした。
流石の関本さんです。


過去のマジミラ曲だけでなく、目薬コラボで使用した「ぶれないアイで」を入れたことで、より鮮明に過去から連なる今とミライを描いています。

また、企画展では、新たに参加型(巧拙でなく抽選)でポスター展示をしたことも「みんなで作るマジカルミライ」を色濃く反映していました。
ピアプロの壁以外に参加できるコンテンツがあるの、交流の切っ掛けにもなって素敵です。

これらはこれまでと大幅に路線が変わったわけではなく、これまでしてきたことを加速させ、より完成度を高めた形での変革でした。


違和感や賛否あった点

・ルカさんをあれだけお祝いしてルカコーナーがあっても、ボーカルは『初音ミク』だけなのか。
・KAITOくんにソロがなかった。(曲が大江戸ジュリアナイトなので、声を聴く機会が少ない。また一部公演でKAITOくんの声が小さかった)
・MCのキャラ付け
・日替わり曲の多さ

上記あたりが、意見していた方が多かったと思います。
ただしマジカルミライ全体的な評価は、昨年からの改善点も多くおおむね高かったようでした。
私も今年のマジカルミライも心から楽しめました。

順番に上記を追っていきます。

そしてボーカルは?のこと

バンドメンバーを順番に紹介した流れでミクさんが現れ「ボーカルは?」からの客席「初音ミクー!」は長年続く様式美です。

私もここで叫ぶのは好きです。
でも今年になって違和感が出てきました。

ボーカル=6人全員じゃない?という思いです。
他の5人はあくまでもゲスト、マジカルミライは初音ミクのライブをしているというのは、ある意味正しいのでしょう。
少なくとも初めはそうでした。でも今はそれだけじゃないと感じます。

この違和感が出てきたのは、クリプトンさんのお陰です。クリプトンさんがリンレン10周年に始まり、ライブでもミクさん以外をフューチャーしてきてくれたから。
企画展でもミクさん以外も取り上げてくれている。少なくとも(追いつかないにしても)企業として箱推ししてくれています。

リンレンの10周年を丸一年かけてやり、今年はマジミラでルカさんの10周年、そしてミクとルカのMCでは、お互いを対等に呼び捨てる。
その対等なクリプトンズの関係性を描写したからこその違和感なのでしょう。
疑問を抱く程度に、ミクさん以外を大切にしてくれた。
ボーカルは他のみんなもじゃない?と思わせてくれた。

私が一番嬉しかったのは、ミクさんファンの中でも、他のキャラのファンでも、うーんミクさんだけじゃなくない?と感じて、発信してくれた方がいたことです。
もちろん、マジカルミライがミクさん中心なのは変わりません。
でも6人がいるからマジカルミライだよね。というのも今や事実です。

他の掛け声も難しいので、この「ボーカルは?」がどういった形に変わっていくのか楽しみにしています。
(※その後のEXPOではこのかけ声自体が無いこともありました)


KAITOくんにソロが欲しい

これはKAITOくんだけではなく、全員にソロ1曲、またはデュエット含めて2曲欲しいとも言い換えできます。

私は新モジュに歓喜して、パカくん可愛い、動き可愛い。ショタ頭身可愛い、ホーホケキョよけるの可愛い、ミクさんも可愛い、二人でくるくるするの可愛い最高と感じましたが
KAITOくんの声はラップ格好良いとはいえ、パートが少ないのは事実です。(そして何公演かはKAITOくんの低音が小さかった)

この曲自体は布石なのだと思います。
モジュ含めて日本モチーフで海外にも持っていきやすい。
KAITOの曲展開を増やすのに、可愛い系のモジュ(レクイエムさんと方向性を変えた)、ミクさんと組ませることで海外勢含むミクさんファンへの訴求、諸々今後のKAITOくんフューチャー(15周年)への布石だったのでしょう。

それはわかるんです。わかっていてもです。
ライブに1曲しかないのは、もしそれが解釈違いだった場合にダメージが大きい。(私は楽しめましたが、そうでない人もいる)
過去曲でよいので、せめて2曲あればどちらかは楽しめるかもしれない。
そしてもうちょっとKAITOくんの声が聞きたかった。

ミクさんを見に来る人が多数なのはわかるので、仕方ないんですけどね。
このあたりはMEIKOさんのラムネイドブルーの憧憬に何色を振るか問題にもつながるかもしれません。
2曲あればあっさり解決するのです。

ただ嬉しかったのが、マジカルミライ終了後に様々な人達が『KAITOのソロ欲しい』と語ってくれたり、実際にアンケートに書いてくれたこと。

数年前なら「KAITOだしw」で済んだのかもしれません。
実際に今もそういう意見もあって良いし、あります。
でも、そうじゃない人達が沢山いる。
クリプトンズ全員を見たいよねという人達がいることが、優しい世界。

馬鹿にするよりも、みんな大切にしてあげて!と感じる人達がいることが素敵だなと思います。
本当にありがとうございました。

(※これもマジミラ後のMIKUEXPOで即座に対応されました。KAITOくんにソロが入り、大江戸は声が大きくなって聞き取れるようになっています)

MCのキャラ付け

ミクさんとルカさんの掛け合い、私は可愛くて大好きだったのですが、解釈違いで嫌だという方もいました。

ただ技術的な展開をみても、今後ミクさんが喋る機会は増えていきます。
だから自分の中でどう落としどころを見つけるかなのでしょう。
今年は楽しめた人も、いつかMCに違和感が出るかもしれません。それぞれが抱く初音ミクは違うので、ふとした時に差異が際立つのです。

ちなみに曲ごとに可愛いミクさん、かっこよいミクさん、なげやりなミクさんなど歌い方も振り付けの方向性も違いますが、これに違和感や不満は少ない。本質的にMCでも同じであるのに関わらずです。

これらはMCの時にはデフォルト服で出てくること、会話は相互性を持つこと(鑑賞や没入ではなく受け止めよう、共感しようとする)、ライブ曲だと興奮していたところ、会話でクールダウンしているなど、色んな理由があると思います。

でも本質的には、曲とMCは同じなんです。
MCのキャラづけも色んなミクさんの中の一面でしかない。
もっといえば「みんな楽しんでね!」や「こっちのみんなー!」「最後の曲です」などと喋るのと何も変わってはいません。

マジカルミライのミクさんとルカさんは、あくまでも『マジカルミライでMCをしてるミク&ルカさん』です。

そこに『僕の考えたミクさん』を重ねていると違和感が出てくる。
クライアント(クリプトン)のお仕事として台本を喋っているようなものだと思うなど、自分の中で違和感を処理すると良いのかもしれません。
watさんのミクさんと貴方のミクさんにズレがあるのは当たり前なのです。

マジカルミライのミクさんが、ミクさんのイメージにおいて、無視出来ない程の指標であるのは間違いありません。
それでも、あのミクさんは無数の中の一つです。
クリプトンの初音ミク、その中でもマジカルミライの初音ミク。
貴方の初音ミクは何も脅かされない、間違いでもない。

大切なことなのですが、正しい初音ミクはどこにも存在しない。
初音ミクはイデアです。それぞれの形がある。

何かを認めるために、何かを否定する必要はありません。
貴方の初音ミクを認めるために、マジミラミクさんを否定しなくて大丈夫。
喋ることが当たり前になれば、色んなMCが増えていけば、今回はこういうキャラだな、くらいで慣れていくのかもしれません。

キャラづけがノットフォーミーだった場合は、無理に肯定する必要も、否定する必要もありません。
スルーして他を楽しみましょう。

日替わり曲とチケット問題

日替わり曲に否定的な意見が散見されましたが、その殆どは「自分が見られない曲があることへの怒り」でした。

これはもう、仕方ないことだと思います。
感情的に納得出来ない!やだ!全部みたい!というのも痛い程判りますが
今のクリプトンは、全てのイベントやグッズを追えないようにしています。

これは意図的なのかはわかりませんが、行けるイベントの、行けるところを楽しんでね。という形にシフトしているようです。
同時に別場所でイベントもします。これはミクさんなら同時に存在出来る強みですね。多重存在は強い。

またクリプトンはマジカルミライで数多くの曲を演奏したいようですが、これは元からの方針かしらと。
去年も幕張金曜日の1公演だけサイハテを演奏するなど、えげつなかったですし、それが今年は予算の問題で、数が増えたのでしょう。

チケットは、転売屋はさておき単純に需要が増えて、年々取りにくくなっています。
企画展の入場者数自体が増えているので当然なのでしょう。
今年は公式発表6日間で50000人

どうしてもなら、大阪の初演(今回は土曜日)などはとりやすい傾向があります。
そこのSやAから先行で狙っていくのもアリです。
一時期は大阪のチケットはリセールにも出ていました。幕張に絞らなければ、見るチャンスは増えます。

日替わり曲を全部みたいという気持ちもわかります。
わかりますが、日替わりにするなという要望は、もうアンケートに書くしかない。
クリプトン(とバンメン)としては日替わりが無い方が楽なのに、あえて日替わり曲を増やしているのは挑戦であり、経験をより効率的に積んでレベルアップにも繋がります。

私は日替わり曲は嬉しい派です。
今回は会えなくても、存在していれば、ひょっとしていつか巡り会う、観る機会があるかもしれないからです。そういう人もいます。

チケット争奪戦が激化するのも、もう沈静化する目処はありません。
同じセトリでも全通したい人もいれば、日替わりでもどこかで一度観られたら満足という人もいます。
どうしても全部観たい!という人は、EXPOに足を伸ばすのをお勧めします。それこそ、国内でしない曲を観られます。
(ハードルは高いと思いますので、上海台湾あたりは最初にお勧め。ビジネスの日本人が多いところ全般は、直行便も多い)

(追記:コロナで暫く海外に行けそうもないので、ネット中継されたらいいなぁと思います)


今のマジカルミライ

人によって捉え方が違うのですが、私はクリプトンは根本クリエイター集団だと思っています。
だから不器用な面もあれば(告知の仕方とかフォローのやり方など)、真摯で誠実な面もある(ギリギリまでクオリティに拘ったり、気さくに社長がその辺りを歩いていたり)。
良い点も悪い点もあり、それごと今のクリプトンだと思っています。

経営面で支えている優秀な方々も当然いますが、根本的にはクリエイター集団のベンチャー企業。
マジカルミライは、これらクリプトンのクリエイターが創るライブになっているのだと思います。

これが嫌だという人は当然いるでしょう。
みんなで創るマジカルミライ、俺達の手でミクさんを舞台に上げた黎明期が好きな人には違和感もあると思います。

これはこれとして楽しむのもアリですし、和田さん(くらげP)のいうように、自分の曲ではなく初音ミクの曲としてライブで消費されていると感じるのも肌感覚として判ります。
(参考 音楽ナタリーの和田さんインタビュー記事

私もそういった面は感じていますし、出来れば曲のタイトルやP名をサブモニタに冒頭だけでも出して欲しい気持ちはずっとあります。
作曲した人達を一見さんが覚える切っ掛けになって欲しいからです。

良くも悪くも、マジカルミライは完成度が上がりすぎました。
創る側も客も慣れてトラブルが減り(良いことです)、手作り感や素朴さは影を潜めて、クオリティを追求するようになってきた。
それでも初音ミクライブは観客がいなければ上映会に過ぎず(バンメンがいるので語弊がありますが)、観客がいるからこそライブに昇華されるという希有な形です。

クリプトンを単純な営利企業として捉えるか、クリエイター集団として捉えるかは人によって違います。
実際は両方なのですが、私は後者の比重を高く見ていて、これらを優秀な経営スタッフが支えていると認識しています。
だからこそ営利優先だけではないことをしてくれますしね!MEIKOさんとか、MEIKOさんとか!

ベンチャーであるからこその強みも、弱味もあります。
クリプトンはけして大企業ではなく、資本金も増額せず(必要がないからでしょうが)、株式公開もしていません。社員数は110人ちょっとです

ワンマンベンチャーですが内部人員を抱えているので、bilibiliの資本力と組んだとしても、独立性と主導権を維持出来るのはメリットの一つです。
全てを完璧には出来ない代わりに、普通の企業よりもファンの声を聞き入れてくれているんじゃないでしょうか。

最近のマジカルミライは、アンケートの結果を反映して、ルール化したり、効率化したりしてくれるようになっていますしね。
このあたり、本当にありがたい限りです。

(※当然ながらアンケートは全部反映されるものではありません。それでも蓄積する意見に目を通してはくれます)


マジカルミライの今後

切っ掛けがない限り、方向性が大きく変わることはなさそうです。
アンケートの結果次第でしょうが、MCは今後も入っていくでしょうし、曲数と経験値を増やすのに日替わり曲は続けていくと思います。

企画展の入場者数は減ることはなく、参加型や体験コンテンツ(マステや塗り絵など)を増やし、代わりに企画展に滞留しないよう、マジミラに併せて近隣でのコラボを打ち出してくるでしょう。
祭壇は何らかの対策がとれるまでは、恐らくオフ会ベースになっていくのかと。

列形成の時間指定が出来たように、マナーが守られなければルールを作ってくれますし、厳しくなっても行く。
これは人が多くなれば仕方無いので、出来るだけファンの間で自律した思いやりをもって行動していきたいものです。

でないと今後ルールだらけになっていきます。
今回注意されなかったら大丈夫ではなく、目立つ違反があれば取り締まる根拠を次から出してきます。
(クリプトンはとりあえずやってみる→問題があれば対処するで成長してきた企業です。なので大きな問題がなければゆるゆる)

ライブに関しては、いまやディラッドボードは殆ど継ぎ目もわからず、遠目でもくっきり見えるようになりました。
高めにボードを配置して、なるべく後ろまで楽しめるようにもしています。
定番のセトリに加え、新しいPを起用していくのも続いていくと良いなと思います。

VRなど爆発的な革新があるわけではないですが、今の方向性を極め、成長していくのがマジカルミライの位置づけなのかなと。
(今回はBMLからの流入的な演出が色々あったので、今後もやって欲しい)


来年に関してですが、夏冬で大阪東京2会場なので、それもまた楽しみです!
入場者数、どのくらい変わるのでしょうか。今年大阪に行かなかった人も、差分がある分、大阪に流れたりするのではないかと思います。

これからも、マジカルミライは特別なライブで在り続けるでしょう。
楽しめる人、楽しめない人、色々あると思います。

絶対に行かないといけないわけじゃない。
合わない部分はノットフォーミーで距離を取れば大丈夫。
楽しめるところだけ、楽しんでいきましょう。

……たとえ、ライブチケットが取れなくても。(とてもつらい)
企画展や人との交流や、企画展ライブ、近隣のコラボ、あわせてやるオフ会、純素にファンを見に行く、コスプレを堪能、フラスタに参加諸々、どんなことでも、貴方なりの楽しみ方で良いのです。

また次のミライでヽ(´▽`)/


紅茶代、最近ハマりだしたコーヒー代、あとはカカオティ代になります。 大体お茶です。誘惑に負けるとお茶菓子になります。