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なんとかガストロノミーのお店に行ってきた

お店:セララバアド (https://www.celaravird.com/)

ガストロノミー:料理という言葉が食材を調理する方法を指すのに対し、料理を中心として芸術、歴史、科学、社会学などさまざまな文化的要素を考える総合的な学問。文化と料理の関係を考察すること。美食学や美味学などと訳され、生理的のみならず精神的にも意義を持つ食の営みを研究し、おいしさを作り出す技術を、理論で裏付ける。(コトバンクより)

経緯:

ダ・ヴィンチ・恐山さんが『謎の料理を食べて味覚に革新が起こった話』というタイトルで配信をした(リンク:https://youtu.be/ITWpSDRG6IQ)。
この内容が面白かったので、即座に「私も分子ガストロノミーしたい!」と思ったのが最初。(セララバアドさんは正確には分子ガストロノミー料理ではなく、その流れを汲んだ料理を提供している。モダンガストロノミーとかなんとか)

しかし一人で行くのは心もとないし、料理を食べてその場で誰にも共有できないのは寂しい。どうしようかと思っていたら、大学時代の先輩から誘いがあり、そして偶然キャンセルで予約枠が空いた都合で行けることとなった。

以下、料理の一部(全部ではない)のレポート

ストーリー:
このコース料理にはストーリーがある。それは「セララバアドの旅」というタイトルの小さな冊子という形で客の席に置かれている。(内容は省略する)

お品書きではない、お品書きは後程出てくる。


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枝ハム:

枝部分を食べる前に「ごぼうっぽいものだろう」と味を予想。実際食べてみると、そもそも味が理解できなかった。

某記事や配信では「口の中が大きくなる」と表現されていたが、私は「自分の味覚感覚のレベルが足りてない」と感じた。

それでも何かわからなければ、と思って味わうとほのかに知っている海苔っぽさを掴むことができた。けど多分海苔じゃない。

全体の雰囲気は夏のお爺ちゃんの家みたいな味で、言語化が上手い人は言語化が上手いんだろうなと思った。

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石と花:

これは配信で聞いていたので、なんとか動揺せずに済んだ。何の情報も無くこれが出てきたらとても困惑すると思う。

可食部はオレンジと黄色の花で、茎?部分を一部ちぎって蜜を吸う。

私はちぎる箇所を間違えて蜜を吸うのに失敗した。もし行くことがあればなぜ失敗したのか考えてほしい。

石は食べられない。食べられないが、鑑賞するだけのものではなく匂いを楽しむものとして提供される。表面にゲオスミンという香料が塗布されていて、これが雨が降った後の地面の匂いを発する。

夏の雨上がり、地面から立ち上るあの匂いを嗅いで夏を思い出すという趣旨だ。嗅いでみると、確かに雨っぽい匂いがした。(ただ、想像していた田舎の雨ではなくてもっと上品な雨だった。高級住宅街の雨だと思う、住んだこと無いからわからないけど)

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ガスパチョ:

これは雨が降る水面をイメージした料理。ガスパチョに何かをしてこの状態になっているらしいが、説明が脳に刻まれずに揮発していて覚えていない。

トマトベースのスープの味がするのと、他の料理にも共通している「特有の香り」がする。この香りがなんとも表現しにくく、私はずっと緑色の香りといっていたが、自分でも意味不明だ。

乗っている花は前段で蜜を吸った花の花弁だ。自分でちぎって乗せる。

いくつ乗せたらいいかわからないので全部ちぎって全部乗せた。

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桃とチーズとオリーブオイル:

左上にあるのがラベンダーで、このラベンダーの香りを楽しみながら本体の桃とチーズを食べる。

カプレーゼとかと同じ系統の組み合わせで、フレッシュなチーズとオリーブオイルが桃の甘さと合わさって美味しい。上に乗っているレモングラスも一緒に食べると爽やかな気分になった。

そんなことよりも器が凄い。どうやって用意したのかも気になるし、どうやってこの発想に至ったのかも気になる。
こういう器はオーダーして作ってもらうのか、意外と売ってるものなのか、どっちなんだろう。

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夏の渓流:

緑茶のような味を想像するが、実際はフルーツジュースだ。

ただ、フルーツの味の後に強めの青っぽい風味と苦みがある。ホップが入っているらしく、その苦みだ。

飲むと確かに夏っぽい。けどこれはなんだろう、という不思議な飲み物で
コース内でいくつも出てきた飲み物の中でも一番印象に残った。

けど何のフルーツが入っているのか説明をちゃんと聞いていなくて忘れてしまった。

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揚げ川魚とキウイときゅうりのソース:

店主が「キウイときうりのソースで…」と説明したので、急にリリックを刻んできた?と思った。

コースで出てきた料理の中でも一番ストレートに美味しかった。

キウイときゅうりのソースにプラスして、魚醤で味付けされている。飲み会でこれが沢山出てきたら滅茶苦茶にテンションが上がると思ったが、見た目の風情が完全になくなってしまうだろう。

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海辺:

「右上の巻貝を手に取って耳に当ててください、海の音が聞こえます」
私は手に取って耳に当てた。想像よりもしっかり海の音が聞こえてくる。

この中で食べられないものは右下の石、左上の貝、右上の巻貝、真ん中の貝殻。それ以外の砂や海藻は全部食べることが出来る(箱の中のものは除外する)

この画像真ん中にある貝が想像を超えて美味しい。海の美味しさを凝縮したぜ!という風格を感じた。
全体的に海をイメージしているだけあって、食べると磯の風味がある。

左上の貝の上に乗る黒いものだけが異質で、食べると中からカレー味が出てくる。カレー味と説明を受けていたが、思ったよりもカレーでウケた。

また、この箱を開けるとガラス瓶が入っている。ガラス瓶にはひもで巻かれた紙が入っていて、よく創作物で見る海岸に打ち上げられた瓶詰の手紙のような状態になっている。

これがお品書きとなっていて、ここまでに出た料理とこれから出る料理がずらっと並んでいる。(しわくちゃになっているのは海のせいです)

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お品書きになっているのだが、半分以上が何の料理なのかわからない。つまりこれを見てもどんな料理が来るのかわからない。フレーバーテキストだ。

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ラベンダー、蛍、木漏れ日:

カブトムシを育てている虫かごの中身ではない。

ラベンダーのマカロンと、柑橘系のフルーツの琥珀糖、蛍だ。

ラベンダーのマカロンはマカロンなので甘い。そしてラベンダーの香りも当然する。結構ラベンダーの香りがするので混乱する。
同席していた先輩曰く「北海道の富良野の味がする」とのこと。ラベンダー畑の味ってコト?

琥珀糖の方は爽やかな柑橘系の味と甘みが合わさってかなり夏だった。適当な高校生に青春の味といって食べさせればおそらく納得するだろう。

蛍は表面が膜で覆われたジュースで、プチプチ食感の何かが入っている。これも美味しいし、口に入れた時の弾ける感覚がとても楽しい。毎日食べてもいいか?

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            蛍を下から写した図

余談:

店主さんに「どちらからウチの店を知られましたか?」と聞かれ、最初ぼかそうかとおもったが結局正直に「実はオモコロの…」と話した。

同じような流れで来る若い客が多いらしく、私と同伴者の風貌から何かを察しとったのだろうと思った。

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総合的な感想としては「行ってよかった」。
値段は決して安くはないが、提供されるサービスを考えると妥当な価格だと思う。料理について話すことが多いので、デートに使うのもかなりありではないかと思う。

季節によって提供している料理の内容が違うため、完全に初見で行きたかったのに!という人は夏以外の時期に予約して行ってみてはどうだろうか。

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