エヴァ:||ネタバレ感想

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||を見てきたので感想。

※ネタバレ有りなので注意(この行間埋めるのどこまで伸ばしたらいいのかわからない)










------------------------------------------------

他の人の感想を見てない状態かつ、Q自体を見たのが昨日なので知識も全然なく間違ってるところが多いであろうことを先に書いておきます。

■まず全体の感想:

映像のクオリティが凄い。Qも凄いと思ったけど、それ以上に綺麗なシーンが多かった。アンチLシステム?でコア化した地表を戻すところで冒頭視聴者を引き込むの好き。後半の高密度な戦闘シーンも目が追い付かないくらいだった。

映像表現で独特だと思ったのは終盤のマイナス宇宙でのゲンドウとのシーン。作り物っぽさのある3DCGで戦闘が始まった時にちょっと「急にどうした?」と思ったが、空の背景幕やミサト家のハリボテが出た所で

虚構であることの協調、記憶を元にした仮想的な世界であることの表現なのかなと意図がなんとなく伝わったので安心した(流石にここにきて手を抜くなんてないだろうと思ったけど、万が一あるかもしれないと不安になった)

最終的にすべてのエヴァが消えて、エヴァのない世界の描写になる時に実写の映像になったのは結構好みでエヴァの呪縛から解放されたんだろうという実感があった。

私は各キャラクターのカップリング的組み合わせにそこまで熱のある方ではないけど、意外な組み合わせが多かったと感じた。その辺り熱のある方々はどう思ったのか気になる(Qを見た時点でシンジとアスカがくっつくとも、シンジと綾波がくっつくとも思えなかったので、シンジは特に誰ともくっつかないんじゃないかと個人的には思ってました)

内容に関して、話の終わりはかなりすっきりしてたなという感想。

小学生の時に旧アニメと旧劇場版は見たことがあり、その時は「なんだこのよくわからない終わり方」と思ったので、この終わり方はかなり納得感もあるし、見てよかったと思うものだった。

大体移動中はイヤフォンで音楽を聴いているんだけど、帰り道は流石にイヤフォンつけられなかった。


■あとは作中の各要素について以下追加の感想(割と長い)

・最後の方のマリがシンジを迎えに来るシーン付近

製作途中の原稿?みたいな表現がされている意図が気になって、自分なりに考えてみた。

まず、「間に合ってよかった」という旨のマリの台詞。終盤の戦闘でカウントをしながらエヴァを食べてた(吸収していた?)ことに関連して、その行為で本来間に合わない時間を稼ぐことができたのかも?と思った

全てのエヴァを消し去る槍の効果がすべてのエヴァに到達するまでに時間が必要で、そのギリギリを稼ぐために吸収するエヴァの数を数えてたとかなのか?と思ったけど12体という数字自体に意味がありそうな気もするのでよくわからない

2つめ、間に合わないとどうなるのか。シンジはアスカ、レイ、カヲルを現実に送っていたので、虚構に取り残されるということ?なんだろうか

虚構に取り残されると、作品の終わりと共にキャラクターの先が無くなって消えてしまうという意味合いなのか。その辺りはよくわからない。

虚構に取り残されるというところにつなげると、エヴァ:||という作品の完成するタイミングが虚構に取り残されてしまうデッドラインになっていて、その表現のために製作途中であるということを強調したのかな?と「シンジが虚構に取り残される」という結末が描き切られる前に「マリが間に合う」描写が入って、結末が変わったのかも

・髪の毛の長い綾波

結構親切に「破の時にシンジくんが助けた綾波ですよ!」と出してくれるんだなと思った。アスカがエヴァの呪縛があっても髪の毛が伸びるということを言っているのも、最後にこれを出したかったからか

綾波はネルフのLCLが無いと生きていけないので、長期間生き残るヴンダーのエヴァ初号機にとどまるしか抜け道が無かっただろうし、シンジくんがエヴァに乗らなくてもいいようにという願いも叶う形にはなってた(カヲル君と乗ってしまったけど)

シンジくんの破の行動が完全に無駄だったわけじゃなく、救える命もあったということが優しい話だなと感じる。

・カヲルくんに関して

カヲルくんが何度もシンジくんにあっているのは、聖書(死海文書)に役割(名前)が記されているから、シンジも記されていて、何度も演じる必要があった。みたいなことを言ってたけど、結局カヲルくんはどういう存在なのかよくわからなかった。

何度もエヴァの世界は繰り返されているというのは、メタ的な意味合いが強いように感じていて、作中で旧作を含めた今までのエヴァタイトルが流れるところとかを見るに、シンジとカヲルというキャラクターは最初に決まっていて、旧作も新作もそこは共通で出てくる必要があったとかいうことを作中の要素に組み込む台詞なんだろうか。とかエヴァの知識があればここは説明がつきそうな部分

・黒い綾波との別れ

冬月が「同じ喪失を体験させたのは何故」とゲンドウに話しているシーン(台詞は多分違う)

黒い綾波によってふさぎ込んでいたシンジは再び他者と関わり始め
そして黒波の存在によって精神の安定を取り戻していく
名づけのところでシンジくんが「綾波は綾波」と言った時点で、破の時点の綾波とほぼ同じくらいの存在になっている表現だと感じた(綾波は人格をそこまで獲得していた)

シンジくんはそんな綾波との別れによって決起してヴンダーに再び乗る
これはゲンドウとは違う決心の仕方で、ゲンドウがシンジに自分と同様の喪失を体験させたのは、そこから「もう一度綾波に会いたい」とシンジくんが思うかどうかを見たかったから?と考えると、ここが分岐点のような気がする
ゲンドウは人類補完計画の流れでユイに再び会うことを最終目標に据えていたが
シンジは綾波を再び会うことを望んだわけではなかった

シンジがゲンドウと同じような人間だという話が出てきた以上は、このあたりが対比する部分になっていて、良さみが深い。

・カセットプレイヤーについて
最終的にはゲンドウに返すことになったカセットプレイヤー
シンジくんがゲンドウの置いていったものを使っていて、一度は捨てたものを綾波が拾ってシンジに渡し、それをまたシンジくんが捨てて、別の綾波がシンジに返しそれをまたシンジがゲンドウに返すという凄い回り道

他者への恐れ、一人では生きていけないゲンドウ。シンジくんも
「耳をふさいで音楽を聴くことで外部のノイズ(他社との関わり)を防ぐことが出来る」という用途で使っていた。

他者と関わろうとしないとそもそもそんなものはいらないので、
ゲンドウが捨てた理由はユイが死に、孤独になったから(他者と関わる道を捨て、全員が同一の存在になる道を選んだ)
1度目にシンジが捨てたのはゲンドウとの決裂(エヴァに乗って認められたいという気持ちを捨てた)
2度目に捨てたのは、他者と関わりたくなくなったから
誰もいない静かなところで過ごす以上はいらなかったし、ゲンドウや救えなかった(と思っている)綾波のことやニアサードを引き起こしたことを思い出すから(自分の背負ったものを感じたくなかった)

これを最終的にゲンドウが受け取ること自体が、シンジとゲンドウの対話の結果、ゲンドウにとってシンジと関わることが必要だったということを示唆してると思った

・エヴァの呪縛について

作中ではエヴァ搭乗者の肉体年齢が進まなくなる、人間と乖離した存在になるという設定の単語として機能しているが、これは複数の意味が含められていると感じた。

かなりメタ的な話になってしまうけど、製作側が長期間エヴァの製作をしていたこと、視聴者も完結を待っていたことから、完結を迎えることでキャラクターだけではなく製作と視聴者も呪縛から解放されたということなのかなと思った。(私はQを前日に見たので待った感じはしないけど、9年待った人たちは本当に解放された気持ちなんじゃないか)

最後のシーンで、シンジくんたちが現実に居場所を手に入れたところで

シンジくんが大人の見た目と声になっていたところも、何年も少年の見た目のまま役割を演じたキャラクター達が作品の呪縛から解放されたように見えてよかった。(声が神木隆之介なのも、現実に寄った存在になったという表現なんだろうか)

・わからなかったところ

イスカリオテのマリアという呼び方:

マリがゲンドウたちの研究室?メンバーだったと明かされ、彼らと別の道を選んでいたことがわかったので、そういう立ち位置を意味する単語がイスカリオテのマリアという呼称なのか?(聖書は詳しくないので全然わからない)

インパクトを止めるための槍がヴンダーで作れたところ:

何故作れたのかがよくわからなかったけど、これもヴンダーという名称に関連してたり、この下りで出てきた英語の文章(切り替わりで読めなかった)で「確かにできるかも」と思う要素があったのかな

碇ユイは人類補完計画のどの段階まで賛同していたのか:

全人類が一つの存在になる、という部分はゲンドウオリジナルとして

それ以外のどのあたりを目的に研究していたのかが気になる。エヴァ自体の願望器的役割に目を付けていたとか?

------------------------------------

以上です。他の人の感想を見つつ、もう一回くらい見に行きたいなー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?