39.第一印象で「無理だ」と思ったものを、何とか実践する方法
第一印象や最初の閃きはとても重要です。例えば将棋などでも、瞬間的に次の手を閃いたものの他の手もないものかと読んでみたが、やはり最初に思い浮かんだ手が最善手だったということはよくあります。第一印象やとっさの閃きは、その人の経験則の言わば集大成であり、非常に理にかなったものになる傾向が高いものだと思います。逆も然りで、最初に聞いて「これは無理だ」と思ったものは、なかなか実践するのは難しいものです。
しかし、難しいものほど何とかしたいと思ってしまうのが私の性分です。つい先日、ある後輩から「2か月後に大きな会場を貸し切ってイベントをするのだが、その中でバンド演奏がしたい。どうしたらいいと思うか。」という相談を受けました。直感的には「いろいろ無理だ」という感想です。それについては他の方もそう思うのではないでしょうか。その中ですぐに「どうしたら実現可能か」を考え始めます。
なぜ無理なのか、分解して考える
タイトルにもある“第一印象で”というものに限らず、難しい、無理なものを実現させるときに私が考えるのが、“無理な理由の要素分解”と“絶対に折れられない部分はどこか”という2つのことを考えます。
無理な理由の要素分解
先ほどの例であれば、無理な理由を箇条書きにすると以下のようになります。
・コロナウイルスがまだ収束していないこと
→スタジオ等の練習がままならない
→イベントの実施は今回論点ではない(主催者でないため)
・ライブハウスではないため機材やPAがレンタルとなり、その額がイベント代に大きく乗る
・演奏レベルの問題
→演者のレベルがプロクラスではないことと前述のスタジオ問題により、かかるコストに見合う演奏ができない可能性がある
→練習期間が2ヶ月しかなく、そもそも3~5人の練習の予定を合わせるのが困難
という感じです。
絶対に折れられない部分
加えて絶対に守りたいのは“イベント中に音楽ライブの要素を入れたい”ということです。
身を削いで、骨は押し通す
これらのことを総合して“この状況下で実践可能なプラン”として提案したのが、“バンドではなくソロもしくは2人のユニットでパフォーマンスをする”でした。その利点として
・音楽の要素をイベントに盛り込める
・弾き語りやパーカッションなどソロライブであれば練習の調整を行う必要がなく、2ヶ月フルに準備できる
・バンドであればミキシングやそれに伴うPAも必要だが、ソロなら不要、2人程度なら素人でも対応できることから、機材費用の大幅削減可能
などがあげられます。これなら“理論上は”今のご時世でも実現可能な案になっていると考えました。バンドがしたい、ドラムやエレキでガンガンやりたい、ボーカルも欲しいとやりたいことはいろいろあると思いますが、”音楽の要素を入れる”という1点に集中し、逆に他のことを削ぎ落すことで実現可能性を高める、ということです。
結局、そもそもイベントの中で音楽の要素を入れること自体主催者判断で没になったようですが、今回の思考は為になりました。何か皆さんのお役に立てば幸いです。
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