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絆とガチホと私(NFTプロジェクトのお金の流れ)

おはようございます。🐤

「絆」とか「ガチホ」とか、DeFiの世界にいたことのある人にとってはほんとうにもう香ばしい単語でしかないこの言葉。詐欺の手段としか思えない言葉。それをDeFiの先駆者でいろんなプロジェクトを渡り歩いてきたはずのイケハヤさんが使っている。

何か考えがあるに違いない。

とは思うんですけど、それが何かはなかなかわからないのです。ただ、プロジェクトの運営者としては、コレクションの価格を高値維持することは至上命題ですから、これまでの運営手腕というものは間違いなく日本一レベルで高く評価されるべきものだと思います。

しかしながら、運営の手腕とは別に、この言葉に慣れていない初心者のためにNFTプロジェクトの「お金の流れ」についてお話していきます、これは誰もが知っておくべきことです。

NFTプロジェクトのお金の流れ

NFTプロジェクトをOpenSeaで運営する場合で、10%のロイヤリティとします。初回の発行はすべてプロジェクトの収入となり、次回からの流通は取引額の10%がプロジェクトの収入となるとします。(計算を簡単にするため手数料は省きます)

最初の取引では、Aさんが1 ETHでNFTを買い、クリエイターが1 ETHの収入を得ます。

AさんはこのNFTに1 ETHの価値があると考えたんだから買ったわけで、普通のことですね。ここまでは誰も疑問がないところだと思います。

しかしNFTは売ることができるんですよね。しかも、それがクリエイターの収入にもなるということで、取引は続きます。Bさんが2 ETHで、Cさんがさらにそれを3 ETHで買ったとします。それを表したのが下の図です。

図のようなお金の流れとなり、クリエイター、Aさん、Bさんの収入の合計は3.0 ETHで、それら全額をCさんが負担している状況です。

さらに、4人の購買者が現れたのが下の図です。

クリエイター、Aさん~Fさん、すべての関わった人が利益を得ています。買った価格より高く売れるんだから、高い金額を支出することの感覚がまひしてきて、あまり負担に感じられなくなります。ここまで合計の収入額は7.0 ETH。それらをすべてGさんが負担しています。

さて、ここまで誰も損する人はいませんでした。関わった人はみなハッピーでした。Gさんも当然利益が出せるものだと思っていました。

しかし、誰もこの価格で買う人がいなくなってしまいました。取引で利益を得るには少なくとも10%以上の値上がりが必要ですが、高値になるに従い、10%の値上がりを出すのが難しくなり、利益率が低くなってきたことに気づいたのです。

売れなくなって初めて気づいたことですが、Gさんは「NFTに魅力を感じている」というよりは、「高く売れること」「利益を出せること」に魅力を感じていたものですから、このままNFTを持っていても幸せにはなれないと考え、7 ETHのマイナスを少しでも軽減しようと、NFTを3 ETHで売り、4.3 ETHのマイナスで取引を終えました。

このNFTに関わった人で初めての損失です。

「かつては7 ETHで売れたことがあるんだから」と安値買いしたつもりのHさんでしたが、NFTに魅力を感じる人にはもうNFTは行きわたっていて、残っているのは「NFTには興味がない」「利益を出せないならいらない」という人たちばかりでしたので、3 ETHでも売れませんでした。

Hさんは値を下げて1 ETHで売却し、2.1 ETHの損失をだしました。現在はIさんがこれらすべての損益を負担し、1 ETHの支出でNFTを保有しています。

仮に10,000体あるNFTコレクションだとすると、そのコレクションにはこんな物語が10,000個あります。

こんなふうに、ひとつのNFTの保有者は、これまでのそのNFTにかかる全ての収益を負担して保有者の権利を得ています。

そして金銭的な損益は、どれだけ市場が右肩上がりであっても、常にプラスマイナスゼロです。

一人の動きは「立って座る」だけど、これがウェーブになる

これは、コレクションのうちの一つのNFTに注目しましたが、ほんとはこれが1万とか2万とかあるので、特に「レアリティ」のないコレクションだと他のNFTの取引に左右されます。

最も注目で最も重要なのが直近の取引価格と、売り板の分布、そして供給量です。供給量が少ないと、需要が小さくても価格はそれなりに保たれます。

「絆」とはこの「供給量」を小さく保つためのユーザー間の戦略です。

うーん、考えれば考えるほど、現在の戦略はうまくできていますね。

ただ、絶妙なバランスの上に成り立っているものなので、例えばここでフロアプライス付近に100体の壁がドーンとできたら、もうおそらく取り返しがつかないこととなりそうです。

絆の崩壊

これまで、IRONやSTEPN、USTなどの「絆」の崩壊はすべて大口保有者の大量売りをきっかけとして起こっています。

これは彼ら大口保有者が悪いのでしょうか?

しかしクジラも人間なので、他人よりも自分が可愛かったり、自己顕示欲がつい出すぎてしまったりすることもゼロではないということは覚悟しておかないといけません。

また、クジラといえども全体の保有数から見ると1%未満だと思います。「クジラだけ」がちゃんとしてれば良いというものでもないのです。

売りは売りを呼び、狼狽売りが重なると一瞬にして「買う人」がいなくなり、「売り圧」が市場を支配します。

口約束の絆やガチホには拘束力がないだけでなく、「真面目にガチホの号令に従った人」と「一足早く売り抜けた人」との間に軋轢を生んだりします。かつて仲間だった者たちが傷つけあい、そしてそれを見て嘲笑家が指を指してゲラゲラ笑います。

そんな光景は見たくないので、なんとかソフトランディングをしてほしいなと祈るばかりです。

売り方はほんとうに慎重に。自分が損しないように。

まとめ

というわけで、NFTを買うなら必ず理解しておかないといけないお金の流れのお話でした。

自分が最後の人になりたいとか、高値で売り抜けるのが目標とか、NFTの購入目的は人それぞれかとは思いますが、NFTを買うならガチホの先にあるものを常にイメージしておきましょう。

「自分が中長期に最大限得するように」動けば、市場にも良い影響を与えるはずです。例えば、供給量が少ないとき(価格が極端に上がり調子なとき)に売りに出すのは市場にとって良いことです。

大口ホルダーは、海外マネーの流入を狙うべきです。頑張って英語で発信してみませんか?

というわけで、今日の内容は以上です、NFTの買い方売り方がわからない人のお役に立てたら嬉しいです。

それではまた、DeFi〜(@^^)/~~~

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