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私たちの世代は年金なんてどうせもらえないんでしょ?

おはようございます。🐤

国民年金の保険料を支払っていない方はいらっしゃいますか?
このブログを見ているような方はほとんど払っているような気がするので、ここで呼びかけてもあまり効果はないかもしれませんが、

「これからの世代は年金はもらえないかもしれない」

ということはずっと前から言われていました。それは国民年金と厚生年金、合わせて公的年金のしくみによるもので、「自分で支払った年金を自分で受け取るわけではなく、現在の現役世代が納める保険料を高齢者が受け取る」しくみになっているからです。

だから、どうせもらえないんだったら払わない方がいいよね。
その分自分で投資して増やした方がいいよね。

という声もあるのかなと思います。

では、ほんとうに年金よりも自分で投資して増やした方がいいのか、試しに計算してみましょう。


仮定

その前に仮定です。

「今の現役世代から高齢者が受け取っている」ことから、ごくごく単純に言えば、人口構成から予想すると、現在の現役世代(20~64才)と高齢者(65才以上)の人口の比が 1:2.07 で、2065年が 1:1.23 くらいですから、今もらっている国民年金が80万円だとしたら、2065年には約47.5万円しかもらえない計算になります。

図表1-1-1 人口ピラミッドの変化(1990、2015、2025、2065)-平成29年中位推計-|平成29年版厚生労働白書 -社会保障と経済成長-|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

もちろんそう単純な話ではなくて、人口ピラミッドの比率が変わっているのに、実際に支給されてきた額は1990年くらいから現在までほとんど変わっていません。これは、国民年金の目的が「支払った分を返す」のではなく「国民の生活の安定」だからです。

国民年金 - 老齢基礎年金支給額の推移 - わかりやすく解説 Weblio辞書

というわけで、生活保護との格差も指摘される中、税金を足すとかなんだかんだで将来も継続して約80万円程度の年金が支給されるかもしれないし、むしろいろいろ込みで増額されるかもしれないのですが、そこを敢えて悪い方の予想で47.5万円しかもらえないと仮定しましょう。

🐤 私の仮定はてきとうですが、詳しくはこちら⇒将来の公的年金の財政見通し(財政検証) |厚生労働省 (mhlw.go.jp) 現在のレベルが60としてだいたい50くらい、つまり現在の価値でいうところの67万円くらいが2060年時点でもらえるという試算になっています。私の2つの予想のちょうど中間くらいでしょうか。

積立額

2023年の国民年金の保険料は年間198,480円、これを45年間支払うとしてみましょう。現在は20才から65才の40年間ですが、将来を予想して65才まで支払うとします。

198,480×45=8,931,600円

積立額は約900万円となります。

受取額

2023年の受給額は約80万円ですが、悪い方に予想して47.5万円とします。寿命は年々伸びてきていて現在は男性の平均が81.41才、女性が87.45才だそうです。ざっとその真ん中の85才だとして、65才から20年間47.5万円を受け取ると

47.5×20=950万円

悪い方に予想した時の受取額は約950万円です。

また、現状維持の場合は80×20=約1600万円になります。

投資との比較

仮に国民年金保険料と同額の198,480円/年を45年間3%の複利運用で運用できたとすると、えーと年金終価係数92.720を使って、18,403,066円=約1840万円になります。さらにそれを3%で運用しながら65才から85才までの20年間で取り崩すと、えーと資本回収係数0.067を使って1,232,800円×20年=2466万円が総受取額となります。

だんぜん投資の方がお得じゃん!
やっぱり年金なんてダメだ、自分で投資するんだ!

と考えるのも一理あるのですが、少し怪しいところがあります。

まず、そもそも年3%の複利運用を安定して45年とか65年とか続けることができるか問題があります。よく言われることですが、日本の過去30年間のチャートを見てみると通算してあまり得をしていない結果になっています。

ではアメリカ株に投資したらいいと思うのですが、それは現代人が考える都合が良すぎる結果論です。

ではでは、世界に投資すればいいんじゃないの? 世界は必ず発展するでしょう? と思うのですが、地球の面積と資源には限りがあるのでそう簡単にはいきません。必ずどこかで発展のペースが鈍化することになります。

【平成29年度人口問題協議会・第2回明石研究会】 「国連世界人口推計2017年版」をどう読むか(前編) | レポート | 国際協力NGOジョイセフ(JOICFP)

ごくごく単純に考えて、経済の発展=人口の増加とすると、経済成長のスピードはいつか必ず鈍化することになりますし、過去50年で経済発展してきたスピードと、これから先50年で経済発展するであろうスピードは明らかに違うことがわかります。

そもそも年金はプロが運用していますが、自分で投資するとなると素人の運用になるので、プロに勝てる確率は低いと考えた方が良さそうです。悪い時の想定はゼロパーセントとしておきましょう。

保険としての役割

また、国民年金には保険としての役割もあります。つまり、けがをして働くことができなくなったり、働き手が亡くなった時の遺族には一定の収入が保障されます。

国民年金のスペック(遺族給付約80万円+障害給付年80万円)を民間保険で実現しようとすると、すごくざっくりと月5000円くらいを支払う必要があります。

ライフネット生命(lifenet-seimei.co.jp)

となるとこれを同条件で投資にもかけないと公平にならないので、さっきの投資の条件はさらに悪くなります。年138,000円程度しか積み立てられなくなり、3%の複利運用ができたとして65才時点で1280万円、85才までの総受取額は1715万円となります。

仮に投資がうまくいかなくて、かつての日本のように結果的にゼロ成長になったとすると、投資で得られるのは13.8万円×45=621万円ですから、国民年金よりも収入が少なくなることになります。

未納と免除

さて話は変わって、そもそも国民年金を納めることができない収入の人は免除制度というものがあります。申請すれば納付は免除となり、半額は積み立てられていきます。つまり一円も支払わなくても年間80万円の半額、約40万円は将来受け取ることができるのです。

そうなると効果は無限大です。なんせ支出ゼロなので。(悪用厳禁)

それはともかく、払える限りは払っておいて、一時的に苦しい時でも必ず頑張って免除申請をして、未納は避けるべきです。

https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html

まとめ

国民年金と投資の比較

良い時想定:(投資が3%で複利運用できた場合)
国民年金=1600万円受け取り
投資=1715万円受け取り

悪い時想定:(投資の利益がゼロだった場合)
国民年金=950万円受け取り
投資=621万円受け取り

あくまでざっとした仮定です。そもそも国民年金に加入するかどうかは選択できませんから国民年金には加入するしかないのですが、入ってもまあ大きな損はないし、入っていると少しは安心できると私は思うのですがどうでしょうか。

それではまた、FP~(@^^)/~~~

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