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アルパカさんの自動化ヴォールト改善プラン

おはようございます。🐤

今日は、アルパカさんの自動化ヴォールト改善プランについて解説していきます。原文はこちら。8月25日からテスト運用中で、少なくとも数週間運用してみて、うまくいくとすべてのヴォールトに波及させていくということです。

自動化ヴォールトの成績

儲かるようで儲からない。
すごく頭が良さそうですごそうで鳴り物入りで華々しくデビューしたアルパカさんの自動化ヴォールトがぜんぜん儲かりません。

上の段がセービングといってBTC建てで資産を守るやつで、4か月運用した結果がなんと-0.41%

下の段がマーケットニュートラルで、ドル建てで資産を守るやつで、5.5カ月くらい運用した結果が-0.29%

どちらも同じ理屈です。ロングとショートを同じだけ持って、上げても下げてもニュートラルに、そしてファーミング報酬だけただ取りしようというものです。

しかし、これはどう自分を慰めたら良いのでしょうか。BTCBとBUSDをそのままレンディングに入れていたら今ごろは……あ、たいして変わらなかった。(;^_^A

戦略としては理想的なはずなのにどうして?
アルパカさんはその理由を、トークン価格の値動きが大きいことによるリバランスの頻発にあると見ています。リバランスには次のマイナスがかかるためです。

  • LP解除のガス代

  • トークンの取引手数料

  • プライスインパクトとインパーマネントロス

とはいっても暗号資産なので値動きが激しいのはある程度しかたないので、値動きが激しくてもなんとか利益があげられる方法はないのか考えました、それが今回の改善プランです。

ひとことでいうと、LPを操作してリバランスをすると手数料がかかるから、それをしないで借り入れを操作してリバランスするという考えです。

おさらい

自動化ヴォールトのしくみのおさらい。ロングとショートの2つのポジションを作ります。アルパカさんのレバレッジファーミングはパンケーキなどのAMMを使うので複雑です。

ロング1に対してショート3のポジションを持つ必要があります。下の図の左側のロングと右側のショートが釣り合います。

理論上、価格変動がなければ一切損失はなく、パンケーキの取引手数料収入とCAKEのファーミング報酬、そしてレバレッジのALPACA報酬の3つを総取りできるすばらしい手法です。

しかし、価格が動けば必ず損失がでます。どれくらいの損失かというと、5%の値動きで0.0915%、10%の値動きで0.357%です。そこに行くまでに必ずリバランスされるので、そこまで損失が出ることはありません。微々たるもので、無視できる程度のはずでした。

しかし……5月の乱高下というか爆下がりの相場で、リバランスが重なるとじわじわと手数料がかかってきて、結果的に利率はマイナスの水面の中に長い間閉じ込められていました。(僕は今も水面下)

暗号資産である以上値動きは避けられない、しかしリバランスと手数料は避けたい、ということで新しいプランの登場です。

新プラン

LPはそのままに、借り入れを操作しようというものです。例えば、さっきのLPの図で、仮にBNBが20%値上がりしたとします。すると下の図のようにロングポジションとショートポジションのバランスが崩れて、ショート優位になります。

これまでだったらここでリバランスします。リバランスとは具体的には利益(損失)確定のような作業で、この場合だと手数料抜きで$20,000⇒$19,727と、約$270の損失を確定して、その目減りした資金で再度LPを作ります。

しかし、新しいプランではここでLPはそのまま放置します。そして借り入れの方を操作します。

これで強引にニュートラルにもっていきます。この作業はLPの操作を含まないので、アルパカさんのコントラクトウォレットを通じてCEXで行います。なぜCEXかというと交換手数料が0.1%(と公式は言っていますがおそらくそれ以下)と一般的なDEXの0.25%と比べて安いからです。

当面の間、この作業はアルパカさんの方でやってみるそうです。しかし、この作業にインセンティブをもたせてユーザーもこの作業ができるようになるといいます。

ちょっと気がかりな点

上の図で見るとなんとなく気づかれるかもしれませんが、左のBNBロングポジションのレバレッジがすごく高く(x4)なっています。逆に右のショートポジションのレバレッジは低く(x2)なっています。

低くなる分には問題ないですが、ハイレバレッジになるということはそれだけ値動きに対して敏感になります。また、ハイレバレッジになった方の資産の借入利率の影響が大きくなることになります。

BNB(値動きする側の資産)が上がると、USDのレバが高くなるのでUSDの借入利率の影響を大きく受けることになります。通常、暗号資産が上げる場面ではUSDの借入が少なくなるので良い方向かもしれませんね。とはいってもレバレッジが高くなるのはちょっと気がかりです。

あまりにレバレッジが高くなりすぎた時には、通常のリバランスをする必要が出てくるかもしれません。ただ、その回数が減ることは間違いなさそうです。

まとめ

これまで値動きが大きい相場の影響で、リバランスに費用をとられてしまって利益を出せていなかった自動化ヴォールトですが、この画期的なプランで再建を図ることができるでしょうか。

ほんとに知恵を絞りに絞ったテクニカルなプランで、かつCEXを活用するという禁じ手もうっています。スマコンとCEXがうまく機能するのか、バイナンスとBSCというお庭の中ならうまくいく気もします。

というわけで、今日の内容は以上です。
正直、これを理解しきるのは難しいです。たぶん自分で手を動かして絵を描いて計算しないとなかなか理解はしきれないのではないでしょうか。なので、ぼんやりでも「とにかくアルパカさんがめちゃめちゃ頑張って考えたことだ」くらいでいいと思います。

うまく動きますように、みなさまに爆益がありますように、お祈りしています。

それではまた、DeFi~(@^^)/~~~


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