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Rabbit Finance特集(後編)

※2021年8月3日追記:Rabbit Financeへの投資は注意が必要です。

※無料で結論まで読めます

おはようございます。😊

今日は昨日の続きです。⇒Rabbit Finance特集(前編)

主に参考にしたのはひびきさんのnoteです、いつもお世話になっています⇒DeFi戦記2-6 rabbit finance、それはAMPLセカンドシーズン…?

それでは、いってみましょう!

注目されている理由、この高利率!(既視感)

Rabbit Financeがここまで注目されて急速にTVLを集めているのは、低金利レバレッジファーミングの魅力もありますが、やはりこの高利率のせいだと思います。

(1) 自己資金を単独でVaultに預けて高利率⇒APR約30%

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(2) ペアで(レバレッジ)ファーミングして高利率⇒APR200%超

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(3) RABBITをBoardroomに預けて高利率⇒APR500~700% over!

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(4) CARROT-BUSDをステーキングして高利率⇒APR500%!

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この高利率を生むしくみは、Rabbit Financeの2つの独自トークン、RABBITCARROTに秘密があります。

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簡単にいえば、ファーミング報酬でもらえるRABBIT価格が高いから高利率なんですが、ではなぜRABBIT価格は高いのでしょう。

Rabbit FinanceのTokenomics(トークン設計)を調べて、高いAPRの秘密を探ります。

Tokenomics(高いAPRを生み出すしくみ)

・RABBITとCARROT、2つの独自トークン
・RABBITはRabbit Financeのガバナンストークン(CAKEみたいなもの)
・CARROTは無担保型(アルゴリズム型)ステーブルコイン

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・低い貸付金利(と高いRABBIT報酬)でファーマーを集めて
・資金の利用率を高め、CAKE報酬とMDX報酬の30%をいただきます
・いただいたお金でRABBITを買い戻し&burn
・ユーザーはRABBITをBoardroomに預けてCARROTをゲット
・RABBITの市場供給は抑えられ、RABBITの価格が上昇
・高APRでファーマーが集まってくる

という循環でRABBIT価格は上がり続けているのです。次の項でもう少し詳しく説明します。

RABBIT

RABBITは独自トークンで、CAKEとかALPACAとか、あと、ち…、てぃ…、た…、TIT○Nとかと同じです。総供給量は203,000,000と決められています。

1か月を1ピリオドとして、1ピリオドごとに徐々に供給量が減っていきます。

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なんのへんてつもないこのトークンですが、他のトークンにはない特別なことがひとつだけあって、Boardroom(会議室?)に預けるとCARROTというトークンがもらえます。

その利率はなんとAPR770%と570%(7/11日時点)

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これはRABBITをすぐに売らずにBoardroomに預けたくもなりますね。

CARROT

CARROTは無担保型ステーブルコインです。

CARROTの初期供給量は1,000,000,000,000(1兆枚)です。全てがタイムロック付き金庫に入れられていて、必要に応じて市場にちょびちょび出されます。現在の市場流通量は約300万枚です。

ステーブルコインといっても、BUSDやUSDCと違って担保はありません。無担保型、あるいはアルゴリズム型と呼ばれるものです。この型は成功例がないことで知られています。例えばBDO、MDOなどは現在全く1ドルにペッグしていません。

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記憶に新しいのはあ…、あ…、IR○Nというステーブルコインなのですが、これは無担保型ではなく、部分担保型で約75%担保がありました。そのためしくみが崩壊したあとでも75%は帰ってきましたが、CARROTは全くの無担保なので、もししくみが崩壊したら価値がゼロになる可能性があります。

CARROTがドルに連動するしくみ

ではCARROTが1ドルに連動するしくみを見ていきましょう。

・CARROTを得るにはBoardroomにRABBITを預ける必要があります
・CARROT価格が1ドルより高いとき、その価格に応じてBoardroomのRABBITステーカーにCARROTを配布します。(これをインフレ報酬といいます)
・CARROT価格が1ドルより低いとき、その価格に応じて市場に供給されているCARROTがburnされます。(ユーザーがウォレットの中に持っているCARROTも減るそうです)

つまり、CARROT価格の変動をうけて、CARROTの市場供給量が調整されるだけのしくみです。こんなんでほんとに連動するのかな……💦

ちなみに、ルールのうち大事な部分だけをもうちょっと紹介しますと、

・Boardroomにはx7とx3の2種類の部屋があり、x7の方が報酬が多い
・CARROT価格の判定は12時間ごとに行われる
・CARROTが1ドルを上回っていると判定されるたび、x7ルームに預けたRABBITは49時間ロックされます。x3ルームはロックされず、いつでもRABBITを出し入れできます
・CARROT価格が1ドルを下回ると、CARROT報酬の配布はストップし、未請求のCARROT報酬はクリアされます

49時間ロックされるのは厳しいですが、このルールにより、CARROTやRABBIT価格が落ち始めた時に急な売り圧が発生するのを抑えています。

RABBITとCARROTは今後どうなるのか?

現在、CARROTの利用方法はRabbit FinanceのStakeページでCARROT-BUSDにステーキングすることくらいだと思います。そのAPRは7月11日現在約500%。

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IR○Nを思い出させてくれます。

CARROTがステーブルコインだとしたら、こんなに美味しい話はないので、市場でCARROTを購入する人が多いのでしょうか。現在はCARROT価格は1ドルを常に超えています。

そして1ドルを大きく超えるほどCARROTはたくさん市場に排出されます。

過去の例(AMPLとの違い)

CARROTによく似たしくみの、AMPLというトークンがあります。

2020年に一世を風靡したトークンで、1ドルより高い時にはウォレットに持っているだけで(ステーキングなしで)トークンが増えるという不思議なトークンです。

価格が上がる、だけではなくて「数も増える」のです。1AMPL > 1.06$を超えるとインフレを起こし、ウォレットの中で勝手に増殖します(怖)。

しかし、$0.96より安くなると「勝手に数が減る」ので悪循環になって暴落し、2020年8月には終わったと思われましたが、現在もイーサリアムで売買がされていて、なんとなく1ドルを中心に値動きしています。

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参考文献:
Ampleforth(AMPL)の仕組み ~資産増加メカニズム~
Reserve Protocol: 暗号資産担保とアルゴリズムによるハイブリッド型ステーブルコイン

ですが、CARROTはAMPLではありません。CARROTを持っているだけでは何ももらえません。勝手にウォレットの中のCARROTが増えることもありません。(減ることはあるそうです)

CARROTはCARROT-BUSDという受け皿、つまりRABBIT報酬に支えられています。

そしてRABBITはBoardroomという受け皿、つまりCARROT報酬に支えられています。

それぞれのトークンは、AMPLのように一人立ちできるほど強くありません。

これまでの数々のステーブルコインへの挑戦と同じように、RABBIT / CARROT熱が高まり続け、同時に参加者の恐怖も張りつめていき、どこかでドカンと売り圧が発生し、落ち始めるとガラガラと崩れるタイプなのでしょうか?

地力があれば、崩れても持ち直すことができるはずです。

次の項では地力=サステナビリティについて考えてみましょう。

サステナビリティ(持続可能性)

前回のnoteでもRabbit Financeの主な収入をチェックしましたが、ここではもう少し詳しくプロジェクトの収入と支出について見てみましょう。

例としてRabbit FinanceのBUSDのレンディングによる収入を考えてみます。

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198M BUSDの預入額に対して45.87M BUSDが貸し出されていて、ここから収入が生まれています。ファーマーへの貸し出し利率はAPR-2.9%で(7月11日時点)、預け入れたユーザーは1日あたり$2,916(80%)の収入、運営の収入は1日あたり$729(20%)です。

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一方、支出は預入総額198M BUSDに対して22.8%の報酬を支払っているので、1日あたり$123,682です。なんと運営の収入と支出の差は100倍以上! 思った以上に差がありました。いくら独自トークンとはいえ、支出多すぎィ!

次に、Farmの代表的なペアの報酬の内訳を見てみましょう。

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Yield Farm APRの表示がファーマーの収入(70%)にあたり、運営の収入は30%です。運営の取り分を計算したら赤い四角の左側の数字になります。これに従って各プールの収入と支出を計算してみました。

[運営の収入]
・USDT-BUSD TVL=$68.5M * 14.1%/9倍/365日 * 30% / 70% = $1,260
・BNB-BUSD TVL=$27.4M * 14.1%/3倍/365日 * 30% / 70% = $1,512
・ETH-BNB TVL=$19.2M * 9.9%/3倍/365日 * 30% / 70% = $744

[運営の支出]
・USDT-BUSD TVL=$68.5M * 16.2%/9倍/365日 = $3,378
・BNB-BUSD TVL=$27.4M * 63.6%/3倍/365日 = $15,914
・ETH-BNB TVL=$19.2M * 59.9%/3倍/365日 = $10,503

[収支]
・USDT-BUSD 1260-3378 = -$2,118(168%の赤字)
・BNB-BUSD 1512-15914 = -$14,402(953%の赤字)
・ETH-BNB 744-10503 = -$9,759(1312%の赤字)

このように、収入よりもずっと多くのRABBITを配布していて、運営の買い戻し&burnだけでは今後継続的に買い支えできないのは明らかです。

つまり、今RABBITとCARROTの価格が保てているのは市場の期待感によるものです。それがなくなると一気に価格が下がるでしょう。

CARROTが下がった場合

ここから完全に想像です。超Not financial adviceでお願いします。

RABBITかCARROTか、どちらから崩れるものでしょうか?

わからないですが、例えばCARROTの価格から下がったとします。

CARROTの価格が$1を下回るとBoardroomのCARROT報酬が止まるとともに未請求のCARROTも消え、市場や皆のウォレットから徐々にCARROTが消えていきます。

x3ルームのRABBITはステーキングしている意味がなくなり、ルームを離れて市場でRABBITが売られるでしょう。

そんな状態が49時間続けばx7ルームのロックが解除されます、これによりさらに売り厚が強くなるでしょう。

RABBITが売られるとRABBIT価格は下がり、ファームとレンディングのAPRも下がります。CARROT-BUSDのAPRも下がります。

CARROTの価格が下がると同時にCARROTの枚数が減っていきます。希少価値は高まりますが、CARROT-BUSDの高利率がなければCARROTを持っていても特に良いことはないのでやはり売られます。

このパターンは谷へ一直線なので、僕が運営ならCARROTの価格は死守します。市場供給量もCARROT 3M枚、RABBIT 33M枚と1/10程度なのでまだ買い支えするならCARROTです。

ステーブルなので買い支えのコストも比較的小さくて済みそうな気がします、知らんけど。

CARROT価格さえ下がらなければBoardroomではCARROTが配布され続けるので、RABBITステーキングが高利率を保つことができて、市場流通量を抑えることができ、RABBIT価格は保たれます。

RABBITから下がった場合

普通、価格が上がりやすい方が下がりやすいと思うので、こちらの確率が高いと僕は思います、知らんけど。

RABBITの価格から下がった場合は、ファーミングAPRが減るのでユーザー離れが進み、運営の収入が徐々に減ります。収入が減ると運営によるRABBIT買い戻し&burnが進まず、RABBIT価格はどんどん下がります。

CARROT-BUSDのAPRが下がるとCARROTの売り圧につながるので、そこさえなんとか手当てすれば、つまりRABBIT報酬割り当て分を増やすとか、運営がCARROTを買い戻すとかでなんとかしのげるんじゃないかなと思います。

それ以外、CARROT関連以外のAPRや報酬が下がって、他のプロジェクトと同じくらいのAPRになっても、それなりに存続はできるんじゃないかなと思います。

他のプロジェクト以上にAPRが下がって、利用者がいなくなると、運営にCARROT買い支えの体力がなくなって、CARROTは終わると思います。

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そして、CARROTが終わったあと、AMPLのように息を吹き返すかというと、それは難しいんじゃないかなと思います。

なぜかというと、AMPLと違ってCARROTはRABBITと一対のものなので、RABBITが元気にならないとCARROTも元気にならないからです。

そして、RABBITは何か他の利用方法が現れない限り、Boardroomしか受け皿がありません。BoardroomにはCARROT報酬が必要です。

CAKEでいうSyrup PoolやPredictionやLottery、ALPACAでいうGrazing Rangeのような生きる道が欲しいところです。(と言ってる間にGardenが出来ましたね、ここではRABBIT-CARROT-LPをステークできます)

さらに言うと、プロジェクト全体についても存続が怪しくて、Rabbit Financeの場合はレバレッジファーミングの貸付利率が高いRABBIT報酬ありきになっていたので、RABBIT価格が安い状況では貸し手が現れてくれなくて常に資金不足の状態になると思います。

まとめ

Rabbit FinanceのカギはCARROTが握っています。

CARROTが1ドルより高くあり続けたらRABBITホルダーは配当が得られるので良い循環がまわるでしょう。

そして、CARROTが1ドルより高くあり続けるためには、RABBITが高い必要があります。

どうしてかというと、現状CARROTは、CARROT-BUSDファーミングの高APRしか利用価値がなく、この高APRがなくなればCARROTは行き場を失い、一気に売り圧が強まるからです。

だから、どちらかが下げるともう一方にも強く影響して共倒れになるので、いずれにせよ長くは続かない、綱渡りのプロジェクトだと思ってます。

今日のnoteが何かのお役にたてたらうれしいです。

それではまた、DeFi~(@^^)/~~~

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