インターネット現役20年のおっさんが語る「メタバースとは何か」

筆者背景
・2000年くらいからネットに入り浸る
・2003年くらいからRagnarokOnlineにハマる
・2007年くらいからゲーム実況配信にハマる
・2018年くらいからVRChatにハマる
・Twitter廃人
・現役ソシャゲ運営屋さん

技術的なものや厳密性を置いておいて、今のぼくの解釈を説明しようと思います。

メタバースを作ってみよう

真っ白な紙に地図を描いてみましょう。
長方形を書いて、幅1km、奥行き500mの平野ということにしましょう。
真ん中を横断するように幅30mの道路を描いて。
道路の左右にはケヤキとかが生えていて、遠くに山があるといいですね。
その道路のいいところに適当な大きさの四角を描いて「自宅」と書きましょう。

「メタバース」が完成しました!

ふざけてると思われるかもしれませんが、本気でこれをやるのが「メタバース」です。
あ、帰らないで。これからもっと説明するから。

VRはメタバース?

上の話にはVRは出てきません。極論、メタバースにVR必要ないです。
でも最近個人でVR機器を持てるようになってきたので、関連してくるようになりました。

ただの地図に描いただけではお遊びですが、本気でやるならもっとリアルにしたいわけです。

もっとリアルな絵を描いていくのは一つの手段ですし、模型で家を作ったり、緑を求めて本物の木を生やしていくのも良いでしょう。
ゲームのように、コンピュータ上でリアルな世界を作ってみる人も出てきました。

でも、いくらリアルに作ってもその世界に入れないなら意味がない…
ぼくはこの作った世界に住んでみたいんだ!

そうです。最近普及し始めたVRがこれだったんです。
コンピュータ上に作って、VRでこの作った世界に入れば良いんだ!

紙に描いた絵からだいぶ時代が進みましたね。

みんなでやるからメタバース

作った世界も、誰かが来てくれなきゃつまんないと言う話です。

1人で作って遊んでもいいんですが、誰かに見せびらかしたり、この世界で遊べたらきっと楽しいと考える人が出てきます。
そして、みんながスマホとかでインターネットを使うようになったので、コンピュータの上に作った世界にみんながアクセス出来るようになったのが昨今です。

これで、みんなを自分の世界に呼んだり、逆にみんなが作った世界に遊びに行けるようになりました。
時には友達の友達とか、知らない人だって呼べちゃいます。

ただちょっと困るのは、みんな自分の世界を好き勝手バラバラのルールで作ってることです。

例えるなら、この人の世界に行くときは入り口でドレスコード、この人の世界に行くには宅配便で前日に荷物を預けておく、この人の世界では日本語は使えない、みたいな。

俺がメタバースだ!

みんながインターネットでアクセス出来るようになると、みんなで1個の地図を使って、同じルールで1つの世界を作ってみない?と言う話が出てきました。

ルールを整理して、24時間世界を開けっ放しに出来るようにしておいて。
いつでも皆がその世界に入り、物を作ったり遊んだり出来るようにする。
その世界で自宅を作って、自分の見た目を自分でコーディネートして、みんなとおしゃべりしたり、ゲームできたら楽しいよね!

ここまでくると「オンラインゲーム」「サンドボックスゲーム」がその下地を持つのがわかると思います。
知ってる人なら「Minecraft」のマルチサーバーとか。
もちろん「SecondLife」とか「VRChat」とか有名なやつも。

ここで
これってもっと一般的に、誰もが使うようになるんじゃない?」
「皆が使うなら、そこに労働と対価が発生するんじゃない?」
「つまりそれって経済圏ができて、リアル世界と一緒の商売ができるってことじゃない?」

となったわけです。

例えば…
自宅を作るのが面倒くさい…お金を払って誰か作ってくれない?
大きな映画館で映画を見れるようにするから、入場料をとろう。
たった5000円であなたの見た目を綺麗なモデルに仕立てます!

…いや?そもそもの話
自分の世界にアクセスする入場料とか、この場所に建物を作るのに家賃とか取ったり……税金を掛けたって良いわけじゃん?

自分の作った世界に人が集まったら、広告とか出せば企業からリアルのお金貰えるし、そのお金でもっと世界を作っていけばもっと…!

いやいや、そもそもこの世界で使えるお金やルールって、世界を作った人が決められるんだから…

はい、ということで、俺が真のメタバースになるのだ!と躍起になるわけです。

いや一応フォローしとくと、もちろんお金の話だけじゃなく、
VRChatとか自作出来るメタバースってオタクに取って夢のような世界なので、そういう世界作りてえよって言われたら首が取れるくらい頷きます。

以上、インターネットとVRとメタバースでした。

結構スルーしてますが、もちろん結構な課題が潜んでます。
・え、それ、企業の一存でその世界って崩壊したりしない?
・勝手に色んな物が作れるってことは海賊版とか他人を攻撃するような物とか違法なものとか作れちゃうんじゃ?
・その世界の法律はどうするの?誰がどういう基準でどう取り締まるの?
とか。

これから作られるメタバースはいわば「原野」です。
どんな街か公園か、何ができるかは全くわからないですが、一つ言えるのはそこに集まるのは良くも悪くも人間ということでしょう。


え?ブロックチェーンとかは?

いや、別に必要無いし…
まだほとんどの人類は普通のお金でお給料貰ってますし、メタバースの通貨がブロックチェーンである必要は無さそうな気がしてます。
日本円をメタバースポイントに変えてチャージ出来れば今までの仕組みで良いんじゃないですかね…?

NFTは?

いや、別に必要無いし…
メタバースにおいては、創作物にぺたっとラベルを貼れてそのラベルが唯一無二であることを主張できるようなものだと思ってます。
その主張がどんな効果を持つか、どんな価値を持つのかはわかりません。


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