タマキンジョージ

今週のワンピースは凄かった。

僕が最初にワンピースを読んだのは小学生の頃に「アポピスの化身」という遊戯王カードが付録された少年ジャンプを買ったときで、扉絵ではルフィがサーフィンをしていて、ストーリーではゾロがMr.1を獅子歌歌(ししそんそん)で倒していた。

アポピスの化身欲しさで買ったジャンプだったので、そのときは誰が誰を倒したか意味が分からず「歌って(そん)とも読むんやなぁ」と思っただけだった。

「そん」でいうと世紀末リーダー伝たけしで、たけしのおばあちゃんがゆれる乙女心のバージン丸出しっ娘(コ)だった頃、タマキン・ジョージに「われぇといしょに ブラジルコーヒーちゅくるないこ?(オレといっしょにブラジャーでコーヒー作らないか?)」と誘われた時に感じた下心を"そんなん"と表現していたことで、下心に"そんなん"という読みがあるのだなと勘違いしてしまったこともあります。

タマキン・ジョージの下心に対し、ここはひとつ相手を傷つけないよううまく断るというリーダー的判断を思いついたたけしのおばあちゃん


その後、僕のおばあちゃんに泉ヶ丘の高島屋でワンピース22巻を買ってもらい、そこからは友達の家に遊びに行ったときにちょっとずつ単行本を読ませてもらってストーリーを把握していった。
全巻を揃えている友達がいなかったので、A君の家では10巻と15巻〜21巻を読んで、B君の家で11巻と13巻と14巻、いとこの家で1〜3巻を読む、みたいなことをしながら話の流れをまとめていった。

23巻が発売されるころにはワンピースに夢中になって、ナミのしあわせパンチを水泳の着替えの時間にみんなでマネしたりして遊ぶようになった。

小学校高学年になり初めて学習塾に通い出した頃、送迎バスの中で友達の持っている少年ジャンプを読ませてもらった。街をバネバネの実でビョンビョン跳ね回っているハイエナのベラミーをルフィが1撃で倒していた。

2006年に中学校の修学旅行で沖縄にいったときは、ちょうどブラジルワールドカップが開催されていて、沖縄の宿泊施設で友達が持ち込んだ少年ジャンプを読ませてもらった。サンジが悪魔風脚(ディアブルジャンブ)でCP9(なんかスパイみたいな敵グループ)のジャブラを倒していた。

2008年に高校の修学旅行で北海道にいったときは、北海道大学の売店で少年ジャンプを立ち読みした。黄猿(海軍のすごい強い敵)に追い詰められた麦わら海賊団がバーソロミュー・くま(海軍の仲間ですごい強いキャラ)に消されまくっていて、俺も北海道で誰かに消されたらどうしようと慌てた。

2010年に大学の二次試験を控えたタイミングで、利用していた自習室近くのヤマダ電機の書店コーナーで購入した少年ジャンプを読んだとき、ルフィの兄であるエースが赤犬(海軍のすごい強い敵)にやられてしまった。その次の週にあった大学の二次試験では僕もエースのようにやられてしまって浪人することになった。

2019年の夏、TBSラジオで伊集院さんの深夜の馬鹿力の放送作家オーディションに参加させてもらっていた頃、今までネタ見せやラフターナイトのオンエア争奪ライブでしか来たことのなかったTBSの中にセブンイレブンがあることを教えてもらった。入り時間より少し早めに着いてセブンイレブンで読んだ少年ジャンプでは、ゾロと戦っていた牛鬼丸(ぎゅうきまる)という侍が本当はキツネだった。

ルフィの懸賞金が15億ベリーになったときも、ウソップが麦わらの一味で4番目に覇気(すごいオーラみたいなやつ)を使えるようになったときも、「僕もルフィたちのように頑張ろう」と思った。

今週のワンピースは、もう一回小学4年生から戻って読み返したいと思うくらい凄かった。
まだ読んでいない人は漫画喫茶に行くなりしてすぐに最新号まで追いつくことをオススメします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?