【R6.1.28】シルクロードSの予想
【今回のメンバー構成と思い出される昨年のスプリント戦線】
今回のメンバーを見渡した時の印象として、まず一番に出てきたのが「スプリント重賞にしてはスピード感に欠けるメンバー構成だな」ということ。
全体的に1200を専門に使ってきた!という馬が少なく、距離適性が1200~1400、どちらかというと1400寄りな馬が多め。上位人気になりそうなルガル、エターナルタイム、アグリの3頭が皆1200mの勝ち鞍が無いというのは中々な異常事態。
脚質的にも、スプリント重賞だったら「逃げ先行が多くてこれはハイペースになりそうだな…」と思うことの方が多いが、今回逃げそうなのはリバーラかテイエムスパーダくらい。順当に行けば外からテイエムスパーダが主張する形での単騎逃げになるのが濃厚。リバーラもテンが遅いわけではないのでそれなりに競ったとしても前半3Fは33秒台後半で落ち着くんじゃないかなと思う。
それをマークする先行馬もあまり多くなく、確実に前目につけそうなのはメイショウソラフネとオタルエバーくらい。出来れば前に行きたいと思うがルガル、エターナルタイム、アグリ、バースクライは「スタートが決まって行き脚が付けば」と不安を感じる近走内容やローテ。
先行集団を見るあたりにつけたいのがホープフルサイン、サトノラムセス、ジューンオレンジ、ショウナンハクラクあたりであとは後方からの追い込み狙いになりそう。イメージとしては
⑭
②
⑰⑫
⑬⑤④
⑱⑮⑦⑥
③
⑪⑩⑧①
⑯⑨
みんなが取りたいところを取ったとして、こんな感じのやや縦長な隊列になりそう。
昨年のスプリンターズSの前哨戦ではCBC賞、北九州記念、セントウルSの計3回逃げ切りがありました。昨年のスプリントSに向けての予想でも書きましたがこれは先行勢に人気薄の馬が多かったせいで、勝負所で馬郡の動きを抑制してしまい差したい人気馬たちが後手を踏んだというのが結構大きかった。(詳しくは「スプリンターズSに向けて思うこと」で書いています)
今回は少なくともリバーラとメイショウソラフネが逃げ馬と馬郡の間に挟まる隊列になりそうで、昨年夏のように逃げ馬が恵まれるような形で馬郡全体が仕掛け遅れる可能性もありそう。テイエムスパーダを無印にはしづらい。
【京都の馬場】
今回のシルクロードSを予想するにあたって無視はできない今の馬場コンディション。開催としてはBコース替わりの2週目だが内の傷みは無視できないレベルであり、土曜日の芝レースでもかなりインを開けながらのコース取りとなっていた。
外伸びで上がりがかかる馬場コンディション。小頭数のどスローだった10Rの2200mでは33秒台の上りが出ていたが、平均的な流れで進めば34秒~35秒台が上がり最速になるようなかなりのタフ状況。
ポジション争いで最も足をつかう2F目が上り坂ということもあり、平坦なコースでありながらかなりスタミナを要する京都1200でこのタフ馬場なので、1200が適性的にドンピシャという馬にはやや厳しいかもしれない。こんな舞台だからこそ、普段は少しスピード不足で苦戦しているが、スタミナやタフ馬場への適性に秀でた馬を狙いたい。
【内が荒れているとどうなる?】
内が荒れていると、皆荒れているところは走りたくないのでコースロスを承知で内を開けながら走るわけですね。
もちろん足元が荒れていない外の方が走りやすくスピードも出やすいので、普通ならば届かないような位置からでも大外をぶん回して伸びてきたりすることもありますが、勘違いしてはいけないのが「最終的に外を通した馬が伸びて来やすい」だけであり「外枠と差馬が有利」というわけではない。
というかむしろ外枠は不利になりやすい。理由は一つ「基本的には前にポジションを取っている馬にコースの選択権がある」から。
直近のG1で分かりやすいのは昨年末の朝日杯FS。内が荒れている馬場状態でハナに立っていたシュトラウスがまず内を開けながらの進路どり(ジャンタルマンタルが手ごたえ十分に内から張り出してきた影響も大きかったが)。その影響で馬郡全体が外に膨れてしまい、外3頭目あたりを走っていたつもりの馬が押し出される形で外を回されてしまい、想定外に足をつかわされることになってしまった。
これは良くあることであり、特に多頭数かつ展開が忙しい単距離戦で外枠から枠なりに位置を取った馬が外に振られてしまい、想定以上に不利なコース取りになってしまうといことが起こりがち。
何が言いたいかというと、今回のレースを予想するにあたって、内が荒れているし人気的にも比較的人気サイドや穴で面白そうなところが外に行っているので外の差馬から勝負してみたくなるが、ふたを開けてみれば大外ぶん回して届きませんでしたという落ちになりそうだな。ということです。
具体的には、外からの差、あるいは枠関係なく追い込みになりそうな
1カイザーメランジェ
8ディヴィナシオン
9サンライズロナウド
10カワキタレブリー
11サンライズオネスト
15バースクライ
16トラヴェスーラ
18ショウナンハクラク
は、今回ばっさり行きたいと思います。
【予想印】
◎3ホープフルサイン
〇5エターナルタイム
▲17オタルエバー
△12メイショウソラフネ
☆14テイエムスパーダ
これまで書いてきたことから導き出される爆穴。ホープフルサインから狙ってみたいと思います。
【各馬の評価】
◎ホープフルサイン
ここで買わずにいつ買うんだよ!!というくらい条件が揃ったのがこのホープフルサイン。
まず今の馬場への適性。ここ1年で馬券に絡んだのは昨年1月の淀単距離S1着と前走のタンザナイトS2着。この2つに共通しているのが「内が荒れ気味なので他の馬が内を避けて走るところを無視して内から差してきた」ということ。
実績的にも3勝クラス以上とある程度のレベルで馬券になった7回の内5回が3枠より内の枠。残る2戦の内一つは4枠7番からイン突きして3着とハイペースの失速戦を外から差して3着。血統的にも父モンテロッソ母父グラスワンダーということもあり、スピードを求められる舞台では苦戦してきたが、普通のスプリンターではもっていないパワーとスタミナを活かしてタフな馬場条件やハイペースの差決着で力を見せてきた。
荒れた馬場コンディションで行われるスプリント戦、ミドルペースからタフなスタミナが求められる差し展開になりそうな今回2枠3番を引くことが出来たことで全ての条件が整ったと言っていい。
冬に調子を上げる馬でもあり、1月~3月の時期に3勝。調教の動きを見ても状態よさそうに見せており安定感のあるフォームでしっかり坂路で加速ラップを刻むことが出来ている。
鞍上は太宰騎手に乗り替わり。過去に一度だけコンビを組んだ2022年のシルクロードSでは、3枠6番からインをついて伸びてきたもののクビ差届かずの4着。その時も単勝万馬券の人気薄だったがリベンジを果たすチャンスが舞い込んできたと言っていい。
というかそもそも前走タンザナイトSで着差なしハナ差の2着に好走しているにも関わらず単勝万馬券はあまりにも舐められすぎ。ここは期待を込めてこの馬から狙ってみたい。
〇エターナルタイム
脚質に自在性があり、前走ハイペースの富士Sを先行してから今回距離短縮で初のスプリント。
幸いメンバー的に先行馬がそこまで多くない上に、内目の枠を取ることが出来たので前走並の二の足を発揮できればある程度のポジションにはつけられそう。馬郡を特に苦にするタイプでもないので、内で足を溜めながら直線スムーズに進路どりできれば十分チャンスある。
タフでスタミナが求められる分生粋のスプリンターよりは何ならマイルまでこなせるくらいのスタミナを持っている馬を高く評価したく、そこにもマッチ。
何よりルメール騎手が前走乗ったアグリよりもこっちに騎乗するというのは無視できる要素ではなく、進路どりなどでややこしい展開を捌き切ることが求められそうな今回、鞍上含め好評価したい。
▲オタルエバー
連勝の勢いに乗って重賞挑戦。
馬場問わずに力を発揮できるのは魅力。ミドルの展開を好位に構えて早い上がりを使って差し切った前走の内容は優秀であり、今回も外からスムーズに前目のポジションにとってある程度の脚を使うことが出来れば展開的にも恵まれそう。
追切は坂路で49.7と破格の好時計。重心低くどっしりとした走りでスピードを出せており今の京都のタフ馬場も苦にせずこなすことが出来そう。
状態面、適性、ポジションから割り引く要素なくここは順調に高評価。
△メイショウソラフネ
よく狙う馬だが今回も条件的にはかなりマッチ。適性としては純粋にスピードが求められるスプリント戦よりも持続力戦になりやすい1400mがベストだとは思うが、前走に引き続き今回もその適性がハマりそう。
先行馬が少ない中で安定して前に行けている実績は心強く、今のソフトな馬場状態になっている京都で好走実績が既にあるというのもプラス。
間隔は詰まるものの調教の動きからはむしろ上積みを感じられるところであり、前走から斤量-1㎏を活かして、ポジション優位に粘り込むことが出来れば馬券内のチャンスは十分。
☆テイエムスパーダ
逃げ馬というだけで極端に恵まれる可能性があるため切れない。一発頭まであり得るがオッズが中途半端に20倍前後であり期待値は低め。扱いが難しい。
【無印の各馬】
・ルガル
ダートでの実績もあるくらいなので、タフな馬場コンディションは全く気にならない。
マイナス要素として大きいのは斤量がキャリア初となる57.5kgで前走から+1.5㎏。個人的に特にスプリント戦では前走からの斤量推移を重く見ているので、大幅な斤量増となる今回人気サイドでは積極的に狙いづらい。
また、只でさえスタートがやや不安定なところがある馬なので、斤量増のタイミングで内枠になってしまったのは信用しづらく、人気を背負ったもののスタートで最後方になってしまい最後追い込むも馬券内ギリギリ届かずとスワンSの二の舞があり得るタイミング。
もちろんスタートがしっかり決まって、斤量もそんなに苦にならなければ勝ち負けできるだけの力はあるので、消しはしないが、どちらかというと飛び期待の紐までで馬券は考えたい。
・アグリ
こちらは距離短縮、差し脚も使える、スタミナもパワーもあると一見割り引く要素が無さそうだが大きくマイナスする要素となったのが前走の内容と今回の乗り替わり。
前走はルメール騎手騎乗で阪神Cを3着に好走したが、かなりの神騎乗だった。外枠からスタート後ある程度促してポジションを取りに行ったがついて行けず前は取れず。そこで無理せずにすぐに進路を内に切り替えて足を溜め、最後は馬郡を捌いて内から上がってきた。正直ルメール騎手じゃなかったら馬券外だったと思う。
問題は「前走ハイペースだったとはいえ先行するだけの行き脚が付かなかった」という点。前半33.1は確かに早いが先行を見る程度の位置であれば昨年のこの時期のアグリなら問題なくつけられたと思うところであり、昨年の秋に差し競馬をしてきたせいで、先行力がかなり衰えてしまったのではないかなという懸念が一つ。
前走ルメール騎手も促して一度前を取りに行こうとしていたように、陣営としてもできることならかつての先行競馬を取り戻したい意図がありそうで、今回先行意識の高い坂井騎手に乗り替わり。アグリとしては高松宮に向けて是が非でも賞金を積まなければならないという立場でもないので、ここは多少無理してでも一度先行させる指示が出ていてもおかしくない。
行き脚が鈍ってきている現状で無理に先行のポジションにつけると前半でかなり足をつかうことになってしまいかねず、タフ馬場でトップハンデを背負う今回、終いのキレを失って伸びあぐねる可能性は結構高いのではないかと思う。
この先行説が杞憂に終わった場合も外から枠なりに差しに回ると、コースロスが大きく差届かない結果になる可能性もあるので、なかなか馬券の軸にはしづらい。
・サトノラムセス
適性的にはホープフルサインと似たようなものを持っており、時計のかかる馬場で先行したときに穴をあけやすい。
今回内の好枠から比較的スムーズに自分の競馬が出来そうなので、引っかかったらラッキーくらいで紐に抑えておきたい。
・ジューンオレンジ
連勝でOP入りだがいずれも1400で揉まれない競馬をしての連勝。
あまり器用な競馬ができるタイプには見えず、内枠を引いたら割り引きたいなと思っていたところで4枠7番。
前走が小頭数でかなりスムーズな競馬が出来ていたところから相手強化で揉まれる形になりそうな今回あえて買いたい要素もなく、ここは軽視したい。
・リバーラ
前に行けるテンの脚はあり、前走並のスタートで内から主張した場合テイエムスパーダと並走するくらいの位置まで主張し得る可能性はある。
もし、テイエムスパーダを抑えてハナを主張した場合、前述したように逃げ馬というだけで恵まれる可能性があるので念のため紐で抑えてみたい。
【まとめ】
ということで今回は魂の爆穴本命ホープフルサインから夢を追い求めて勝負してみたいと思います。
馬券としては
・単勝、複勝 ホープフルサイン
・単勝 テイエムスパーダ
・ワイド、馬連 3-5.12.17
・3連複フォーメーション 3-5.12.17-2.4.5.6.12.13.14.17
こんな感じをベースに考えていきたいと思います。ワイドだけでも引っかかれば万馬券、3連複には帯まで潜んでいるので少額で夢を追ってみます。
分かってる。的中率はかなり低いかもしれない。それでもダメ元で狙ってみたいだけの魅力が今回この条件を引き当てたホープフルサインには揃っている。これに気づいてしまっては逆らえないのが穴党の性なのだ……
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