【R6.2.17】京都牝馬Sの予想

【距離延長は嫌います】

 京都1400で京都牝馬Sが行われたのは2016年~2020年の5年しかありませんが、前走距離が1200から馬券内に好走したのは2017年の7人気ワンスインナムーン2着のみ。
 コース形態的にもスタートから最もペースが速くなりやすい2F目から幟があり、息を入れる間もなく残り4F地点から下りが入るのでタフな展開になりやすく、適性的にも単距離よりはマイル質のスタミナが求められる。
 そんなコースな上に開催最終週に行われるということもあって、一層スタミナが求められるレース。距離延長で臨む馬が苦戦を強いられるのも必然でしょう。
 今回距離延長の馬は18頭中10頭
・ムーンプローブ
・ドロップオブライト
・シングザットソング
・スリーパーダ
・スマートリアン
・コムストックロード
・ナムラクレア
・ジューンオレンジ
・モズメイメイ
・ボンボヤージ
 適性的にも実績的にもスプリンターだなぁという馬が多く、今回は完全に切るかどうかはともかく、軸にするのは避けたい。

【内か外か】

 今週は最終週だけどDコース替わり。全体的に多少インの傷んだ部分はカバーされたとは言え、そもそもがかなり荒れているのでゴール前あたりにはカバーしきれない傷みあり。外差優勢が続くと見る人が多数派かと思いますが、私はこのレース”内”だと思います。
 理由は大きく2点。まず1つは”荒れすぎている”。夏の札幌開催終盤では良く見られるが、芝が内外関係なく荒れてくると、かなりパワーとスタミナが求められてしまうが故に馬場的には外の方が多少伸びるけれど、結果的にはインをロスなく回って距離を抑えた馬の方が直線伸びることが出来る。
 今の京都はもうこれに近い状況になっているんじゃないかなと思う訳です。先週の京都記念でもインを強襲したバビットが人気薄で3着好走してますし、只でさえスプリンターが多く距離不安が大きい面々ですし、外を回して馬場の良いところまで出して、さあ追い出すぞというところでは既にスタミナ切れ。なんてオチになる馬が多いんじゃないかなと。
 2つ目が”Dコース”という点です。京都競馬場の一周距離をご存知でしょうか、JRAのホームページに書いてありますが、
・Aコース外回り:1894.3m
・Dコース外回り:1951.3m
 なんとAコースとDコースでは一周の距離が47mも違います。Aコースと比べて内柵が約10mもせり出してきているのでコーナーの半径も応じて大きくなっているので、外回しはかなり負荷が大きい。ラチ沿いを回していてもAコースだったら内から4.5頭目あたりの位置を回していることになるわけです。
 しかも多少はコース替わりでインがカバーされて内外差が小さくなっているとするならば、流石に内を通した馬に向くと考えてもいいんじゃないかと思います。馬場を考えると逃げはやや負荷が高そうなので”インの好位で足を溜められる馬”もしくは外から行くならば”ある程度ポジションを取ることで外を回しすぎず競馬ができる馬”あとは、シンプルに距離短縮馬を高めに評価していきたいと思います。

【予想印】

 ということで今回は
◎2アルーリングウェイ
〇15ソーダズリング
▲13メイケイエール
△11モズゴールドバレル、5ウインシャーロット
 これで行きたいと思います!!

【各馬の評価】

◎アルーリングウェイ
 今回かなり条件が揃っていると思っていて、内枠取れたら高めに評価をしたいなと思っていたところから、理想的な枠を取れた上に有力馬が外目の難しい枠に入ったので思い切って本命に。
 前走のオーロカップでは9着、スタートからの3Fレースラップが12.6-10.9-11.1とやや流れたペースを先行。そこから息が入るタイミングが無く締まったペースをコーナーに入る前あたりからスパートをかけて早仕掛け気味。差馬台頭のレースでもしぶとく最後まで足を使って上がり34.2、直線では不利もありながら力を見せることが出来た。
 前走でも上がり34.2だったが、キャリアの15戦中実に11戦が上がり34秒台でありどんな流れ、どんな距離、どんな位置からでも変わらずに安定してこのスピードレンジでまとめることが出来ており、この決め手の無さが3勝クラスで長く勝ち切れなった理由でもあると思うが、今回に当たってはプラスに向くことに期待できそう。
 テンのスピードがある程度あるので、近走並みにスタートを切ることが出来れば周りの馬はスピードあるものの、枠を活かして好位の2.3列目あたりは確保できそう。ロスを抑えながら追走して、直線で馬郡が外目の馬場の良いところを求めて広がる中、内から最低限外目に持ち出していつも通りの上り34秒台を使えれば十分上位に好走し得る。
 タフ馬場に強いデムーロ騎手への乗り替わりもかなり熱く、かなりオッズも付きそうな今回、激走に期待してこの馬から勝負したい。

〇ソーダズリング
 前走は内目の枠の馬が上位を占める中で唯一2桁馬番から掲示板内に好走。3着とは着差なしの4着であり能力を見せた。
 今回枠が良ければ逆らわずに本命でもいいかなと思っていたが、ちょっと外すぎるのと、狙いたかったアルーリングウェイが内を取ることが出来たので対抗に。
 前走の追切では珍しく坂路で失速ラップだったところから、今回はかなり好時計を連発しながら最終で51.5から終い12.0-11.7と前走比較で大きく上昇。動きも良く状態面で上積みに期待できる。
 京都の王、武豊騎手の継続騎乗で揃いすぎているくらい条件が揃っているのでここは逆らわず。

▲メイケイエール
 昨年のスプリンターズSあたりから劇的に気性が改善してきており、今回の調教時計からもそれを感じ取ることが出来る。
 これまでも、加速ラップの時は良績を残している傾向にあったが、今回の最終追切ではいつものCW4F追いで全体49.8から終い11.6-11.5と加速ラップでまとめることが出来ている。他にも加速ラップでの好時計が複数あり、かなり抑えが効きながら足を溜めることが出来ている。
 最終追切の動きを見ても、6歳になっての衰えはそこまで感じられず、引き続きこのメンバーに入れば能力上位。前走初海外から今回帰国初戦だが仕上がりは問題なく見える。
 ローテーション的にも前走でダート1400を使った分、今回逆風の延長ローテを回避することが出来ており、むしろ足元が芝に戻る分楽に競馬ができる可能性が高い。揉まれない外目の枠からスピードを活かしての先行、そのまま押し切って久々の重賞勝利があっても驚かないタイミングかなと。

△モズゴールドバレル
 前走東京マイルの秋色Sで3勝クラスを勝利しOP入り。今回いきなりの重賞挑戦だが、期待できる条件は揃っている。
 前走はかなりのスローペースを番手で追走。究極の瞬発力勝負を32.5の上りで勝利。昨年夏くらいまではあまりポジションが取り切れないが故に展開待ちの面があったが、近2走は先行する競馬から上位の上りを使うことが出来ており、順調に成長してきている。
 今回中枠で動きやすいところを取ることが出来たが、前走がどスロー先行だったがゆえに、今回はややポジション下げての競馬になりそうだが、追切の動きからもキレの良さは目立っており、持ち前の末脚が活きるコース取りができれば十分好走のチャンスはある。先週バビットを好走させた団野騎手への乗り替わりも期待できるポイントであり、2週続けての好騎乗に期待したい。

△ウインシャーロット
 昨年の阪神牝馬Sから10ヵ月ぶりの長休明け。テンのスピードあるので好枠を活かして自分の競馬が出来そうだが、復帰初戦いきなりでタフ馬場、スプリント質の先行馬の流れに巻き込まれたときに最後まで息が持つかと言われるとちょっと厳しいかなと思いつつも、調教の動きからは久々でも良く仕上げられている。
 昨年阪神で行われた京都牝馬でも2着に好走することが出来ており、キャリア前16戦で馬券内を外したのは2回のみの安定感も魅力。
 休み前と同等のパフォーマンスを発揮できればここは十分勝負になるとは思うが、メンバー構成からも展開利は望めないかなという点で評価を下げて△まで。

【無印の各馬】
・ナムラクレア
 能力的にはもちろんトップクラスと思うが、距離延長のミッキーアイル産駒、外目の枠ということで産駒傾向からはかなり厳しい。
 恐らくある程度前目のポジションを確保してからスムーズに外に持ち出してと堅い競馬を選択してくるかと思うが、マイル並みのスタミナを求められそうであり、それを外枠から勝ちに行くのは相当力が抜けていなければ……普通に来るかもしれないが、今回は飛ぶ方に期待したい。

・プレサージュリフト
 非常に狙いやすいタイミングだが、最終追切が3頭併せ馬の内側だったのがかなり気になる。
 木村厩舎なので基本的には重賞出走時など勝負をかけるときは3頭併せ馬の真ん中でしっかり負荷をかけてくるが、今回は東京9Rに出走するマーシャルポイントが真ん中でこっちは内側。マーシャルポイントはルメール騎手騎乗でこちらはキングスコート騎手……ちょっと勝負をかけてきているようには見えない。
 前走内容としてもテンの5Fが12.8-11.5-11.6-12.1-12.1とOPのマイルとは思えないどスロー。今回距離短縮でかなり早い追走スピードを求められることを考えると、馬場も相まって足を溜めるのはかなりハードルが高い。能力はあるがここは抑えまでとしたい。

・ロータスランド
 岩田騎手から松山騎手への乗り替わりで大外は厳しい。
 前走ハイペースを中団で競馬しているので後方に下げれば終いの脚は使えるとは思うが、あまりコースロスが大きいと物理的に届かない可能性が高い。

・テンハッピーローズ
 ここまでで触れていない前走1400m馬ではあるものの、足元悪化、追走スピード前走比でペースアップのエピファネイア産駒であり狙いたいタイミングではない。

 他触れていない馬は距離延長を嫌って今回は軽視したい。

【まとめ】

 かなりの穴馬になりそうですがアルーリングウェイから狙っていきたいと思います。
 京都1400で行われた5年分のレース映像を見ても、大外から末脚一気が決まるというよりはやはりインを上手く立ち回ることが好走につながるレースかなという印象。距離不安のある馬が多い中で牝馬がタフなコンディションを外回しで強引に勝ち切るのはハードルが高そう、穴をねらうなら内からですね。
 馬券的には
〇単・複 アルーリングウェイ
〇ワイド・馬連 2-5.11.13.15
 これをベースに狙っていこうかなと思います。
 アルーリングウェイ、デムーロ、頼んだぞ!!

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