【R5.9.9】紫苑Sの事前予想

【雨馬場】

 金曜日はかなりの雨量だったということで、少なくとも土曜日は不良馬場スタートでしょう。ただ、中山の水はけは正直異常です。思い出されるのは昨年のセントライト記念の日、前日にかなりの雨量があったのに重馬場スタート、どんどん回復してメインの時には稍重発表ではあったものの時計的には良馬場と差がないレベルまで乾いていたことがうかがえる状況でした。
 明日も予報では(信用ならないけれど)レースがスタートするくらいから晴れだしていい天気で競馬ができそうです。下手したらメインのころには良馬場よりの稍重まで回復することも考えておいた方がいい気がします。当日の馬場状態の変化は見逃さないようにしなければなりませんね。
 そして開幕週で渋った馬場だとインはともなく前有利なのは間違いない。その理由は単純で上がりの絶対値が削がれてしまうので、前が止まってラスト3F37くらいになっても、渋っているせいで差馬の上りが35くらいまでしか出なければ差さり切らないということ。
 前掛かりになりすぎて先行が全滅になれば後方から決まることもあり得るとは思うけれど後ろからの馬を軸にするのは得策ではない気がします。

【展開を握るのは…】

 展開を握るのは6フィールザオーラだと考えています。
 近2走で景気よく逃げているせいで馬としてもかなり折り合いが厳しくなっているようにも見えますし、前に行くならばかなり良い枠をとることが出来ました。そして走破タイムこそ目立たないけれど前走は4Fスパートで早めに後ろの脚を削ぎ、詰められたがコーナーで作ったリードを活かして粘り込み。斤量の恩恵があったとはいえ弱い馬にはできない逃げだったと思う。
 今回前有利の馬場でスタートを決めて好枠からハナを確保、主導権を握ることが出来た場合相当に有利、そして重馬場適性もかなり高い。
 問題はどのタイミングからスパートをかけるか。前走と同様強気に残り4F地点からスパートをかけて前有利の馬場で更に後ろの脚をそぐような展開に持ち込むことが出来れば勝ち負け。少し我慢して3.5地点から仕掛けようとした場合先行勢が被せ気味にスパートを仕掛けてくるので逃げはつぶれて好位の馬が押切り。出来るだけ追い出しを遅くしようとギリギリまで我慢した場合は後ろ主導でスパートが始まってしまうので後ろからでもなんとかなる。
 (意地が悪い感じで)言い換えれば三浦騎手がこの馬の力を信じて強気に勝ちに行くほど前有利、この馬のことを信じずに消極的な仕掛けをすればするほどフィールザオーラとしては辛くなる。
 私は消極的な仕掛けになる可能性が高いと見て予想をしたいと思います。

【重馬場適性】

 レース施行時までどれだけ雨が残っているかということですが、意外と乾かずに渋っていれば重馬場適性は重要になってきます。
 血統や馬体、走りからの主観的な意見になりますがメンバーで重馬場適性を考えると
S:フィールザオーラ、ミタマ
A+:ヒップホップソウル、エミュー
A:ソレイユヴィータ、ニシノコウフク
 かな、と考えています。人気の中だとモリアーナ、グランベルナデットは乾いた方が嬉しいかなと。

【予想印と各馬の評価】

◎10ソレイユヴィータ
 5枠10番は枠としてはギリギリ。できれば4枠より内が良かった。
 春のクラシック戦線には参加できなかったが福島の2連勝を含めて3連勝。夏の上がり馬として今回参戦だがいきなり勝ち切っても不思議はないと思う。
 理由としてはスタートの良さと操縦性。この枠順であればフィールザオーラを目標に前目のポジションを取りやすく、バイアスと先行意識が高い西村騎手と継続騎乗というのもかなり心強い。
 前走は3か月の休み明けで大きく馬体を増やしており、追切も緩めの内容だったところから圧倒的逃げ有利の展開を楽に差しきって快勝。夏の2勝クラスでは全く苦にしないだけの力を示した。
 先団に構えられた場合、フィールザオーラが仕掛けどころを遅らせるほどこの馬主導でスパートをかけやすく展開的に利もある。
 追切の内容もかなり良いものが目立っており、2勝クラスを軽くひねったところからしっかり上積みがあればここでもあっさりがあり得る。ライバルのグランベルナデットが外目の枠を引いたのも大きい。ここは自信をもって本命を打ちたい。

〇14グランベルナデット
 良馬場だったらこの馬がこのメンバーだと抜けて強いと思う。この一週間かなり話題になっていたが忘れな草賞のパフォーマンスはかなり評価できるもの。後半のスパート力も非常に高く、前目から早め抜け出しを狙って押し切る安定感のある競馬ができる。
 世代の上位走と比較してもクイーンCではインから足を伸ばした馬に向くバイアスを出遅れて大外回して僅差の5着と差はない。
 ただ、走り、血統的にも馬場が渋るのは向かい風で、外目の枠となってしまったので、いくら最初の直線が長いとはいえ、強引に前目のポジションを狙うと足を使ってしまう。
 どれだけ乾いてくるかにかかっている部分はあるが、能力だけで多少の不利条件は跳ね返してくる可能性はある。
 秋華賞出走に向けてここは落とせない一戦とかなり仕上げられている印象もあり対抗以下には落とせない。良に近づくほど評価が上がる。

▲1ミタマ
 最内枠は一長一短だが最内枠から控えたらかなり厳しいということを踏まえて思い切って出しに行くことが出来ればチャンスがある。血統的にもハーツ×ジャイアンツコーズウェイということで重馬場適性がかなり高く、この馬自身の馬体、走りを見ても重心の低い走りで安定感があり、キレよりも持続力。相当の重馬場適性を感じる。
 前走の走りも距離延長で良い走りができており、ロングスパートで後方から強い勝ちきりを決めたのは評価できる。内回りの2000というコースも悪くはなさそう。
 スタミナが求められる展開になればなるほど面白い。

△6フィールザオーラ
 ここは前段で書いているので手短に。正直これが何でもない平場だったらこの馬の単勝をちょろっと握って運試しでもいいかなと思えるくらいの期待値はある。

△3ヒップホップソウル
 グランベルナデットと逆に渋れば渋るだけ評価が上がる。血統的にもこの馬の個性としても渋った馬場は苦にしないタイプ。ただ気性がそこまで大人しいタイプではないというか荒々しいタイプなので内枠で揉まれるのは美味しくない。スタートで後手を踏んでポジションを取れないパターンも苦しく安定感に欠けるということでこの評価まで。
 武史騎手への乗り替わりでこの枠だと積極的に出していきそうな感じはするが、馬がどこまで答えられるか。
 あんまり前がスパートをかけ渋ってこの馬主導でスパートが始まってしまうと前に構えた馬が苦しくなる。人気の割に勝ち筋は細く期待値はかなり低いが3連系で馬券を考えると外せない。

穴8ニシノコウフク
 全く人気をしなさそうだが悪くない。先行力はあるし、枠もかなり良い位置を引けたので積極的に前目に位置どることが出来れば馬券内に入ってくる可能性はある。渋った馬場も追い風。
 前走は函館で大きく負けてしまったが、前肢を大きく前に出す走りをする馬なのでラストが下り坂になる函館のコースも合わなかったように見える。
 前に厳しい展開となったフラワーCで0.6差の7着、追切もかなり動いており前走大敗から実績ある舞台に戻るのは馬券的にもかなり美味しい。
 この人気なら買わない理由はないかなと思える馬。

【無印の各馬】
・モリアーナ
 内枠で、典さん騎乗だと下げてから差しに行くようなNHKマイルの時みたいな騎乗が頭をよぎる。前回はそれでよかったが、今回後ろからになってしまうと展開的にかなり不利。距離延長で斤量減の休み明けはエピファネイア産駒的にはかなりの買いポイントだが、なかなか渋った馬場ばかり走る馬。乾いてくればまだチャンスはあるが…

・キミノナハマリア
 ルメール騎手への乗り変わりは面白く、先行して押切に行く競馬もできると今回のシチュエーションにはかなり向く。渋った馬場もそこまで悪くなく基本的にマイナス要素はほぼ無い。
 前走札幌で3着だが、逃げた馬にかなり有利なラップかつ、差しきった勝ち馬は洋芝適性、能力を考えても仕方がない面はある。評価を下げる内容ではなかった。
 ただこのメンツで勝ち切れるかと考えるとパンチに欠ける感は強く、印が回らなかった理由としては追切の内容がかなり緩めだったことが大きい。秋華賞に向けて逃せない一戦でわざわざルメール騎手を配してきているのにこの手ぬるい追切内容は意図が読めず、そこまで強い勝負気配を感じられなかった。3連系ならば抑えで買っておきたいが来ても3着まで。

・エミュー
 外枠になったのはこの馬としては悪くないが、馬体が小さい分夏をはさんでの成長力に期待しづらく、追切映像からも大きな成長は感じられなかった分印は回らない。フラワーCの際は前がつぶれ気味の展開を掬った面もあり、渋ったからと言って急に評価を上げられず、それで少し人気が上がるならば妙味も薄い。

・ミシシッピテソーロ、ワイズゴールド
 内目の枠を取れたのは悪くないが2F以上の距離延長の馬にはかなり展開的に厳しいかと思う。スタミナ、先行力、ある程度の終いのキレが求められることを考えるとここでは分が悪い。

・その他の馬
 基本的にレース質として外枠は厳しい。枠なりに外々を回した場合不利が大きく、無理してロスを抑えるためにポジションを取りに行くと最後使える足が削がれる。その不利を巻き返すには内の馬が強く逆転は難しい。アップトゥミーはある程度人気をしそうだが広いコースで早い馬場がベストかと思う。

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