【R6.6.9】函館SSの予想

【前か後ろか決め打ちするレース】

 シンプルに過去の傾向を見ても、逃げ馬が残って、そのまま先行した馬を引き連れて決まってしまうか、前がつぶれたのを後ろから差さるかで、馬券内に来る馬の脚質が展開によってはっきり分かれるレース。
 今年は1番人気になりそうなのが逃げ馬のアサカラキングということで、ここに逆らって差を狙うのか、アサカラキング強い、逃げ切ってそのまま先行で決まると見るか、ここを考えるのが今年の函館SSの予想の肝になります。

【もちろん差を狙います】

 オッズ的に期待できるのは差し決着なので、今年の人気と脚質を考えればまず差決着に期待できる要素は無いか探すのが常道。
 そもそもですが、この函館1200というコース自体、あまり逃げにやさしいコースではないというのが私の見解。というのも向こう正面の奥、引き込み線からスタートするので、スタートから最初のコーナーまでが長く、4F近く緩い上りを駆け上がって、その勢いのままにコーナーを曲がったら下りになってすぐにゴールがあるというのがこの函館1200。
 昨年の函館SSがかなり象徴的ですが、逃げたテイエムトッキュウが坂を上り切ってコーナーに差し掛かったあたりで既にいっぱいになってズルズルと下がってきてしまうように、ハイペースになってしまった場合、相当逃げ先行馬には負担が大きいスタミナコース。基本的に近年で逃げて結果を出した馬は距離短縮ローテだったダイメイフジとビアンフェ、前走高松宮記念2着から相手弱化で迎えたセイウンコウセイ、あとは小頭数かつ稍重で函館SSにしては珍しいミドルの流れになったカイザーメランジェの4頭とこのスタミナコースに対応しやすいローテだった。
 じゃあ今回のアサカラキングはどうかというと前走OPから相手強化、同距離での挑戦となります。前走のモルガナイトSは前半32秒台で最内から強引に逃げての勝利で強くは見えますが、距離短縮ローテ×重馬場→良馬場のローテ×内有利のバイアスとかなり追い風要素がかみ合ってのもの、あまり過剰に評価はできない内容かなと思っています。
 また、アサカラキングが逃げて刻むラップにも特徴があり、基本的にペースが緩むのはコーナーくらいで、加速できるところは飛ばせるだけ飛ばして最後止まりながらも凌ぎ切るのがアサカラキングの逃げ。前走ののモルガナイトSは11.8-10.4-10.8-11.2-11.4-12.1と最後かなりしっかり止まっており、映像を見てもかなり詰め寄られたが、何とかセーフティーリードでしのぎ切ったという感じ。この逃げ方はかなり函館1200と相性が悪そうで、4F全力で坂を上り切ったところからラスト2Fの平坦から下りでぱったり止まってしまってもおかしくない。
 土曜の傾向を見ても、1Rこそ能力が抜けていた逃げ馬が逃げ切ったが、あとはいつもの開幕週の函館らしく、まだ内が踏み固められていない影響もあって、逃げが残しきれないレースが多く、決して前有利とは言い難いバイアス。
 アサカラキング単体で見ても厳しいのに、逃げ勢の中では内枠になってしまったことで、外からシナモンスティック、カルネアサーダ、ウイングレイテストなど能力のある逃げ先行勢がガンガン外から被せてくることも想定される。
 ローテ×、コース×、脚質×、馬場状態×、枠並び×と逃げ切るにはかなり厳しい条件が揃ったように見える今回、アサカラキングというか逃げ先行勢は全消し、狙えそうな差馬を広めに拾っていく方向で攻めたいと思います。

【予想印】

◎7シュバルツカイザー
〇9キミワクイーン
▲12ジュビリーヘッド
△15マテンロウオリオン、16ゾンニッヒ
 これで行きます!!

【各馬の評価】

◎シュバルツカイザー
 大まかな方向性は前述のとおりですが、何故この馬を本命にするのかというと理由は大きく2つ。
 1つは血統条件を満たしていること。
 基本的にスタミナ、タフさが求められるスプリントこそ、中距離質な要素、サンデー系など芝の中距離血統を持っていたりする方が適性を見せることが多く、それはこの函館SSを見ても色濃く出ている。良馬場で行われた直近4年は特に顕著で馬券内に好走した12頭中11頭が父か母父にサンデー系を持っている。
 過去に遡っていっても基本的に穴で好走する馬はサンデー系、もしくはスタミナを強化するノーザンダンサー系の血を持っている傾向にあるので、今回も選ぶならばここを満たしておきたい。
 シュバルツカイザーは父DarkAngel、母父Nashwanなので、父がノーザンダンサー系、その中でもDarkAngelはマッドクールがかなりタフなスタミナが求められた高松宮記念で勝利するなど、中距離質なレベルでスタミナが要求されるようなスプリントへの適性が高く、母父のNashwanも英国中距離G1で驚異的な実績を残した馬であり中距離質のスタミナを更に強化。自身も重症で最も惜しい結果だったキーンランドCは重馬場の洋芝でかなりタフな足元、それを不利な大外から斤量増のタイミングでもスタミナを示す形での4着と、普通のスプリンターが苦しくなるような条件でこそ光るものを持っている。
 近2走大きく負けているが、2走前はスタートからのポジション取りで不利がありまともに競馬になっておらず、前走は中京の大外枠で重馬場と絶望的な条件と度外視可能。続けて気持ちよく走れておらず、今回スムーズに競馬ができれば、一気の巻き返しがあってもいい。洋芝実績は豊富で足元に不安なく、前走G1→今回相手弱化、重馬場→良馬場とタフなレースにも対応しやすいローテ、調教もしっかり美浦で仕上げてからの輸送であり、抜かりなし。かなり狙える条件が揃ったのでここは狙っていきたい。

〇キミワクイーン
 昨年の覇者であり、ハイペース展開への対応、舞台適性については全く不安なし。昨年のこのレース以降結果が出ていないが、相手も強かったり、舞台適性が厳しかったりでそれぞれに理由はある。
 今回はローテがかなり魅力的で、前走適性外の1600で先行する競馬をしてからの短縮で臨むことが出来るのはスタミナを要するレースになることを想定するとアドバンテージが大きい。
 また、昨年から馬体重を10㎏増やしており、調教で見せる末脚のキレにも磨きがかかっているので、差が決まる展開でのパフォーマンス上昇にも期待が持てる。もう少し人気が落ちて欲しかったが、5.6人気で買えるならば十分狙っていける。

▲ジュビリーヘッド
 いうまでもなく函館巧者、2年連続函館SSで馬券内に好走しているものの流石にここ最近結果が出ていないこと7歳という年齢もあってか人気をしていない。
 だが、安田厩舎の解散に伴い前走から西園厩舎に転厩となっているが、坂路の時計が早くなるとともに、動きも復調気配を見せている。
 前走の春雷Sは9着とは言え着差はそれほどなく、ミドルの展開から切れ味を求められたのがジュビリーヘッドに合っておらず、荒れ気味の内二枠なりに閉じ込められたのも苦しかった。
 前走の復調気配から更に状態アップでここに向かってくることが出来れば十分に3年連続好走にチャンスはありそうで、枠も、先行争いに巻き込まれずに自分のリズムで運べそうな6枠というのは悪くない。

△15マテンロウオリオン
 常に展開待ちの競馬になっているが、今回とうとうそれがハマってもおかしくない。1200に距離を短くしてから3走目、前走G1を経験してからの相手弱化で57㎏ならば流れにのって末脚を溜められてもおかしくない。
 調教の動きもかなり目立ついい動きが出来ており、和生騎手に乗り変わりのタイミングというのも面白い。

△16ゾンニッヒ
 前走はモルガナイトSで6着だが、かなりイン有利のバイアスがあった中での大外枠、枠なりに外々を回す競馬でロスも大きく、内をロスなく回ったアサカラキングが勝ったのと比較すると真逆の競馬になってしまった。
 今回も大外になってしまったのは残念だが、武豊騎手への乗り変わりならば割り切って控えて末脚に賭ける選択をすることもありえそうで、前走ハイペースに付き合ってポジション取りにも足を使う競馬をした分、切れ味を増す可能性も。

【無印の各馬】
 抑えるのは血統適正を見たしている差ということで
1サウザンサニー
2カイザーメランジェ
 の内枠2頭と、2Fの短縮で挑む
14セッション
 あとは扱いが難しいところではあるが、前走極端な高速馬場でスタミナが求められた展開を短縮ローテ噛み合ったとはいえ1.06.9と破格の時計で制したジャスティンスカイまで抑えておきたい。

 人気どころで言えばサトノレーヴは昨年あえなく散ったテイエムトッキュウと同じロードカナロア×サクラバクシンオー、ビッグシーザーは前走重馬場とは言え内から勝ち馬と近い競馬をしつつも離された7着で評価しづらく、今回外枠から先行してしまうとスタミナ不安ということで軽視したいと思います。ウイングレイテストはこの展開で前に行って59㎏で勝ったら天晴ということで。

【まとめ】

 人気に逆らっての差決着想定での馬券ですが、逆らえるだけの要素は揃っているレースだと思います。
 馬券としては
〇単勝 シュバルツカイザー
〇ワイド 印5頭BOX
〇3連複 7-9.12-9.12.15.16(1.2.14) 印5頭のフォーメーションを厚めに
 という感じでリスクある勝負の仕方なので金額は入れ過ぎずに絞ってリターンを狙う感じで行きたいと思います。
 洋芝巧者が展開、ローテをかみ合わせて能力爆発!!これに期待して明日は楽しんでいきます!!

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