【R6.2.25】阪急杯の予想

【無視しても良さそうな傾向】

 1400mの重賞にはありがちな傾向ですが、阪急杯も例にもれず前走1200mからの延長組は苦戦傾向。過去10年で見ても馬券内に好走したのは7頭のみであり、好走馬の多くは同距離か短縮組。
 この傾向は今年無視して良いんじゃないかな~と思っています。
 というのもこういった傾向が出るのはまあ当然のことで
・阪神1400m自体基本的にはイン前有利のコース形態。
・開幕週に行われる重賞ということもあり、先行のポジション争いが激化しやすくペースは流れやすい。
→距離延長の先行脚質には厳しい展開になりやすい。

 簡単に理由が分かるデータです。じゃあ今年の阪急杯は同じように逃げ先行のポジション争いが激しく、ペースが激化するような展開になるのかと考えると……メンバー的にそれは無いんじゃないかなと思います。
 逃げたいであろう馬は5メイショウチタンと16アサカラキングぐらいで、アサカラキングがちょっと外目の苦しい枠には入ってしまいましたが前走も外目から強引に取り切ったように促して前にはいくんじゃないかなと。
 その後ろにつけたい馬も”スピードに任せて押し切りたい”というタイプが見当たらず、先行馬と言っても”好位で足を溜めながら末脚を伸ばしたい”方が多く、逃げ争いにちょっかいを出してペースを流したくない馬が大半なので、阪急杯としては珍しく”早くてもミドルペースで求められる追走スピードが遅め、延長ローテが苦にならない前有利の展開”になるんじゃないかなと思います。

【雨の影響】

 日曜日の阪神は一日中雨の予報ということで、恐らくレースが行われる時間帯の馬場状態は重~不良になると思います。
 馬場が渋った時にレースに与える影響は様々あると思いますが、今回のレースを考えるにあたって最も重要なのは”トップスピードが制限される”という点かと思います。
 どんなにスローで足が溜まっている状態だったとしても、ぬかるんだ走りにくい馬場で32秒台の切れ味を発揮して追い込むなんてことは物理的に不可能。現実的には34秒台半ばから後半が上がり1位になることが多い。
 出せる上がりのトップスピードが馬場によって制限されるということは、差馬が前との差を詰められる距離も短くなる。これを意識しなければならない。
 今回は展開予想として、比較的前が楽な流れを想定しているので、重馬場とは言え先行勢も遅くとも35秒台前半の上りでまとめてくるんじゃないかなと思います。仮に先行勢が35.4の上りでまとめて、後方の差馬が34.6で差してきたとした場合、詰められるのは0.8秒だけ。これは距離にして大体14mくらいなので、単純計算で差馬は先行馬から6馬身くらいの位置につけていなければ届かないということになる。現実的には差す方はある程度外目に出して進路を確保することになるので更に猶予は少なくなることを考えると、渋った馬場で前有利の展開になってしまうと差馬は思っている以上に届かない。
 ということで今回は差し脚質の馬はバッサリ切って、先行馬を中心に選びたいと思います。

【予想印】

◎6タマモブラックタイ
〇9サトノレーヴ
▲5メイショウチタン
△3サトノアイ
 これで行きたいと思います。

【各馬の評価】

◎タマモブラックタイ
 いやぁ……今回絶好の狙い時じゃないですか?
 ストライクゾーンは1200~1400、スプリントでも先行できるだけのテンのスピードがあるので今回のメンバーならば内を活かして好位に構えられる可能性はかなり高い。
 雨で馬場が渋ることは必至だが血統的にもデクラレーションオブウォー×ブラックタイドということで、まさに良馬場では少しスピード不足で渋った馬場は大歓迎。実績的にも稍重以上ならば距離適性外のNHKマイル以外は全て連帯。今回は久々の渋った馬場。
 前走は北九州短距離で7着に負けているが理由明確。パトロールビデオをしっかり見れば分かるが、スタートから2歩くらいでたタイミングで内のジレトールからともあたりにタックルを受けており、後肢が流れるような感じでややバランスを崩している。それでも前目のポジションを取れたのは収穫であり、今回、不利なくスムーズに前に行ければ、前走比較で楽に感じることが出来る。斤量が前走比-1㎏もかなり良い。
 上がりの限界が33秒台後半なので、トップスピードが試される条件ではやや足りずというところだが、雨が降ってそこがカバーされれば上位好走も期待できる。メンバー、枠、トラックバイアス、天気の全てで恵まれた今回を狙わずにいつ狙うのか。

〇サトノレーヴ
 キャリア5戦4勝と底を見せていないが、勝利内容はいずれも優秀。馬格もありスケール感のある走りであり、調教からも今回休み明けを感じさせない勝負仕上げ。しっかり力を出すことが出来ればここでも勝ち負けになる能力は持っている。
 サウジの影響で上位の騎手がごっそり抜けている影響で小崎騎手に乗り変わりが最大の不安材料。枠的にも5枠9番と内枠というにはギリギリの難しい枠。先行意識が強く出過ぎて外々を回す競馬になってしまうと距離延長分最後伸びを欠いてしまうかもしれない。
 能力は足りているが、乗り方次第。

▲メイショウチタン
 逃げ候補のライバルとなるアサカラキングが8枠16番になった一方でこちらが内目の枠を取れたのはあまりにも大きすぎる。
 前走ハイペースのダート戦だったこともローテ的に今回渋った馬場での競馬にプラスに向きそうであり、こちらもかなり条件が揃った馬かなと思う。
 追切でもしっかり時計を出して好走した時と同様のパターンであり、状態も良さそう。雨を味方にした粘り込みに期待。

△サトノアイ
 大穴で期待したいのがサトノアイ。
 単距離の重賞では基本的にワンパンチ足りないが雨とトラックバイアスの助けがあればひょっとすると届きうるかもしれない。
 2勝クラス、3勝クラスは内枠を活かして好位からしぶとく足を伸ばしての競馬。スプリントだとなかなかポジション取りが安定しない馬だが、内枠を取れた時は半分より前で競馬が出来ており、スタートセンス自体は悪くない。今回のメンバーと枠ならば1枠の2頭より前に構えられるようなことがあればかなり大きい。
 元々のスピードは高くないが、その分渋った馬場を苦にしない安定感のある走りができるので今回はそれが魅力。前走から中一週でも好追切で仕上げられており、いい状態でここに臨むことが出来る。単勝オッズ200倍超の17番人気?阪神1400で内枠を取れたうえに前に行ける可能性がある馬が?
 えー……抑え得です。

【無印の各馬】
 上位評価の各馬がかなりの穴なので、3連系では広めに抑えようと思いますが人気馬の見解だけ

・ウインマーベル
 正直雨は嬉しくない。走りからも血統からも前走のような高速馬場でスピードの持続力やスピードが活きる条件がベスト。最内枠というのもピンパーであり、そこまでスタートが安定して早いタイプでもないので後手を踏んで3列目くらいになってしまうと馬場状態込みで飛ぶ可能性が出てくる。
 オッズを考えると飛び期待の方が。

・ダノンティンパニー
 こちらも同様に高速馬場でディープのスタミナが活きるハイペース戦がベスト。外枠に入ったのは結構致命的。前走が緩めの流れだった1600mを中団で競馬をしたので、外から無理にポジションをあげようとしたときに前走とのギャップで足が溜まらない。条件戦の勝ち方が圧巻だったので過剰人気にもなっており、血統、展開がかみ合ってハイパフォーマンスだった六甲アイランドSとは同舞台だけど全く違う適性が求められそうな今回、切って勝負した方がいいか。

・アサカラキング
 8枠はかなり苦しい。いくらテンの脚が早く前に行けるとはいっても渋った馬場でスピードを出して前を取り切るのはそれなりに負担が大きい。
 そこで足を使う分、終い伸びを欠く可能性は高く、それならば内をロスなく立ち回って足を溜めた状態で直線を向ける馬を高く評価したい。

【まとめ】

 開幕週の阪神1400なんだからそりゃイン前有利でしょう。
 このレースの傾向としては外枠からも結構来ているんですが、良馬場でハイペースになった時は外から勢いをつけて前を取り切れた距離短縮馬に向きやすく、イン前を活かして前を取りに行った延長馬がオーバーペースで粘り切れないので当然の傾向。重馬場ならば無視して良い。
 馬券としては
・単勝 タマモブラックタイ
・ワイド 6-3.5.9
・3連複フォーメーション 6-5.9-1.2.3.5.7.8.9.11.12.14.16.18
  これをベースに、広めに狙って高め狙いで行きたいと思います。
 かなり距離延長ローテが苦戦するファルコンSを重馬場で勝利した馬ですからね、今回ほど条件が揃うタイミングは無いと思うので、タマモブラックタイ頑張ってほしいです。

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