【R6.3.3】弥生賞ディープインパクト記念の予想

【3強オッズ】

 前日オッズ時点で
・トロヴァトーレ 2.5
・シンエンペラー 2.8
・ダノンエアズロック 3.5
 と実績上位のシンエンペラーと無敗の期待馬2頭で完全に3強オッズを形成、それに続くようにしてこちらも無敗のファビュラススターが9.8で続いてここまでが10倍を切る状況。
 東スポ杯2着のシュバルツクーゲルが19.4であとは大きく離れたオッズになっているので、レースの予想をする以前に、馬券を買うことを考えるのであればこの上位3頭の扱いから考えていかなければならないので、まずは上位3頭の評価から。

・トロヴァトーレ

 いやー前走の内容が強すぎる。
 前走の葉牡丹賞のラップが12.6-11.2-12.4-12.7-12.8-12.2-12.1-11.7-11.3-11.4とまさに弥生賞っぽい最初2Fのポジション争いが終わった後は緩んで上がり勝負といった内容。
 前有利の展開を中団から馬郡を割って上がり33.9で差し切っての0.3差快勝……上がり33.9はあまりに規格外。
 葉牡丹賞で33秒台の上りを使った馬はトロヴァトーレ以外におらず、弥生賞で見ても33秒台で上がっているのはワグネリアンとマカヒキのみでいずれもダービー馬。つまるところ過去のダービー馬が3歳の3月で出すレベルのパフォーマンスを2歳の12月で既に発揮している、これはちょっと異常ですね。というか新馬戦を同舞台で33.8で上がっている時点で異常性は見せていたわけですが……そりゃあ前走後にビュイック騎手からダービー候補との言葉も飛び出るわけです。
 皐月賞では既にレガレイラに騎乗が決まっているルメール騎手を今回確保してきているだけでも絶対にここで出走権を手にしようという陣営の気合が伝わってくるところであり、デビューから適度に間隔を取りつつダービーまで逆算されたような狙いすましたローテ。ここは前哨戦と言えど勝負気配が高そうであり、人気馬の中ではかなり信用できるかなと思う。

 これは週頭の考察で書いたことですが、まあこれまでのレース内容から言えば特に逆らう必要はないかなと思う。
 脚質も魅力的で、このメンバーで、中山2000を走った時はまず間違いなく上がり最速で差し込んできてくれると思うので、絶対に勝ち切るかはともかくとして、馬券内は信用しても良いかなと思う。
 調教の内容も一週前がCWで6F84.1から終い11.8、日曜に坂路で55.2から終い11.7と好時計で攻めてきていたので、これは最後はさらっと終い重点カナと思っていたが、最後まで攻め切っての6F79.5から終い11.6の猛時計。動きからも特に疑う要素が無く、ここを絶対に落とせないという強い気迫を感じる。
 枠的にもど真ん中の6枠6番、唯一の懸念としてスタートからの一歩目がそこまで早くないというのがあるが、この枠ならば多少出が悪くても致命的なポジションにはならなさそうだし、先週、今週と雨の影響残る馬場で競馬が行われたことで、特に3.4コーナーの最内の傷みが2週目とは思えないレベルで進んでいるので、例年ほどイン前有利のレースにもならなさそうなのも追い風。ここは文句なしで馬券の軸で良いんじゃないかな?

・シンエンペラー
 新馬勝ち→京都2歳勝ち→ホープフルS2着とここまで順調にキャリアを積んできており、賞金的には不安もない中でしっかり前哨戦のここに出てくる。
 しかもテン乗りの川田騎手を鞍上に迎えているが、本番は恐らく川田騎手はジャンタルマンタルに乗るであろうことを考えると、ここへの出走意図はいわゆるG1に向けての叩き以上のものは見えてこず、勝負気配という点で考えるとそこまで高くないのかなとは思う。
 調教の時計的にも最終追切は坂路で54.6から終い11.9の加速ラップで、道中しっかり我慢させて終いを伸ばす内容。動きも以前のこの馬の調教と比べても大人しく、良く言えば無駄な動きがなくなったともいえるが、悪く見れば休み明けでピリッとしてこないという感じ。
 じゃあここは軽視してもいいか?と考えると……それは無い。
 2歳の3戦、特に京都2歳とホープフルから強く感じたのは”強いけれど幼さが目立つ”というところ。京都2歳では後方からになったが折り合いが難しく、道中でモレイラ騎手が上手く動かしながら直線は馬郡を捌いて差し切りと”強いけれど騎乗あっての薄氷の勝利”。
 ホープフルは一変スタートから先行して逃げを見るようなベストポジションで競馬、ペースが速かった分折り合いはそこまで難しさを見せなかったが、直線で早めに抜け出した後はソラを使ったような感じで気が抜けてしまい、最後はレガレイラの勢いに差された。
 今回川田騎手をわざわざ手配して、この舞台で何をするかと言えば教育でしょう。枠も内目の良いところを引いたので前走同様スタートから出して先行の好ポジションに収めて、そこで我慢をしながら足を溜める。直線では前走の再現のように抜け出そうとしかけたうえで、しっかり最期まで足を伸ばせるよう川田騎手に追ってもらう。本番に向けてこの競馬を教え込むために今回使ってきたと考えると”勝負気配は高くないものの、大崩れが考えづらい競馬をしてくる可能性が高い”ので、ここは軽視できない。
 軸として考えた時の懸念点があるとすれば、前走との比較だと恐らく道中のペースが緩くなるので、そこで折り合いの難しさが出て、力みながらの追走になった時に終いの伸びを欠かないかというところ。不安があるとしたらこれくらいなので、人気とはいえ無理に逆らうべきではないのかなと。

・ダノンエアズロック
 新馬戦、アイビーSと連勝しての今回。初戦は6月と早く、稍重の東京1800を先行して、タフな持続力を求められる展開を好タイムで押切。次走のアイビーSでは一変してどスローの展開、好位で足を溜めて上がり最速の32.7でポジションの優位を譲らずにレガレイラを抑えての勝利。2走とも違った個性を示しつつのハイパフォーマンスであり、今回人気するのも理解できる。
 が、3強でどれを疑うかと言われるとここかなと思う。まずは前走のアイビーSがどスロー過ぎること。レガレイラはその次走のホープフルSでペースのギャップも苦にせず勝利しているものの、1000m通過が63.1秒というのはあまり歓迎できる内容ではない。前走の切れ味はあくまでどスローもどスローで最大限足を溜めた時にどれだけのトップスピードが出せるかの指標であって今回に通じる内容ではない。自身の能力で前走から加速する流れに対応できるかがまずカギになる。
 そして調整過程にも不安が残る。ダノンエアズロックは堀厩舎の馬だが、堀厩舎と言えば一週前CW好時計→日曜坂路早め加速→最終もCWで好時計というのが定番の好成績パターンだが、今回は日曜坂路で早めの時計が無い。
 一週前にCWで5Fだと64.9から終い11.3-11.1と破格の時計を出しているが重だったことを考えるとちょっとやり過ぎなくらいの内容。そんなやりすぎな内容から日曜での攻めをなくして最終でまたCWで猛時計を出してきている。時計は派手だが、そこまで順調という印象は受けない。
 また、調教の動き的にも、中山への適性どこまでか?という不安もある。走り方はかなりストライド大きめでしなやか、器用さがあるのでコーナリングもこなしているが、コーナーで積極的に動きながら加速していける感じには見えず、無理にコーナーで動こうとすると膨らんでしまう懸念あり。調教映像でも直線を向いたときの手前替えは1週前、最終共にもたついており初の右回り、小回りは課題になって来そう。
 今回で皐月に出るかどうかの判断であり、ダービーにかなり重きを置いている可能性も高そうで、前走内容、調教内容踏まえてちょっと疑ってみてもいいのかなと。

 3強の扱いはトロヴァトーレとシンエンペラーには逆らわず、ダノンエアズロックが崩れることに期待して馬券を考えていきたいと思います。

【予想印】

◎6トロヴァトーレ
〇5シンエンペラー
▲10ファビュラススター
△11ニシノフィアンス
 これで行きたいと思います。

【各馬の評価】

 トロヴァトーレとシンエンペラーについては前段で書きましたので省略。ファビュラススターの評価に入る前に、当初評価しようと思っていたシュバルツクーゲルを無印にした理由について。

・シュバルツクーゲル
 本来であれば歓迎すべき内の好枠をゲット、枠並び的にも少し控えそうなアドミラルシップ、不良馬場の経験しかないレッドテリオスが内ということで楽に前に行くことが出来そう。
 西村騎手も前走思い切って最内から出していっているように「この馬は前に行ってなんぼ」と考えていそうなので、今回も臆せず逃げの手を打つことが想定されるが、そうなると真後ろにシンエンペラー川田が構えることになる。
 前走のシュバルツクーゲルの内容かなり評価できるとは思うが、後ろにシンエンペラーが構えるのはかなり展開的には嬉しくない。スローに落とすとシンエンペラーの折り合いが難しくなりかなり強くプレッシャーを受ける。タイトなペースにしてもむしろシンエンペラーは得意な流れになって、ホープフルのようにコーナーからスタミナを活かした早め仕掛けを一身に受けることになるので目標にされる上に足を使わされる。シュバルツクーゲルが今回好走するには真っ向勝負でシンエンペラーを上回る必要があるが、それのハードルを上げるのが勝負所でかなり内が荒れている点。
 普通に走ってもかなり足を使わされそうな馬場コンディションなのに、そこで外から被せられるのはかなり苦しく、能力的には全然上位に評価したいものを持っていると思うが、週頭ではここまで内の馬場が厳しくなることを想定していなかったので、土曜の競馬を踏まえてここは評価を落としたい。

▲ファビュラススター
 シュバルツクーゲルの見解を裏返せば、シンエンペラーがしっかり前目で競馬をした場合に展開的には前の負荷が強く差し優勢。ならば初戦、前走と良い末脚を見せて結果を出してきているこの馬は高めに評価したい。
 今回も外枠になったので、無理せず後方で足を溜める競馬を選択すると思うが、早めのスパートが求められながら最後まで足を伸ばす競馬は前走で経験しているので持続力の面で不安は無く、むしろ不向きな展開を脚力でねじ伏せた前走から、同じことをしても展開的に向きそうな今回は上昇に期待できる。
 前走比較でクッション値が下がるのはどうかなと思っていたが、土曜が稍重でも9.1まで上がっており、そこから乾く一方であることを考えると、思いのほか日曜は高めクッション値の良馬場になりそうでもあり、前走比較での足元悪化は気にしなくていい。
 CW中心の調教で、今回のレースに向けてラスト2週坂路を使っていないのは気になるものの、最終追切の動きは外ラチ沿いを回しながらかなり力強く活気のある走りで終い11.1と状態よさそうで、この終い重点の走りがこのレースでも発揮できれば十分チャンスはある。

△ニシノフィアンス
 今回前に行く馬で買うならばこれ。
 前走の京成杯では12番人気の低評価を覆して5着に健闘。勝ち馬のダノンデサイルとは0.3しか差が無く、今年の京成杯はかなりメンバーが揃っていたと思うので、重賞でもやれる力を見せることが出来た。
 個人的に注目しているのは、これまでデビュー戦、前走と中山を使っているものの、とにかくコーナリングが下手。初戦、前走の追切、前走の全てで勝負所で逆手前になってかなりロスも負荷も強いコーナリングになっており、そこで一度失速してから盛り返しての新馬勝ちと前走5着であり、かなり高い能力を感じさせる。
 そこで今回の追切、なんと初めて逆手前にならなかった。CWで3頭併せ馬の内側、前に馬を置いて追走してコーナーで並びかけ、直線では余裕のある手ごたえで抑えてじっくり併せ馬をしながら併入、終い11.8-11.7と早いスピードを楽にキープすることが出来た。一週前も好時計を出してから、日曜に坂路で55.1から終い12.4の加速ラップで調整過程も良く状態面でも上積みが見込めそう。
 今回外枠になったのは本来嬉しくないが、小頭数なので純粋なスタート位置的には許容範囲内の11番、前走が最内から内の2列目、馬郡で揉まれながらの競馬だったので、今回外に何も置かずに楽に走ることが出来るのはプラスにもとらえられるし、荒れた内を通らずに先行できるというのも面白い。
 実戦でも上手に手前替えをすることが出来れば、シンエンペラーが前を潰すのに併せるようなタイミングで進出し、上位好走の可能性も十分あり得るのではないかと思う。

【無印の各馬】
 無印の各馬で抑えたいのは7コスモキュランダ
 前走ファビュラススターと差の無い競馬が出来ているのにここまでオッズの差が生まれるなら馬券妙味的には抑えておきたいし今回の差し優勢の展開予想にもフィット。ただ、それでも前走ファビュラススターを捕まえきれなかったのは事実であり、ここでいきなり逆転には期待しづらく、差し比べになった時に、ファビュラススター、トロヴァトーレを上回る確率は低めかなというところで念のための抑え程度にしたい。

 他にもシリウスコルトやアドミラルシップも魅力的な要素はあるものの小頭数でそこまで手を回すと当たっても回収率が悪くなってしまうので今回は軽視で行きます。

【まとめ】

 今回の弥生賞は「シンエンペラーと川田騎手を信用して、前には苦しくなる展開を決め打ち。トロヴァトーレとファビュラススターの差し込みに期待しつつ、ニシノフィアンスがコーナリング上達で真価発揮を夢見る」という感じです、ダノンが来たらどっちにしろ配当が安いので切ります。
 馬券的には
〇3連複 6-5.10-5.7.10.11
〇3連単 6-5.10-5.7.10.11
 配当的にこれくらい絞っていかなければまともなオッズにならないので、これで資金配分して回収率上げて行きたいと思います。
 結局ルメールと川田がゴール前で叩き合っているような気がするんですよね……馬券的にはニシノフィアンスが来てくれるとかなりでかいのでそこに期待したいと思います。頑張れ!ニシノフィアンス!!

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